【※以下ネタバレ】
1984年末から1987年のわずか三年間の間に大ブームとなり、そして消えていったゲームブックという娯楽。特に1985年は、出版に関わる会社は有名どころから聞いたことも無いような会社まで、この降ってわいたブームに乗ろうとこぞってゲームブックを出版しました(そして売れない会社は即座に撤退していきました)。
そんな中で、「変なゲームブック」を量産したことで、マニア間で微妙に有名なのが桐原書店。実のところ娯楽系の書籍とはほぼ縁の無い教育系の本の会社で、実は現在でも存在しています。
桐原書店 | 大学受験(英語・国語)対策は桐原書店で!TOEIC& 教材も充実!
http://www.kirihara.co.jp/
そんな桐原書店のゲームブックシリーズ「エキサイティング・ゲームブック」で、タイトルだけでプロレスオタクの琴線をかき鳴らしてやまないタイトルが有ります。ずばり「力道山のアメリカ遠征」。こいつぁタイトルだけでやべぇ。
「力道山のアメリカ遠征」とは
力道山のアメリカ遠征 (エキサイティング・ゲームブック6) 新書 1985
https://www.amazon.co.jp/dp/0079751601
スーパー頭脳集団アイデアファクトリー (著)
出版社: 桐原書店 (1985)
ISBN-10: 0079751601
ISBN-13: 978-0079751607
発売日: 1985
大まかな内容はこちらでわかります。
ゲームブック「力道山のアメリカ遠征」が面白すぎる - 情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明
http://d.hatena.ne.jp/soorce/20090221/p1
この本は色々とおかしいんですが、まず1985年という設定なのに力道山が生きていたりします。
ゲームの主人公たる「君」は
アメリカに滞在してる師・力道山から、「本場アメリカで実戦によって鍛えなさい」という手紙が、ほかならぬ君あてにきたのだ。
明日の世界チャンピオンを夢見てプロレス界にデビューするルーキーは、毎年数多くいる。
その中で夢を実現するまでに出世するのはほんのひと握りだ。
というわけでアメリカに向かうことになります。
ゲームブックの主人公は色々なパラメーターを持ってるものなんですが、それが
スピード
スタミナ
テクニック
ラフ・ファイト
テクニックってなんだこれ。
うん、凄く雰囲気が解ってきたぞ、なんかワクワクしてきた(笑)
アメリカ遠征の記録……
リプレイがこちらに掲載されています。
味噌日記@はてな
[力道山のアメリカ遠征]第1話 VSテッド・デビアス ※短期集中連載
http://d.hatena.ne.jp/kanipanda/20050410
[力道山のアメリカ遠征]第2話 VSハリー・レイス ※短期集中連載
http://d.hatena.ne.jp/kanipanda/20050416
[力道山のアメリカ遠征]第3話 VS黄金タッグチーム ※短期集中連載
http://d.hatena.ne.jp/kanipanda/20050422
[力道山のアメリカ遠征]最終回 VS謎のタッグチーム ※短期集中連載
http://d.hatena.ne.jp/kanipanda/20050429
ファイナルバトルがすげぇ(笑) 主人公がどう考えても生きているはずの無い力道山とタッグを組むのですが、その相手がミル・マスカラス&タイガー・ジェット・シン組(笑) いろいろな意味でドリームマッチだわこれ。なんか同時期に連載していた漫画「プロレス・スターウォーズ」を思い出すわ(笑)
マニア的にも興味深い(笑)
そしてこのサイトのレビューが妙に面白いです。
ゲームブック日誌 「力道山のアメリカ遠征」のトンデモ部分
https://plaza.rakuten.co.jp/gamebook14/diary/200911270000/
この4人の中で問題となるのは…誰が負けるかということです。
詳しく書きませんが、滅茶苦茶負けず嫌いの力道山が負けるブックを飲むとは思えません(笑)。もっといえばミル・マスカラスが負けブックを飲むとも思えません。…これもファンなら判りますよね(笑)。
で、この試合主人公が全米の一躍スターになる場面でもあるので、主人公が負けるブックが用意されるとは思えません。…そう、おそらく引き算によって負けブックを飲んでくださる方が誰なのかが何となく判るでしょう(笑)。
実際にゲームでもシンがアレしてしまうのですが…まぁ、本当の意味で誰が大人なのか何となく判るのではないでしょうか。
おそらくシンが選ばれた理由、それはヒールとして徹底して憎まれて悪い事した末にきっちりと負けてみせるというプロの魂を持っているからなのです。
プロレス好きでないと、このあたりの感想は何のことやらでしょうが、逆に多少でも知っているとこの文章の味わい深さが伝わってくると思います(笑) いや、この何も考えていないような展開に、ここまで考察できるとは、プロレスオタク的にすごく親近感が持てました(笑)
とりあえず、買う気にはなれないけど凄く面白いゲームブックだということは解りました。満足です(笑)