感想:小説「カルデクの盾作戦」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 542巻)(2017年4月6日(木)発売)

カルデクの盾作戦 (宇宙英雄ローダン・シリーズ542)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150121192
カルデクの盾作戦 (宇宙英雄ローダン・シリーズ542) 文庫 2017/4/6
K・H・シェール (著), クルト・マール (著), 嶋田 洋一 (翻訳)


“虎の王者"を名乗るキサイマンの暗躍により、ポルレイターの指揮官ラフサテル=コロ=ソスとテラナーたちの対立はますます深まっていた。ペリー・ローダンはポルレイターへの対抗手段を探しだすため、もと太陽系艦隊提督クリフトン・キャラモン(CC)ひきいる特務コマンドを五惑星施設に派遣する。CCはふたたび惑星ズルウトに向かうと、かつての旗艦《ソドム》に乗りこんだ。ローダンとCCの極秘作戦がはじまる!

 
発売日 = 2017年4月6日(木)
サイクル= 第16サイクル「宇宙ハンザ」
 
【※以下ネタバレ】
 

内容

◇1083話 彗星記章の男(K・H・シェール)(訳者:嶋田 洋一)

 クリフトン・キャラモンは、ローダンと取り決めた秘密作戦を開始したが!?


 いやぁ、懐かしいノリです。テラナーとかグッキーとかが変装して敵地に乗り込み大芝居を始める、という展開は、昔はしょっちゅうやっていましたが(スブリンガーの惑星に潜入するとか、アルコン星系に乗り込むとか、その他一杯)、ここ最近はすっかりご無沙汰でしたので、実に嬉しかったですよ。さすがシェール先生の書いた話という感じですね。

 今回はタダトシ・イグチというキャラが登場しますが、(「あとがきにかえて」にも書かれている通り)、日本のローダンファンダムの有名な方の名前をシェール先生が使ってくれた、という事だそうです。そういう話を以前ちらと聞いたことがありましたが、この巻だったとは。



◆1084話 カルデクの盾作戦(クルト・マール)(訳者:嶋田 洋一)

 キャラモンは、手に入れた「カルデクの盾」の調査を試みるが!?


 この「宇宙ハンザ」サイクルは、フォルツ先生が頑張りすぎて、ただでさえ伏線を張りすぎてよく解らない展開に苦しめられているのに、さらに「ゲシール対スリマヴォ」などという因縁めいた争いまで追加されて、もう何が何だかわかりません。

 ところでP164の「貴官だ!」「だれが“帰還”するんです?」というやり取り、ドイツ語ではどういう内容だったのかと気になって仕方ありません。


 前半・後半ともまずまずのお話でした。


 それにしても、シェールとマールが同じ巻で作者として名前が並ぶなんて、いったいいつ以来の事でしょうか? なんか巻数一桁台の頃を思い出して、ちょっと心が震えましたよ。


表紙絵

 メインはクリフトン・キャラモンの横顔。あとは、大人の女性がゲシール、少女がスリマヴォ。男性は多分アトラン? 背景は太陽系帝国時代の巡洋戦艦《ソドム》と、コスモクラートのUFO風に改造されたスペースジェット。


あとがきにかえて

 担当は「嶋田洋一」氏。全1ページ。前半に登場したキャラ「タダトシ・イグチ」が、実は有名なローダン・ファン井口忠利氏から来ているよ、という話。


次巻予告

 次巻は543巻「ソラナー狩り」(ホルスト・ホフマン&ウィリアム・フォルツ)(2017年4月20日(木)発売予定)。