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放送 BSプレミアム 2018年12月5日(水)
【※以下ネタバレ】
太平洋戦争の転換点になったとされるミッドウェーでの歴史的な戦いを描いた戦争巨編。真珠湾攻撃から半年後、日本海軍はアメリカの主力である太平洋艦隊を攻撃する新たな作戦を計画する。一方、暗号の解読によって計画を察知したアメリカ軍は迎撃の準備を進めるが…。C・ヘストン、H・フォンダはじめ、当時の大スターが出演、三船敏郎が連合艦隊司令長官・山本五十六を演じる。実際の記録映像を使用した戦闘シーンも印象的。
あらすじ
1942年4月。日本近海に接近したアメリカ軍の空母から爆撃機が発進し、東京などの都市を爆撃した。日本の受けた被害はほぼ皆無だったが、日本軍は大きな衝撃を受ける。山本海軍大将は、アメリカとの戦争を終わらせるため、ミッドウェイ島の占領を決意する。
アメリカ側は日本軍の暗号電文をわずかながら解読し、日本軍の次の目標がミッドウェイ島だと推測する。国防省は、これは日本の欺瞞作戦で、本当の目標は真珠湾かアメリカ西海岸ではないかと疑うが、海軍大将ニミッツは日本のミッドウェイ島攻撃を確信し、迎撃の準備を進める。
そんな中、海軍パイロットのガース大佐は、ハワイの基地でやはり海軍のパイロットとなった息子のトムと再会する。トムは日本人女性ハルコ・サクラと愛し合っており、結婚を考えていたが、ハルコは両親とともにホノルルで拘束され、近く本土の収容所に送られることになっていた。ガースはハルコと面会してその人柄を知り、ハルコたちが収容所に送られないように奔走する。
5月下旬。日本軍は空母四隻を主力とする合計200隻の大艦隊をミッドウェイへ向けて出撃させた。アメリカ側もまた空母三隻を中核とする艦隊をミッドウェイに送り出し、その中にはガースやトムの姿も有った。
6月5日。日本軍はミッドウェイ島に攻撃を仕掛け大損害を与えるが、アメリカの艦隊が近くに接近している事に気が付いていなかった。アメリカ側は先に日本艦隊を発見して攻撃を仕掛け、空母三隻を撃沈するという大戦果を挙げる。日本軍は残った空母一隻で猛反撃するものの及ばず、ついに最後の空母も沈められた。山本大将は敗北を悟り、艦隊を退却させた。
大勝利を飾ったアメリカ軍は真珠湾に帰還した。しかしガースは戦死し、トムも重傷を負っていた。船から運び出されるトムをハルコが見つめていた。最後ニミッツは部下に勝利できたのは実力だったのか運だったのか解らないと語るシーンで〆。
感想
評価は○。
最近ではすっかり姿を消した戦争映画の超大作で、実に見ごたえのある作品だった。
テーマとなっているミッドウェイ海戦は、太平洋戦争のターニングポイントとして、ちょっとした軍事マニアなら必ず知っているような有名な戦いで、それを当時の大物俳優たちを動員した豪華な顔ぶれで映像化している。
シナリオはなかなかの優れもので、この手の映画にありがちな無茶苦茶な歴史改変は見られず、ほぼ史実通りの展開だった、というのがポイントが高い。またアメリカ製映画にもかかわらず、日本軍が単純な悪役にされておらず、アメリカ軍と対等の敵として描かれているというのも好感が持てた。
中盤、日本軍側は様々な不運に見舞われてアメリカ艦隊の接近に気が付かないため、観客としては見ていてハラハラさせられる。またアメリカ軍側も、本当に日本軍がミッドウェイに攻めて来るのか確信が持てず、疑心暗鬼の中で敵艦隊を探し続け焦燥を募らせていく様が描かれており、どちらの側にもそれぞれにドラマがあり、見ていて実に面白かった。
まあ史実だけでは彩が薄いと思ったのか、オリジナルキャラクター(?)であるガース大佐(チャールストン・ヘストン)とその息子トム、さらに日本人女性ハルコの物語をいれたりしていたものの、あくまでサブストーリー扱いであり、本筋を食ったりはしていなかったので、まあこれはこれで面白い味付けだった。
しかしまさか最後にパイロットとして参加していたガースが戦死するとは思ってもいなかったので、ガースの機が空母への着艦に失敗して大爆発したシーンでは思わず「へ?」とか妙な声を挙げてしまった……
チャールトン・ヘストン、ヘンリー・フォンダ、三船敏郎が共演したうえ、戦時中の本物の映像、さらに本物の軍艦を使用した映像はなかなかの迫力であり、結果として豪華な映画に仕上がっていた。という事でなかなかの満足度だった。
ミッドウェイ
BSプレミアム12月5日(水)午後1時00分~3時13分
【製作】
ウォルター・ミリッシュ
【監督】
ジャック・スマイト
【脚本】
ドナルド・S・サンフォード
【撮影】
ハリー・ストラドリング・ジュニア
【音楽】
ジョン・ウィリアムズ
【出演】
チャールトン・ヘストン、ヘンリー・フォンダ、三船敏郎、ジェームズ繁田 ほか
製作国:
アメリカ
製作年:
1976
原題:
MIDWAY
備考:
英語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ
ガース大佐(チャールトン・ヘストン)
ニミッツ大将(ヘンリー・フォンダ)
山本五十六大将(三船敏郎)
マドックス大佐(ジェームズ・コバーン)
スプルーアンス少将(グレン・フォード)
ロチェフォート中佐(ハル・ホルブルック)
ブレイク少佐(ロバート・ワグナー)
フレッチャー少将(ロバート・ウェッバー)
南雲忠一中将(ジェームズ繁田)
ハルゼー中将(ロバート・ミッチャム)