【ゲーム関係】感想:ゲーム関連本「ELYSION ~永遠のサンクチュアリ~ 公式ビジュアルブック」(角川書店/2001年)+「同 公式ビジュアルブック」(コンパス/2001年):横田守絵のメイドが美しい

ELYSIOn ~ 永遠のサンクチュアリ ~
【※以下ネタバレ】


 20世紀最後の年、2000年の夏に発売された18禁ゲームELYSION(エリュシオン) ~永遠のサンクチュアリ~」。館+メイド+サスペンス(+オカルト)、という1990年代のエロゲの流行を色濃く漂わせる作品で、テリオスブランドの作品で一番有名かもしれません。なんとPC版だけで二冊も本が出ていて、横田守スキーとして当然両方持っているので、二冊とも取り上げます。


対象ゲーム一言紹介

 「ELYSION(エリュシオン)~永遠のサンクチュアリ~」。テリオスAVG。2000年8月10日発売。PC用18禁ゲーム。原画:横田守。シナリオ:藤木隻。

 青年医師・葛城はある理由から勤務先の病院を追われ、地中海の孤島に暮らすマフィアのドンの館で医師として働くことになった。そして葛城は主から自分の専属メイドを選ぶように指示されるが……

 絶海の孤島に建てられた館・マフィア・メイド・サスペンス、という1990年代後半の18禁ゲームの要素を満載した様な作品。プレイヤーは葛城として、8人のヒロインと誰かと仲良くなっていくことで、それぞれのストーリーが展開していく。

 ゲームは屋敷の中や庭園などをミニキャラを操って移動させていくスタイルで、これがノベル形式に慣れたユーザーからは不評だったとのこと。逆にDOSゲームを知っている世代からはわりと好評だった模様。

 結末は、各キャラとのハッピーエンドから、主人とメイドという主従関係で終わる物から、凌辱オチまで、合計21個。開発に2年くらいかけた大ボリューム作品。


(※ゲームは未プレイ:同時期に発売されたAir(Key)を優先していたらいつの間にか時間が無くなって……)


1冊目『ELYSION ~永遠のサンクチュアリ~ 公式ビジュアルブック』(2001年2月)

ELYSION永遠のサンクチュアリ 公式ビジュアルブック

http://www.amazon.co.jp/dp/4047070505
ELYSION永遠のサンクチュアリ 公式ビジュアルブック 大型本 2001/2
テリオス (監修), コンプティーク編集部 (編集), ヘッドルーム (編集)
出版社: 角川書店 (2001/02)
発売日: 2001/02

画面ポスター、カラーグラフィック、キャラクター完全攻略、スタッフインタビュー、メインテーマのスコアなどなど、死角なしの「ELYSION」完全ガイド。横田守による各誌に描き下ろされたカラーイラストを多数収録。

 
●本の内容

・キャラ紹介+CG一杯
・関連イラスト集(コンプティークと電撃G'sマガジン掲載分)
・攻略チャート
・スタッフインタビュー
・背景設定のウンチク


●感想

 評価は○(そこそこ)

 キャラクター紹介にかなり力を入れているし、攻略チャートは見やすいし、スタッフインタビューも横田守氏から監督から広報の人から一杯話を聞いていてなかなかの内容。

 またゲームの背景設定である、北アイルランド問題、バルト三国、ユーゴの内戦、等についてもうんちくを載せていて、読み物としてなかなか健闘しており、そのあたりは好感が持てました。

 しかし……、大きな問題が……、「エロ絵が一枚も載っていない」!!(笑)


 事情を説明すると、当時はエロゲも、リーフやKeyのおかげでそれなりにコンテンツとしての地位を確立していて、それなりに期待できそうな新作は「一般ゲーム誌」で紹介されたりしていたのですよね。もっとも18禁ゲームであることはあえて目をつぶるような編集姿勢で、キャラ絵とかストーリーは紹介するものの、18禁要素については存在しないふり(?)を貫いていました。だから、この本にもあくまで横田守絵が素晴らしい一般ゲームという扱いであり、エロ絵は一枚も載っていない……

 この本は各ストーリーの結末については全く載せていないのですが、凌辱エンドとかそういうのも有るわけなんで、そりゃまあ結末には触れられんわなぁ、とも納得しましたが……

 という事で、それなりには満足できつつも、やはりどこかしら物足りなさの残る一冊でした。



2冊目『ELYSION ~永遠のサンクチュアリ~ 設定原画集』(2001年9月)

ELYSION 永遠のサンクチュアリ 設定原画集 (コンパスオフィシャルアートブックシリーズ)

http://www.amazon.co.jp/dp/4877630678
ELYSION 永遠のサンクチュアリ 設定原画集 (コンパスオフィシャルアートブックシリーズ) 大型本 2001/9
出版社: コンパス (2001/09)
発売日: 2001/09

厳選されたイラストギャラリーの収録。本編に使用された原画を大量収録。これで完璧!!キャラクター別攻略ガイド。開発こぼれ話&商品紹介収録。

 
●本の内容

・キャラ紹介と、各キャラ毎のエンディングの内容
・関連イラスト集
・原画
・攻略チャート
・スタッフインタビュー



●感想

 評価は○(そこそこ)

 基本的に原画集で、ゲーム中のCGは一つのページに小さくごちゃ混ぜに載せるような扱いしかしておらず、とにかく原画を載せることがメイン。そのため、原画については量が多く、差分(服とか下着とか)まで載せており、かなり充実した内容。

 しかしその代わりゲーム内容については殆ど触れていないし、攻略チャートもスタッフインタビューも字が小さくてすんごく見づらい。

 眺めていて、原画家がゲーム原画だけを無造作に載せた同人誌、それの商業版を読んでいるような感覚に襲われました。とにかく原画さえあれば良い、という人向きですが、ゲームを総ざらえした究極本が欲しいという人には物足りない内容と言えましょう。



総括

 ということで角川版もコンパス版も帯に短したすきに長し。二つ合わせてなんとかなった、という感じでしたねぇ。有名な作品なのに本はどちらもイマイチだ。


余談

・このゲーム、2002年にドリームキャスト版、2003年にPS2版が発売されており、そちらではキャラとシナリオが追加されて、より深く謎が解明されるそうです……、それじゃPC版を購入した人間はバカを見てるじゃん……

・この本を読んでいると、90年代ゲーム(発売されたのは2000年ですが、企画は1998年からスタートしていた)とエロゲとの深いつながりを思い出して懐かしくなります…… 今じゃメイドゲームなんて欠片も見当たりゃしない……
 
 

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