【ボードゲーム】記事「30周年を迎えたメビウスゲームズ店長夫妻に、日本のボードゲーム興隆の歴史を聞いてみた!」

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【インタビュー】30周年を迎えたメビウスゲームズ店長夫妻に、日本のボードゲーム興隆の歴史を聞いてみた! | BROAD|ボードゲームマガジン
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海外ボードゲームの輸入販売や日本語版へのローカライズを行っているボードゲームショップ、メビウスゲームズ。同店は、今年3月に設立30周年を迎えたということで、まさに日本のボードゲームを支えてきた老舗のひとつと言っていいだろう。というわけで今回は、その歴史を見続けてきた店長夫妻の能勢良太氏、能勢真由美氏のお二人に話を聞いてきた。(取材地:東京都文京区・メビウスゲームズ店舗)

 
 8月上旬の記事なので随分出遅れましたが、あのメビウスの店長夫妻インタビュー。

 メビウスって今のボードゲーマーにどれくらい知名度があるのかさっぱりわからないのですが、ゼロ年代頃にボードゲーム関連に触れている世代なら絶対知っているお店の訳で、その店長夫妻のインタビューと来れば興味津々です。
 
 
以下引用だらけで行きます。

──お店を始められたころの日本のボードゲーム界の状況はどのような感じでしたか?


能勢良太氏:アナログゲームはそれ以前から日本に入ってきてはいたのですが、当時はファミコンなどのデジタルゲームが普及した時期で、いったん世の中から駆逐されてしまいました。


それまでの歴史を話すと、80年代にウォーシミュレーションゲームというボードゲームの一種が一時的に流行したことがありました。ただ、このゲームは内容が難しくてマニア向けの色が強く、広がりを見せるまでには至らなかったんです。そのうえで、世の中にデジタルゲームのブームが来てしまった。だから、私が店を始める直前ぐらいまではアナログゲーム全般で見ても、プレイする人があまりいない状況でしたね。

 
●コメント
 わかるー(笑) 1991年頃にウォーゲームがほぼ全滅してTRPG以外のNOTコンピューターゲームは日本から消滅したんですよね~、まあ私もその頃はエロゲに夢中だったし(笑)
 
 

──メビウスゲームズは輸入ボードゲーム販売のショップとして先駆け的な存在です。和訳ルールブックを付けた形での販売をはじめた経緯は、どのようなものだったのでしょうか。


能勢良太氏:店を始めて2年ぐらい経った1995年ごろ、知り合いから誘われてドイツに行き、そこからゲームの輸入を始めました。まだ国内でボードゲームを作っている人がいませんでしたから、ボードゲームを扱うとなると輸入するしか手段がなかったんです。


そのうち、応援してくれている人のなかから「どんなゲームでもいいから、輸入してくれれば必ず買う人間を20~30人ぐらいは集められる」と言ってくれる方が出てきたんです。そこで、私のほうも買ってもらえる数十個にプラスアルファの数を輸入して、日本語マニュアルを付けて一般に販売するようにしました。

 
●コメント
 伝説のゲーム「カタン」やその他が日本に入って来たのもメビウスのおかげ! 安田均先生の著書「安田均のゲーム紀行」にもこの頃のことがちょっと書かれてましたね。
 
 

──ゲーマーのあいだでは、プレイ時間やルールの複雑さによって、ゲームに対して“重い”“軽い”という表現を使うことがあると思いますが、その基準でいうと“軽い”ゲームということになるでしょうか。


能勢良太氏:そうですね。ただ、これも微妙ではあるんです。軽いゲームや簡単なゲームだけだと、プレイした人が“ボードゲームを遊んだ”という感覚になりにくいんですね。店を始めたころ、あるゲーマーのお客さんに言われたのですが、ゲームをプレイする人を増やしたいと思って誰かを誘っても、『UNO』を何回かやって終わり……ぐらいだと次に繋がらないのだそうです。もうちょっと歯応えのある、考えどころのあるゲームをやって楽しいと感じたときのほうが満足度が高く、また別のゲームをやりたくなるのではないでしょうか。


ですから、『UNO』やトランプあたりからもう一歩先に進んだ、だけど何時間もかかるわけでもない……ぐらいのゲームを取り扱いたいと思っています。

 
●コメント
 この辺りの話は
 ↓

ボードゲームの初心者未満 Table Games in the World
https://tgiw.info/2022/05/qualities-of-board-gamers.html

tgiw.info
 
 にも書いてましたねぇ。
 
 

──メビウスゲームズは、今年3月に30周年を迎えられたとのことですが、この30年で「ボードゲームファンが増えた」「広がった」と思ったのは、どういったタイミングだったでしょうか。


能勢良太氏:やはり、長く残るようなビッグタイトルが出るとでファンが一気に増えていると思います。例えば1995年は『カタン』が出た年で、このときうちも少し扱っていましたが、ちょうどプレイヤーが増えるタイミングだったと思います。『ドミニオン』(2008年)のときもプレイヤーが増えましたね。それと、別ゲームからの流入もありました。『カタン』のときは、先ほどのウォーシミュレーションゲームをやっていた方が「もう周りにウォーゲームをやってくれる人がいなくなってしまったけど、これなら相手が見つかりそうだから」とプレイしてくれたり、『ドミニオン』ならトレーディングカードゲームをやっていた人がそちらに限界を感じてボードゲームのほうに移ってきてくれたり。


それと、世相や状況も関係してきます。これは決して良いことではありませんが、東日本大震災(2011年)の影響で電源が不要なゲームが注目されたり、コロナ禍(2020年~)での巣ごもり需要だったりで、ボードゲーム人口が増えるということがありました。

 
●コメント
 やっぱりドミニオンですかねぇ。これでTCGゲーマーがドバっとボードゲーム市場に流れ込んで来たらしいから。


感想

 いやー、あのメビウスの関係者のインタビューが読めるとは。ゲーム業界の生き字引的な人たちですからすんごく興味深いお話でした。
 
 
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