感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第79話(シーズン4 第1話)「暗号を解読せよ」

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【※以下ネタバレ】
 
シーズン4(79~104話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のページでどうぞ
海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン4」あらすじ・感想まとめ
 

第79話 暗号を解読せよ The Code (シーズン4 第1話)

 

あらすじ

ある独裁国が、隣国の侵略を計画。この内容は暗号として、協力国から独裁国にいる作戦担当に48時間以内に届く手筈となっているが、IMFはこの暗号を解読して侵略計画を阻止し、両国の同盟を打ち砕くという指令を受ける。IMFチームは写真に仕掛けられた暗号を解けるのか。


ある独裁国がその隣国侵略を計画、この内容は暗号として協力国から独裁国にいる作戦担当に48時間以内に届く手筈となっているが、IMFはこの暗号を解読して侵略計画を阻止、両国の同盟を打ち砕くという指令を受ける。IMFチームは写真に仕掛けられた暗号を解けるのか。

※DVD版のタイトルは「暗号解読」。


【今回の指令】
 軍事国家「ヌエバ・ティアラ」(Nueva Tierra)の独裁者「ビセンテ・ブラボー」(Vincente Bravo)は、隣国の民主国家「サン・クリストバル」(San Cristobal)への侵略戦争を計画している。そしてヌエバ・ティアラの同盟国「連合人民共和国」(The United People's Republic)は、この計画を支援するため、ビセンテの元に「ニコール・ヤノス」(Nikkor Janos)という男を派遣している。さらに、今後48時間以内に、ヤノスに母国から侵略戦争の計画書が暗号で届く予定である。IMFは暗号を解読して侵略計画の詳細をつかむとともに、ヌエバ・ティアラと連合人民共和国との同盟を粉砕しなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、パリス、バーニー、ウィリー
 ゲスト:リンダ


【作戦の舞台】
 ヌエバ・ティアラ


【作戦】
 パリスは高名な革命家「エル・リダー」に扮してヌエバ・ティアラを訪問し、ビセンテたちのサン・クリストバル侵略計画を知っているので、自分の軍隊も協力すると申し出る。ただし、その報酬としてサン・クリストバルを征服した暁には、政権が欲しいと要求する。さらに、申し出を断るなら、逆にサン・クリストバル側についてヌエバ・ティアラと戦うと脅す。ビセンテは怒るが、ヤノスはなんとかパリスを懐柔してみせると言う。

 一方、IMFビセンテたちに、仲間のリンダは秘密情報を持っているアメリカのスパイだと信じ込ませ、逮捕させる。ビセンテたちはリンダがマイクロフィルムに隠していた情報を見つけて、早速連合人民共和国に暗号で送信することに決める。

 情報の送信の様子をバーニーがカメラで撮影し、フェルプスは暗号の文面を手に入れる。情報の内容と暗号の文面を照らし合わせれば、簡単に暗号は解読できるはずだったが、何かの情報が足りず、解読が上手く出来ない。

 さらに連合人民共和国から暗号で戦争計画書が届いてしまい、IMFはその文面も撮影は出来たものの、解読できなければ意味が無かった。しかしフェルプスは暗号文の偽装に使用される風景写真に注目し、風景の中の時計台の時計の針が解読のキーだと見破り、ついに暗号を解読する。IMFは戦争計画の内容をサン・クリストバルに送信する。

 その頃、ヤノスはパリスに、5000万ドル+新政権の副大統領の地位を約束し、パリスはそれで手を打つと言って、一旦ヌエバ・ティアラを離れると言って立ち去る。

 直後、ヌエバ・ティアラの侵略計画がスタートするが、侵攻予定地点にはサン・クリストバル軍が待ち構えていたため、慌ててビセンテは作戦を中止する。そしてビセンテはヤノスが情報を漏らしたに違いないと食って掛かり、逆にヤノスはビセンテこそ裏切り者だとののしる。そして銃の発砲音が聞こえ、IMFが車で立ち去るシーンで〆。


監督: スチュアート・ハグマン
脚本: ケン・ペットス


感想

 評価は○。

 シーズン4の記念すべき第1話。エピソードの質としてはまずまずというところで、ほどほどには満足できた。

 シーズン3限りでローランとシナモンが番組を降りてしまったため、この回から新メンバーのパリス(レナード・ニモイ)を加えての新チームの始動となった。しかし、スパイ大作戦といえば「フェルプス・ローラン・シナモン・バーニー・ウィリー」の五人組というイメージが強いので、男四人だけのチームはなんとなく物足りなさが無くもない陣容ではあった。

 ちなみに、今回は一応IMFの女性エージェントとして、リンダ(アレキサンドラ・ヘイ)というキャラクターが登場するが、シナモンと違って殆どチョイ役で、ヌエバ・ティアラの兵隊に捕まって半裸に剥かれて偽情報を渡すだけの役でしかなかった。その後は「もう用はないから釈放してやれ」というセリフで、無事に解放されたと解るのみで、そのシーンすら描かれない。あまりにも存在感が薄い役回りであった。


 今回パリスが変装した革命家エル・リダーは、チェ・ゲバラがモデルではないかと推測される。ベレー帽をかぶっていて、かつ髭がもさもさ生えているところが、実にゲバラにそっくりである。チェ・ゲバラは2017年時点では既に歴史上の人物でしかないが、このエピソードの放送時点(1969年9月)の二年前の1967年10月に亡くなったばかりで、放送されたころにはまさに同時代の人物だった。当時の有名人をモデルにしてみました、という事だったのではないだろうか。

 今回はバーニーお手製のリモコンカーをパイプの中に入れ、暗号の送受信を行う部屋まで向かわせ、そこからこっそり暗号文を撮影する、という作戦が展開される。しかしフェルプスが暗号の文面が映っているテレビ画像を虫眼鏡で拡大しようとする場面はちょっと笑った。映っている画像をどう拡大しても、カメラの解像度以上の情報は掴めるわけはないので、ちょっと愉快な間違いではあった。

 今回はミッション自体は特に複雑ではなかったが、パリス演じるエル・リダーがビセンテたちを巧みにだます展開が愉快だったのと、最後に侵略計画の失敗をめぐってビセンテとヤノスが責任のなすり合いを始めた挙句、どっちかがどっちかを撃ってしまう展開はいかにもスパイ大作戦らしい趣で、まずまずのクオリティのエピソードではあった。

 今回のサブタイトルの原題「The Code」とは「暗号」のこと。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスが鍵のかかった回転木馬の中に入り、中央の小部屋の机の引き出しを開けると、中には大きめの封筒とオープンリール式テープレコーダーが入っている。フェルプスはテープを再生して指令を聞きつつ、封筒の中の写真を確認する。指令は最後に「なおこの録音は自動的に消滅する」といい、テープから煙が吹き上がる。

参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。ヌエバ・ティアラの独裁者ピセンテ・ブラボーは、国境を接する隣の民主国サン・クリストバルに対する侵略を企てている。48時間以内にその侵略計画の詳細が連合人民共和国から暗号によって、ヌエバ・ティアラにいるこの男ニコール・ヤノスに届くことになっているが、ヤノスはこの侵略を助け、サン・クリストバルに傀儡政権を打ち立てるべく連合人民共和国から派遣されている策士である。

 そこで君の使命だが、暗号を解読し侵略計画の詳細を掴むとともに、ヌエバ・ティアラと連合人民共和国との同盟を粉砕することにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕えられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。
 

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