【歴史】感想:NHK番組(新番組)「神田伯山の これがわが社の黒歴史」第4回「エステー“エレカル家電”の興亡」(2023年7月5日(水)放送)

神田伯山の これがわが社の黒歴史(NHKオンデマンド)

神田伯山の これがわが社の黒歴史 NHK https://www.nhk.jp/p/ts/XL1JYWZLNZ/
放送 NHK総合

【※以下ネタバレ】
 

黒歴史とは、苦労の歴史。どの会社も一つや二つは抱える、企業の失敗の物語を、ほじくり返してまいりましょう…。

 

第4回「エステー“エレカル家電”の興亡」(2023年7月5日(水)放送)

 

内容

神田伯山の これがわが社の黒歴史 (4)エステー“エレカル家電”の興亡
[総合] 2023年07月05日 午後11:00 ~ 午後11:30 (30分)


講談師の神田伯山が企業の「苦労の歴史」を語る異色の経済番組!第4弾は生活日用品メーカー「エステー」の家電開発秘話。「いいものなんて売れないんですよ」その真意は?


【新シリーズ開始!】人気講談師の神田伯山が企業の黒歴史(=苦労の歴史)を語る異色の経済番組!第4弾は生活日用品メーカー「エステー」の家電開発秘話。2010年、当時大ブームだったマイナスイオンの技術を用いて「エレキ+ケミカル」=エレカル事業を立ち上げ家電業界に華々しく参入。画期的!に思える商品をひっさげ、自信満々で発売したものの・・・・・・。注目のコマ撮り再現VTRは『ストリートファイター2』だ!


出演者ほか
講談師…神田伯山,【語り】池田伸子

 
 今回の黒歴史の会社は消臭剤・芳香剤などのメーカー・エステー



一幕 調子に乗る

 2002年(平成14年)。エステーは化学(ケミカル)と電気(エレキ)を組み合わせた「エレカル」に進出することになり、その成果として一定間隔で自動的に香りを出す電池式の消臭剤を開発し大ヒットとなった。

 エステーは次に「マイナスイオン」商品を出すことにした。当時はマイナスイオンが大ブームで、エアコン・空気清浄機・ドライヤーなど次々とマイナスイオン対応を謳う商品が出ていたからである。

 エステーは、大学と共同で研究したり、世界屈指の電子部品メーカーと手を組んだり、で、マイナスイオンを出してウイルスを駆除する商品「ウイルスアタッカー」(5,500円)を開発した。



二幕 援軍

 営業&マーケティングのトップの支援を受けて家電量販店やドラッグストアに営業をかけ、2010年に大々的に売り出した。ところが自信とは裏腹にこれが大コケ。消費者にとってはエステーは芳香剤・消臭剤などの日用品のメーカーで数百円の商品を扱うというイメージだったので、5500円の物を売り出されてもイメージが違い過ぎだった。結局10万台生産して2万台しか売れず、大損害を出して一年で撤退した。



三幕 再起

 ところが2011年3月の東日本大震災放射線測定の需要が出てきた。エステーは家庭用の放射線測定器を開発し、社長の「一万円超えの商品は主婦は買わない」という判断で、赤字覚悟の9800円で売り出した。ウイルスアタッカーの二倍の値段だったが、今度は10万台が一瞬で完売した。

 ちなみに、のちに性能を向上させた15800円バージョンを作ったが、これは全然売れなかったとのこと。

感想

 2021年から特番として三回放送された番組が遂にレギュラーに昇格しました~。

 神田伯山の軽妙な語りと、アニメとかのフィギュアを使ったストップモーション・アニメが楽しい番組。今回はエステーがお題ですが、エステーが家電を出していたなんて知らなかったよ(笑) まあこの当時のマーケティングのトップが先月社長になったそうで、そんな風にやらかした担当者が偉くなったというオチが付くから放送できたんですよね?

 しかし、そんなウマい事例ってそうそう有るのかなぁ。失敗して担当者がそのまま左遷されたとかだとシャレにならんし、ストップモーションアニメは作るのに手間がかかるし、この番組、レギュラー化しても継続できるんか? 心配だ(余計なお世話)
  
 

講談師の神田伯山が「企業の黒歴史(=苦労の歴史)」を講談にして語る異色の経済番組!黒歴史を笑いに変えながら、今に生きる教訓をあぶりだす。
個性豊かなキャラクターによるコマ撮り演出も必見です!


MC 神田伯山 (講談師)

 

他の回の内容・感想の一覧は以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 
 
ウィルスアタッカー 本体
ウィルスアタッカー 本体
 
家庭用放射線測定器 エアカウンター
家庭用放射線測定器 エアカウンター