【映画】感想:劇場アニメ「劇場版「SHIROBAKO」」(2020年:日本)

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劇場版『SHIROBAKO』 公式サイト http://shirobako-movie.com/
放送 AT-X。2022年1月2日(日)

【※以下ネタバレ】
 

いつか必ず何としてでもアニメーション作品を一緒に作ろうと、ひょうたん屋のドーナツで誓いを立てた上山高校アニメーション同好会の5人。卒業後それぞれがそれぞれの場所でアニメーション制作に携わっていく。宮森あおいは「えくそだすっ!」「第三飛行少女隊」の制作を経て、少しずつ夢へ近づきつつ、徐々に自分の本当にやりたいことを考え始めていた。


あれから、4年。日々の仕事に葛藤しながら過ごしていたあおいは朝礼後、渡辺に呼ばれ新企画の劇場用アニメーションを任されることになる。しかし、この企画には思わぬ落とし穴があった。今の会社の状況で劇場用アニメーションを進行できるのか?不安がよぎるあおい・・・新たな仲間・宮井楓やムサニメンバーと協力し、完成に向けて動き出す。果たして、劇場版の納品は間に合うのか――!?

 

あらすじ

 「第三飛行少女隊」の放送から四年後。武蔵野アニメーション(ムサニ)は、すっかり落ちぶれ、下請けの仕事を細々とこなす零細会社になり果てていた。

 過去。ムサニは「第三飛行少女隊」のあと、オリジナルテレビアニメ「タイム・ヒポポタマス」(通称タイマス)を制作していたが、8話まで制作した時点で、スポンサー側の上層部に企画が通っていないことが発覚してしまう。スポンサー側の新社長はタイマスへの出資を認めず、結果タイマスの製作は中止となり、ムサニは大損する羽目に陥った。社長の丸川は引責辞任し、プロデューサーだった渡辺が新社長となるが、この事件をきっかけに社員が退職し、その結果仕事が受けられなくなり、そのためまた社員か辞める、という悪循環に陥っていた。


 そんなある日、宮森は渡辺から劇場用アニメ「空中強襲揚陸艦SIVA」の製作について打診される。「SIVA」は葛城プロデューサーの元、「げ~ぺ~う~」という会社が制作することになっていたが、公開まで10か月という時点でも全く制作が進んでおらず、しかもげ~ぺ~う~はまともに責任を取るつもりも無く、葛城は困り果てていた。

 宮森は、劇場アニメの製作は本来二年必要と知りつつも、ムサニが元請けで製作できるという話にあえて「SIVA」を引き受けることに決め、プロデューサーとなった。そして「SIVA」がタイトル以外は中身も何も決まっていないことを利用し、「タイマス」の内容をこの映画に流用しようと思いつく。

 宮森は、タイマスの制作中止で抜け殻状態だった木下監督を担ぎ出し、さらにバラバラになっていた「タイマス」の元スタッフたちに声をかけ、次々と製作スタッフを集めていく。各人の頑張りもあり、過酷なスケジュールにも拘らず「SIVA」の製作は順調に進んでいった。

 しかし、製作が佳境に入ったところで、「げ~ぺ~う~」の社長が「SIVA」の製作の権利は自社にあると難癖をつけ、元請けの権利をムサニから奪い取ろうと画策してくる。宮森はげ~ぺ~う~に乗り込んで社長と直談判し、契約書を盾に裁判をちらつかせて社長を黙らせる。

 公開三週間前に「SIVA」は無事完成した。しかし宮森はラストの展開にイマイチ納得がいかず、スタッフを集めて意見を聞くと、皆もまた物足りなさを感じていた。木下も内心は満足していなかったが、今更作り直すとは言えず、煮え切らない態度に終始する。宮森は全員の心を動かし、ラストシーンを作り直させる。

 「SIVA」の公開予定日。「SIVA」は無事スケジュール通りに完成していた。宮森はアニメ同好会の仲間たち共に劇場で鑑賞していた。

感想

 評価は○(そこそこ)

 2014年~2015年にテレビ放送され、それなりに話題になったアニメ業界お仕事アニメの劇場版。

 しかし……、後半のカタルシスを生み出すため、まず前半でムサニをどん底まで下げているのが何だかなぁ感強し。テレビシリーズの主要キャラのうち、在席しているのは渡辺と宮森だけ、名物社長は引責辞任し、その他は全員どこかに行方不明、ってもうそこからヒドイ……

 まあ、この状態から「みんなが帰ってきて一つの作品を作り出すぞ!」という話に持っていく過程はそこそこ面白かったですけど、結局二時間しかないので、宮森と渡辺と葛城と丸川、この四人以外の存在感は殆ど無し。

 アニメ同好会の仲間四人も大して出番は無いし、テレビシリーズではあれほどウザかった高梨もいないも同然で、その他のキャラなんかはもう推して知るべし、の帰って来たのか来てないのかもよくわからないレベル。宮森の先輩で介護のために辞めた矢野エリカも帰ってきたことは来たのですが、ちょっと顔出ししただけ。もったいねー。


 ということで、まあ、ダメじゃなかったですけど、テレビシリーズのその後にしては話が切なすぎて、ちょっと「もろ手を挙げて大歓迎」とはいきませんでしたね……
 
 

https://www.at-x.com/program/detail/14625
劇場版「SHIROBAKO


放送スケジュール
2022年
1月2日(日)21:55~24:00



<スタッフ>
原作:武蔵野アニメーション
監督:水島 努
シリーズ構成:横手美智子
キャラクター原案:ぽんかん⑧
キャラクターデザイン・総作画監督関口可奈味
美術監督:竹田悠介・垣堺司
色彩設計:井上佳津枝
3D監督:市川元成
撮影監督:梶原幸代
特殊効果:加藤千恵
編集:髙橋歩
音楽:浜口史郎
音楽制作:イマジン
プロデュース:インフィニット
アニメーション制作:P.A.WORKS
配給:ショウゲート
製作:劇場版「SHIROBAKO」製作委員会


<キャスト>
宮森あおい:木村珠莉
安原絵麻:佳村はるか
坂木しずか:千菅春香
藤堂美沙:髙野麻美
今井みどり:大和田仁美
宮井楓:佐倉綾音
矢野エリカ:山岡ゆり
安藤つばき:葉山いくみ
佐藤沙羅:米澤 円
久乃木 愛:井澤詩織
高橋球児:田丸篤志
渡辺 隼:松風雅也
興津由佳:中原麻衣
高梨太郎:吉野裕行
平岡大輔:小林裕介
木下誠一:檜山修之
葛城剛太郎:こぶしのぶゆき
山田昌志:浜田賢二
円宏則:斎藤寛仁
遠藤亮介:松本忍
下柳雄一郎:間島淳司
佐倉良樹:高梨謙吾
堂本知恵美:伊藤静
新川奈緒:日野まり
小笠原綸子:茅野愛衣
井口祐未:沼倉愛美
瀬川美里:山川琴美
杉江茂:小柳基
田豊:西地修哉
舞茸しめじ:興津和幸
渥美裕治:濱野大輝
丸川正人:高木渉
三崎芳雄:鈴村健一


2020年劇場公開作品

 

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