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ゲシール捕縛指令 (ハヤカワ文庫SF) 文庫 2025/10/22
クルト・マール (著), ペーター・グリーゼ (著), 安原 実津 (翻訳)
出版社:早川書房 (2025/10/22)
発売日:2025/10/22
文庫:304ページ
【※以下ネタバレ】
コスモクラートの使者に誘拐されたゲシールの行方を追うアラスカは遂に彼女の居場所にたどり着きテスタレ、エラートとも再会する
ゲシールとテスタレの行方を追うアラスカ・シェーデレーアは、NGZ1085年、ヤバアル星系の惑星パオパムでひとりの老人と出会う。その老人によれば数百年前、カラポン帝国にコスモクラートの息子と称する者がいたらしい。その男シメド・ミルラの母親の名は“ケジール”だという。アスポルク、クエリオンをへて、惑星コンジョンクにたどり着いたアラスカは、ナックのエラデルに導かれて、時間の向こう側の世界へと急ぐが!?
あらすじ
◇1493話 コスモクラートの監獄(クルト・マール)(訳者:安原 実津)
NGZ1085年10月。アラスカ・シェーデレーアは行方不明となった盟友テスタレを600年以上も探し続けていた。いつしか銀河系は何者かが作ったバリアで封鎖されていたが、銀河系ハロー部では高次種族クエリオンが隠遁した惑星を発見し「惑星クエリオン」と名付けていた。
アラスカは、数百年前、テスタレが「コスモクラート・ケジールの息子シメド・ミルラ」と名乗る人物と接触していたらしいこと、さらにテスタレが最後にハンガイ銀河の惑星コンジョンクで目撃されていたという情報をつかみ、コンジョンクへ向かった。コンジョンクではテスタレの居場所を知る友好的なナックが現れ、アラスカを「時空断層」の向こう側にある別宇宙の惑星「ウクスバタアン」へ運び、アラスカはテスタレ、ゲシール、エルンスト・エラートと再会した。この宇宙の時間の流れは通常宇宙より遅く、テスタレたちが来たNGZ491年から3年しか経っていなかった。ゲシールはかつてコスモクラートの使者を偽装した存在「アス=レテル」にこの星に監禁されたのだった。アラスカたちはナックの助けで別の時空断層を抜け元の宇宙に戻るが、場所も解らないジャングルに出現してしまった。(時期:NGZ1085年10月~1089年10月)
※初出キーワード=惑星クエリオン。惑星ウクスバタアン。
◇1494話 ゲシール捕縛指令(ペーター・グリーゼ)(訳者:安原 実津)
ロードの支配者レミン・キリアンは、ゲシールたちが「時空監獄」から逃走した事を知り、すぐに追手を差し向けた。アラスカたちはジャングルで人間と出会い、現在位置がテラの南米アマゾンで、日付がNGZ1147年3月になっている事を知った。アラスカたちは追手を逃れるため、正体不明の「隠者パウナロ」を頼るが、パウナロの正体はナックだった。パウナロは何故かアラスカたちを助け、四人をテラニア宇宙港の自分の宇宙船に転送し、太陽系を脱出した。(時期:NGZ1147年3月17日~)
※初出キーワード=時空監獄。
あとがきにかえて
安原 実津 氏
翻訳の参考に、相対性理論とかの動画で勉強した話。
感想
・前半エピソード「コスモクラートの監獄」 原タイトル:DAS GEFANGNIS DER KOSMOKRATIN(意訳:コスモクラートの監獄)
アラスカは行方不明の盟友テスタレを探して600年以上も宇宙をさまよっていたが……、という話。
タルカン・サイクル中盤(680巻頃?)に姿を消したアラスカが久しぶりに再登場。「一人で700年も旅をしてました」とさらっと書いてあるけど凄くないか。
そしてついに明かされるゲシール誘拐犯の名前が「アス=レテル」というのに苦笑。ローダン以下みんなが既に過去の事として忘れてしまったタルカン宇宙の「ヘクサメロンの六大侯爵」の一人の名前です。ロードの支配者とヘクサメロンとどう結びつける気なんだろう?
・後半エピソード「ゲシール捕縛指令」 原タイトル:JAGD AUF GESIL(意訳:ゲシール狩り)
アラスカたちは未知のジャングルで放浪を続けるが……、という話。
そうだろうなと思っていたらやはりテラに帰ってきてました。オチでレミン・キリアンが激怒してそこら中の物に八つ当たりしているのに笑った(笑)
その他
本書も前巻と同様通常より厚めの300ページ超えでした。分厚い手触りで得した気分です。
