感想:NHK番組:ドキュメンタリー「このままじゃあ終われない 出井伸之と“やめソニー”たちの逆襲」(2013年1月17日放送)


 NHK BS1 での視聴です(放送日:2013年1月17日(木) 21:00〜21:49)。

■ドキュメンタリー|NHK BSオンライン
http://www.nhk.or.jp/bs/t_documentary/

このままじゃあ終われない  「出井伸之と“やめソニー”たちの逆襲」

BS1  1月17日(木)午後9:00〜9:49

>メイド・イン・ジャパンの象徴とうたわれてきたソニー。その絶頂期の栄光と、どん底の挫折を、なめ尽くした男たちがいる。

出井伸之、元会長。95年に平取から14人抜きで社長に就任、破竹の快進撃を見せ、IT時代の寵児と絶賛されたが、世紀の変わり目から急激に失速。05年には経営不振の責任を負う形でソニートップの座から退いた。

>近藤哲二郎、元研究所所長。出井氏に見出され、独自開発したデジタル映像処理技術でソニーのテレビの売上げを押し上げたが、出井氏退任後に自ら所長を務めていた研究所を全て閉鎖され、ソニーを去った。

>前田悟、元事業部長。“新商品開発の鬼”と呼ばれ、タブレット型端末の原点ともいわれる無線テレビを開発しながらもリストラの中で後継機の開発中止を余儀なくされ、ソニーに居場所を失った。

>こうしてソニーを去った“やめソニー”、そして出井さんは、いまなおソニーで果たせなかった自らのミッションをやり遂げようと、それぞれの逆襲のシナリオを描き、演じようとしている。その逆襲は、己のプライドを取り戻す戦いにとどまらず、技術立国・日本の水先を示す戦いでもある。番組では、NHKスペシャル「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ」で撮影しながら、ほとんどの日の目を見ることのなかった貴重な映像に、さらに新撮も加え、出井さんと元ソニー技術者たちの逆襲を描く。


■内容

第1章 “ソニーを壊した”と言われた男 出井伸之

・『自分がいなかったらソニーはITやデジタル分野に進出せずに、他社に吸収されていたかもしれない。』
ソニーは出井体制の前半頃、1990年代に Vaio、アイボ、PS2などでヒットを飛ばしてもてはやされた。
・しかしメモリースティックウォークマンとかは失敗だった。アップルのipodに負けた。責任を取って辞めた。
・今はベンチャーに投資する会社を経営している



第2章 商品開発の鬼才 前田悟

・出井社長に抜擢され2000年に無線テレビ「エアボード」を開発した。タブレット端末の走り的な製品。
 しかし後継製品の開発を止められたのでソニーを辞めた。
・『昔は余った時間で本来の仕事とは別のことをして新製品を作ったりしていた。今は他の部署の人と会話するのにも許可が要る。おかげで指示待ちになり新しいものを作らなくなった』
・今は商品開発コンサルタントをしている。



第3章 20年先を見据えた技術者 近藤哲二郎

・出井時代のソニーの研究所の所長。
・今は次世代技術の研究所の所長。
・最近はシャープと組んで超凄い画質のテレビを作っている



第4章 新たな挑戦
・出井=最近は大企業とベンチャーを結びつけることをやっている
・前田=中小企業が凄い新製品を作ることを支援
・近藤=20年先の技術の開発中



■感想

 ソニーがどうこうというより、元ソニー重役をテーマにした「プロフェッショナル 仕事の流儀」の親戚みたいな番組でした。「仕事の流儀」って(昔見ていたときは)いっつも「仕事とか人生で大失敗」とかを描写した後「いまはそれを乗り越えて頑張ってます」みたいに持って行ってましたが、この番組も同じ感じ。なんか期待とは違う内容でしたが(=ソニーがおかしくなった理由を当事者が反省する番組かと思っていた)、しかし、つまらないということも無かったです。


★蛇足

 ソニーがおかしくなったのってデジタル時代に乗り遅れた云々より、「出井体制で独立採算制を打ち出した結果、各事業部の協力体制が崩壊し、新し物を作れなくなったから」とか聞いているのですが、どうなんですかね…