感想:アニメ「機動戦士ガンダム MSイグルー 一年戦争秘録」(2004年)


 アニメ「機動戦士ガンダム MSイグルー 一年戦争秘録」の感想です。

■公式サイト
http://www.msigloo.net/

 CS放送・アニマックスでの視聴です。


■概要

 初代ガンダムの外伝。フル3DCGアニメ。ジオンの新兵器の評価を担当する部隊を主役として、一年戦争を描く連作集。

第1話 大蛇はルウムに消えた

■あらすじ

 宇宙世紀0079年1月。ジオン軍の新兵器評価を担当する「第603技術試験隊」の宇宙艦「ヨーツンヘイム」は艦隊決戦用の超巨大砲「ヨルムンガンド」を受領し、史上初の宇宙艦隊決戦「ルウム戦役」に参加した。しかし砲撃に必要なデータが送られてこなかった為、ヨルムンガルドは全く活用できず、戦いの行方を決したのは新兵器「モビルスーツ」の「ザク」だった。

第2話 遠吠えは落日に染まった

■あらすじ

 宇宙世紀0079年春。ジオン軍は地球侵攻作戦を開始していたが、いまや戦いは泥沼状態と化していた。5月、第603技術試験隊は、2年前に不採用となったはずの「モビルタンク・ヒルドルブ」を評価という名目で実戦投入する事になり、北米に降下した。丁度地上では連邦軍が鹵獲したザクを使って戦闘を実施しており、ヒルドルブは6機のザク相手に死闘を演じ、敵を全滅させるものの、自らも大破し乗員は戦死した。

第3話 軌道上に幻影は疾る

■あらすじ

 宇宙世紀0079年10月。第603技術試験隊はザクに代わる新型MS「ヅダ」の試験を行っており、ヅダの投入は対外的にも大きく宣伝されていた。しかしヅダはかつてザクと採用を争って破れた欠陥機であり、しかもその問題は未だに解決されていなかった。11月、オデッサの戦いでジオンは大敗し、敗残兵たちが宇宙へと脱出してきた。第603技術試験隊は救援に向かうが、そこに連邦軍モビルスーツが出現する。ヅダは出撃し、連邦軍モビルスーツを翻弄するが、最後は欠陥で大爆発して消えた。



■感想

 おいおいおいおい、このアニメ、視聴前には1グラムも期待していなかったのに、メッチャクチャ面白いぞ!! お話がゲンブン(劇画家・小林源文氏のこと)調というか、敗北の美学というか、「新兵器を受領する→期待されていない負け犬っぽい人が出てくる→その人が大活躍する→でも悲しいラスト」という流れで統一されており、「第二次大戦東部戦線物(とにかく負けまくり)」を小林源文氏に叩き込まれて、ああいう世界観が好きな身としては大ウケでした(しかもゲンブン漫画そのままの「魔女の鍋」とか「戦争を教えてやる」とかいう台詞も出てくるし・・・)。

 人間までCGで描かれていると言う事で、人の絵にはとにかく最後まで慣れることが出来ませんでしたが、ストーリーはもう最高! 小林源文氏の「黒騎士物語」とかあの手の作風が好きな人ならもう絶対気に入りますね、これは。

 今夜続編「黙示録0079」が放送されるそうで、そっちも楽しみで仕方ないですよ。


★蛇足

 なあ、「イグルー」ってなんだ? 見る前はてっきり、連邦の新型MSイグルーが暴れまわる、ガンダムセンチネルみたいな話だと思っていたんですが・・・