感想:NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」(NHK総合版)『File-18 吸血鬼を発見!? 伝説の源流に迫る』(2014年10月18日(土)放送)


 NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」(NHK総合版)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー - NHK
http://www4.nhk.or.jp/darkside/

 NHK総合での視聴です。(放送:毎週土曜 22:30〜22:50)

『File-18 吸血鬼を発見!? 伝説の源流に迫る』


■内容

>“吸血鬼封じ”の呪術を施された白骨遺体。吸血鬼は実在したのか?東欧・伝説の山里に潜入!目撃証言が明らかにする笑いと悲しみの物語。生と死のはざまの魔物の正体とは?


>吸血鬼は実在したのか?最近、東欧・ブルガリアで“吸血鬼封じ”の呪術が施された、中世の白骨遺体の発掘が相次いでいる。バンパイアハンターの証言も!取材班は、古来の吸血鬼“ドラクス”伝説の山里に潜入!ところが古老たちの目撃証言が明らかにするのは、ドラクスのちょっといい話、笑える話、恋人や家族を失う愛と悲しみの物語。そこには日本人の心の原風景・日本神話との共通点が!生と死をさまよう恐怖の魔物の正体に迫る!

 BSプレミアム版の「File-0」(2013年3月25日(月) 放送)から。


 2012年6月、プルガリアで胸に鉄の鍬を打ち込まれた死体が発見された。これは明らかに死者が吸血鬼となることを防ぐための処置。中世の東欧では吸血鬼伝説が一般的だった。ブルガリアなどの死後の世界観は「天国」しかなく、善人は天国にいけるが、悪人はこの世に留まり吸血鬼になるとされていた。


 しかし、ブルガリア南部ロドビ地方の吸血鬼伝説はやや趣が異なる。蘇った死者は「ドラクス」と呼ばれるが、家族のところに戻ってきて指先からちょっと血を吸ったり、家の中で騒ぎを起こしたり、と、行なうのはイタズラ程度。決して恐怖の存在では無い。ドラクスは家族に自分が生き返ったことを知らせたいから、こういう行為を行うのだという。家族はドラクスが出ると森に導く。また鉄は神聖な物なので、死者の側に鉄の杭を置き、故人がドラクスにならないようにした。この地方のドラクス伝承は、『死んだ愛する家族などに生き返ってほしい』という願いがベースになっていると考えられる。


 しかし、その後キリスト教が伝わると、死者を復活させられるのは神だけということになり、ドラクスは「邪悪な存在」ということになった。19世紀、作家ブラム・ストーカーが東欧の吸血鬼伝説を元に「ドラキュラ」を書き、以後吸血鬼は十字架や杭を恐れる邪悪な化け物、ということに変化していった。


栗山千明コメント「他の怪物の伝承も調べてみると、吸血鬼みたいに全く別の姿が見えてくるのかも」云々。


■感想

 今回はオカルトではなく、なにか東欧の伝承の源流を探る真面目番組みたいでした。