【歴史】感想:歴史番組「ダークサイドミステリーE+」2022年版「陰謀!? タイタニックは沈められた? ~新説・奇説謎の真相に迫る~」(2022年4月19日(火)放送)

タイタニックは沈められた

ダークサイドミステリーE+ NHK https://www.nhk.jp/p/ts/ZG5NQK3K3P/
放送 NHK Eテレ。毎週火曜夜10時45分~11時15分放送。

www.nhk.jp
【※以下ネタバレ】
 

他の回の内容・感想

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驚きと感動の「闇」が、地上波に登場!


BSプレミアムでシーズン4が4月14日(木)スタートする話題の番組「ダークサイドミステリー」。その名作の数々が、コンパクト30分版に見やすくなってEテレに登場!


背筋がゾワゾワ、心がドキドキ、怖いからこそ見たくなる。世界はそんなミステリーに満ちている。世間を揺るがした未解決の事件、常識を越えた自然の脅威、いにしえの不思議な伝説、怪しい歴史の記録、作家の驚異の創造力…。こうした事件・出来事を徹底再検証!


ナビゲーター・栗山千明、語り・中田譲治、テーマ音楽・志方あきこのダークなトライアングルで迫ります。

 

陰謀!? タイタニックは沈められた? ~新説・奇説謎の真相に迫る~ (2022年4月19日(火)放送)

 

内容

ダークサイドミステリーE+ 陰謀!?タイタニックは沈められた?謎の真相に迫る
[Eテレ] 2022年04月19日 午後10:45 ~ 午後11:15 (30分)


名作が再構成で地上波登場!絶対安全「不沈船」タイタニックはなぜ沈んだ?最新研究で浮かぶ闇…陰謀で沈められた?同型船とすり替え?徹底検証で驚きの真相が明らかに!


世界が泣いた!1912年、巨大豪華客船・タイタニック号沈没。初航海で氷山に衝突し、1500人以上が犠牲になった大災害には、今も謎が多い。最新研究から悲劇の真相に迫る!▽タイタニックは同型船とすり替えられ、わざと沈められた?オーナーと船長の不審な行動は保険金目当て?陰謀の存在を示すさまざまな証拠は、本当か?貴重な海底映像やタイタニックの構造分析から、怪しげなウワサを徹底検証!


【出演】栗山千明,【語り】中田譲治

 今回は「2020年6月11日放送回」のダイジェスト版。
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【ミステリー】感想:歴史ミステリー番組「ダークサイドミステリー」(2020年版)『陰謀!? タイタニックは沈められた? ~新説・奇説謎の真相に迫る~』(2020年6月11日(木)放送)
https://perry-r.hatenablog.com/entry/2020/06/12/010405

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 今回のテーマは「タイタニック号」。


タイタニック号の沈没

 1912年4月10日、豪華客船タイタニック号が、イギリス・サウサンプトンからアメリカのニューヨークを目指して出港した。到着予定は4月17日。タイタニック号は、当時世界最大級の豪華客船で、全長269メートル、総トン数4万6,000トン。建造費は現在の金額で220億円。移動するホテルともいえるほどの施設を持ち、また船内は浸水を防ぐための15枚の防水隔壁で仕切られ、不沈船と称された。

 4月14日(日曜日)。出港から五日目。タイタニック号はニューファンドランド島沖辺りに達するが、この辺りは北極海から流れて来る氷山が多い海域だった。夜11時40分、タイタニック号は右舷に氷山が衝突し、それからわずか2時間40分後の午前2時20分に沈没してしまった。乗員乗客合わせて2200人のうち、生存者はわずか700人だった。20世紀最大の海難事故となった。



タイタニック号はわざと沈められた!?

 やがてタイタニックはわざと沈められた、という陰謀論が浮上してきた。

 沈没後に開かれた査問委員会では、沈没当日、他の船が氷山について電信で警告していたにもかかわらず、船長エドワード・J・スミスは読まずに、乗船していたホワイト・スター・ライン社社長のブルース・イズメイに渡し、イズメイはそれをポケットにしまい込んだと、イズメイ自身が証言している。二人は警告を無視し、船をフルスピードの22.5ノット(時速42Km)で進ませた。

 実はタイタニック号には保険金がかかっており、沈没時には500万ドル(150億円)が支払われることになっていた。

 また、タイタニック号には、一年前に完成した姉妹船「オリンピック号」が存在し、見た目がそっくりだった。ところがオリンピック号は、建造後数か月で海軍の巡洋艦と衝突して大損害を受けたうえに、スクリューの脱落事故を起こし、その修理代で会社のお荷物になっていた。

 つまり会社は、お荷物のオリンピック号を、タイタニック号と偽って出発させて、わざと沈めて保険金を手に入れようとした、というのが陰謀論の趣旨である。

 その証拠として、ホワイト・スター・ライン社の実質的オーナーだった金融王J・P・モルガンは、タイタニック号に乗船する予定だったのに、直前でキャンセルしていることがあげられる。。

 また、船の船首の窓の数も証拠となった。タイタニック号は建造直後は窓が14枚なのに、出発直前は16枚ある。そしてオリンピック号も窓が16枚あった。



陰謀論への反証

 もっとも、このすりかえ説は根拠のない怪しい説に過ぎない。

 船首の窓の数については、実はオリンピック号も完成直後は窓は14枚で。あとから改造して16枚になった。よってタイタニック号も16枚に改造されたとしてもおかしくない。

 またJ・P・モルガンがタイタニック号乗船をキャンセルした理由は、インフルエンザにかかっていたからだった。

 そもそも、沈没した「タイタニック号」から、すり替えなど無かったという決定的証拠が見つかっている。タイタニック号は401番ドックで建造されたが、沈没した船のスクリューを調べると、ちゃんと「401」と刻まれているのが確認されている。


 船長や社長が何故速度を落とさなかったかというと、当時氷山で船が沈むという事故は過去40年にわたって起きていなかったため、当時誰も氷山を危険と考えておらず、氷山を見かけたらその時回避すればいい、程度に考えていたためだった。

 また、社長は出来るだけ早く到着して新聞の記事にしたかっただけだった。



タイタニック号は何故沈んだのか

 タイタニック号は、二重底・15枚の防水隔壁、など、当時の技術で考えられる限りの安全性を備えており「浮沈船」と呼ばれていた。そして当時のイギリス商務省の法律では、商務省が優れた水密区画があると判断した場合は、救命ボートは定員の半分程度で良いとされていた。

 だがタイタニック号は、氷山に船体の側面がすれるようにぶつかるという、過去40年発生しなかった形で氷山とぶつかった。そして6個の区画に同時に浸水するという、誰も考えつかなかった形の事故となり、結果僅か2時間40分で沈没、救命ボートの数は足りず、乗客乗員2200人の内700人しか助からなかったのである。


 船舶業界は猛烈な批判を受け、1914年にイギリス・アメリカ・フランスなど海運国13か国は、「SOLAS(ソーラス)条約」(Safety of Life at Sea/海上人命安全条約)を採択し、「乗員全員分の救命艇を備える事」「流氷の監視の義務化」などを定めた。この条約は現在までに60回以上改訂されている。

 また船の設計思想にも変化がもたらされ、沈むことが前提となり、客船の場合は、乗員の生存確率が80~90パーセントでなければ認められない。安全確率100パーセントはあり得ない。その中でどのように人の命を守っていくのか。タイタニック号の悲劇は人類の安全に対する意識を変えた。


感想

 超有名なタイタニック号の海難事故ネタ。オリジナルの一時間版から「出発前に石炭の火災を起こしていた?」という疑惑の部分をカットして、すり替え疑惑に絞って放送。まあこれはこれで面白いですよね。
 
 

光と闇のナビゲーター 栗山千明
語り 中田譲治
テーマ音楽 志方あきこ

 
 

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