プレミアムシネマ NHK https://www.nhk.jp/p/ts/QPN1RW1PYW/
放送 NHK BS。2025年3月3日(月)
【※以下ネタバレ】
昭和20年8月15日、太平洋戦争終結の日。日本の運命を決めた激動の24時間を鬼才・岡本喜八監督が、三船敏郎はじめ豪華キャストと壮大なスケールで描く緊迫のドラマ。
太平洋戦争終結の日、天皇陛下の玉音放送に至るまでの激動の24時間に何があったのか、当時の政治家や宮内庁関係者らへの綿密な取材と証言で執筆されたノンフィクションをもとに鬼才・岡本喜八監督が豪華キャストで描く緊迫のドラマ。昭和20年7月26日、ポツダム宣言の受諾をめぐって閣議は揺れるが、8月14日、受諾を決定。玉音放送の準備が行われる一方で、終戦に反対する青年将校たちがクーデター計画を進めていた…。
あらすじ
1945年8月。日本は、アメリカによる広島と長崎への核爆弾投下、ソビエトの対日参戦、によってもはや戦争継続は不可能という状況に陥っていた。
8月14日。日本は天皇の聖断によりポツダム宣言の受諾を決定し、政府閣僚・外務省による無条件降伏へ向けての作業が開始された。しかし宮城(皇居)を守る精鋭・近衛師団の参謀たちは、天皇の周囲の重臣たちが天皇に責任を負わせ自分たちだけ生き延びようとしていると激怒し、降伏を中止させ、本土決戦に持ち込もうと決意し、反乱を計画し始める。彼らは自分たちが決起すれば、他の部隊も自分たちに呼応してくれるものと確信していた。
15日深夜。近衛師団参謀たちは上司の師団長に決起を促すものの同意を得られず、激高して殺害した。そのあと偽の師団長命令を作成して軍を動かし宮城を占拠してしまった。反乱軍は15日正午に放送される予定の玉音放送を録音した玉音盤を探し回るが見つけられず、さらに宮内省にも乗り込んで必死に捜索するものついに発見できなかった。
参謀たちは焦りを募らせ、東部軍(東日本担当の軍)が決起に呼応してくれることを期待していたが、東部軍司令官から反乱者として扱われ、一気に鎮圧されてしまった。
感想
評価は○(面白かった)
太平洋戦争終結までの24時間の動きを描いた映画。テーマ的に重いにも関わらずこれが面白かったです。
ノンフィクション本が原作なので映画的に派手なドラマがあるわけでは無く、時系列順に怒ったことを淡々と(?)描いているだけなのですが、これが無性に面白かった。さすが、脚本が有名な橋本忍で監督が有名な岡本喜八だから、ということでしょうか。
群像劇なので主役は居ないのですが、やはり目立ったのが阿南(あなみ)陸軍大臣を演じた三船敏郎。いつも通りの三船でとにかくやたらカッコよかった。15日の朝に責任を取って自決するのですが、その前に部下に「死ぬのは簡単だ、若い者は生きて日本を立て直せ」とか言っていて、最後までカッコイイの。というかカッコよすぎて旧軍賛美になってないかと思うくらいでしたよ……
あとは、とにかくオールスター映画で知った顔がやたら出てきました。
↓
・鈴木貫太郎総理大臣 … 笠智衆
・米内海軍大臣 … 山村聡
・下村情報局総裁 … 志村喬
・迫水内閣書記官長 … 加藤武
・松本外務次官 … 戸浦六宏
・椎崎中佐 … 中丸忠雄
・芳賀連隊長 … 藤田進
・不破参謀 … 土屋嘉男
・佐々木隊長 … 天本英世
・小園大佐 … 田崎潤
・菅原副長 … 平田昭彦
・徳川侍従 … 小林桂樹
等々。こりゃすごい。
ちなみにこの映画は1967年・昭和42年の映画なのに白黒です。多分、昔っぽい感じを出したかったのが一つと、あと反乱将校が上司の師団長たちを殺害するシーン+阿南が自決するシーンで血がドバドバ出ていたからでしょうね……
御前会議で昭和天皇がポツダム宣言を受諾する旨を述べたシーンで思わず閣僚と一緒にすすり泣いてしまいそうでした。テーマ的には人を選ぶ映画ですが、事前に予想していたよりはるかに楽しめた一作でした。
※この感想で不敬な表現が有った場合には謹んでお詫びいたします。
シネマ「日本のいちばん長い日」<レターボックスサイズ>
[BS] 2025年03月03日 午後1:00 ~ 午後3:39 (2時間39分)
放送日時:3月3日(月)午後1:00~午後3:39
内容時間:2時間39分〔製作〕藤本真澄、田中友幸
〔監督〕岡本喜八
〔原作〕半藤一利(大宅壮一・編)
〔脚本〕橋本忍
〔撮影〕村井博
〔音楽〕佐藤勝
〔ナレーター〕仲代達矢
〔出演〕三船敏郎、山村聰、志村喬、笠智衆、加山雄三、新珠三千代 ほか
(1967年・日本)〔日本語/白黒/レターボックス・サイズ〕