感想:NHK番組「英雄たちの選択」「スペシャル 両雄対決!石田三成vs.徳川家康」(2014年7月31日(木)放送)


 NHK番組「英雄たちの選択」の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■英雄たちの選択 - NHK
http://www4.nhk.or.jp/heroes/

 NHK BSプレミアムでの視聴です(放送日:2014年7月31日(木) 19:30〜21:00)。


■概要

>日本の運命を決める岐路に立った英雄たち。その時、英雄たちは様々な選択肢の中から、たったひとつの「選択」を行う。
>なぜ英雄はそれを選んだのか?その「選択」の背景には、信念や賭け、勝算や打算など、どのような人生経験や価値観が影響していったのか?そしてその「選択」は、後世にどんな影響を残していったのか?
>この番組は、歴史学軍事学・心理学・経済学など、様々な分野の専門家たちとともに、英雄たちの心中に深く分け入り、新しいアプローチで日本の歴史を描きだす歴史教養番組です。

■内容

>日本史上空前の「関ヶ原の戦い」。家康と三成、両雄が決戦に至るまでの「選択」の攻防とは?東西両陣営に分かれた論客が大激論。戦国最大の大活劇の奥深さに迫る決定版!

>日本史上空前の決戦「関ヶ原の戦い」、その全貌に迫るスペシャル番組。徳川家康の東軍が、石田三成の西軍をたった一日で撃破したこの戦い。しかし実はそれは、決戦までの90日間、両雄によるし烈な「選択」の攻防の末の結末だった。三成と家康、その時々の選択は最善だったのか?気鋭の論客が東西両陣営に分かれて大激論。決戦の地・関ヶ原の徹底現場検証を交え、戦国最大の大活劇=関ヶ原の戦いの奥深さに迫る決定版!

>【司会】磯田道史,渡邊佐和子,【出演】宮崎哲弥,萱野稔人,中野信子,植木理恵,加来耕三,笠谷和比古,【語り】松重豊

関ヶ原の戦いに至るまでの展開。

・もし小早川秀秋が裏切らなかったらどうなっていたか?をコンピューターシミュレーションで検証。9月15日の戦いは東軍が一旦引いて、家康は秀忠軍の到着を待って再戦したと想定。9月22日に関ヶ原で第二戦が行なわれ、東軍が辛勝。

 関ヶ原は、基本的に「家康は戦う前に何から何まで準備していて、石田三成は負けが決まっている戦いをした」みたいなイメージが強いのですが、この番組ではその見方を否定する方向で話を構成。

 『三成は西軍をうまくまとめて大垣城を拠点に展開し、長期対峙戦略を取ろうとして、そのプランは成功しかけていた。家康はぐずぐずして、西軍が豊臣秀頼を担ぎ出してきたら、もうその時点でアウトだと焦っていた。ところが上手く小早川秀秋に東軍に内通させることに成功した。その動きを見た三成は当初の予定を変更し、関ヶ原決戦プランに変更した。しかし小早川秀秋は三成から関白職を提示されており、最後の瞬間までどっちに付くか解らなかったから、別に東軍勝利が確定していた戦いではなかった。』という解釈。常識的な【西軍は誰も彼も裏切る予定だったのだから、三成が勝てるわけ無かったのさ】という考えを否定しています。


■感想

 最後のシミュレーションが面白かった。9月22日に再戦が行なわれたという想定で、コンピューター上に関が原の地形・兵の数・武将の能力値、などを打ち込んでバトルさせてみると、高台に陣取った西軍が奮戦するものの、最終的に数に押し切られて負けてしまう、という結果に。ちなみに「裏切らなかった」小早川隊は壊滅していました……

 ということで「その時歴史は動いた」のBS版みたいな物でそれなりに面白かったです。ゲームジャーナル51号に書いていて意味不明だった「石田と言えば大筒ですよ」云々の意味が漸く解ったし。