ウォーロック 第29号 特集:こんなゲームブックが出た! 大型本 1989/4/1
https://www.amazon.co.jp/dp/4390800299
出版社 : 社会思想社 (1989/4/1)
発売日 : 1989/4/1
大型本 : 64ページ
【※以下ネタバレ】
内容
特集・ゲームの殿堂SPECIAL こんなゲームブックが出た'88
・ことしも春が来た! ~88年、ゲームブック・シーンを総括する~
・在来型ゲームブック'88
死者からの手紙(二見書房)
ミドルアース・クエスト(ホビージャパン)
モンスター誕生(社会思想社)
ベルゼブルの竜(東京創元社)
イース/戦慄の魔塔(双葉社)
・ブックスタイルRPG
T&T 傭兵剣士(社会思想社)
T&T ベア・ダンジョン(社会思想社)
ファンタズムアドベンチャー(大日本絵画)
ナイトメア・ハンター(翔企画)
ブラッド・ソード(富士見書房)
・ロールプレイング・ゲーム関連書という分野
クトゥルフ・ハンドブック(ホビージャパン)
RPG幻想辞典・日本版(日本ソフトバンク)
ドラゴンクエスト公式ハンドブック(エニックス)
・「ゲーム小説とは」安田先生をお迎えして
リフトウォー・サーガ(早川書房)
ラプラスの魔(角川書店)
ロードス島戦記(角川書店)
ドラゴンランス戦記(富士見書房)
・本屋は交差点にある
・1988・ゲームブック全リスト
1985年以降のゲームブックブームを乗り切るため、各出版社は「ゲームブックとはこういうもの」という型を作ってある程度の品質の作品を出版していった。しかしパターンを決めたうえで新しい物を作ろうとすると、ボリューム増加や複雑なシステム、難易度アップなどに行くしかなく、ゲームブックはマニア向けになりつつある。
そんな中、1988年は「ストーリーゲーム」としてTRPGが台頭、また「本」の方面からはゲーム小説が現れた。ゲームブックはそういう物を取り込むことになるだろう。88年はその元年となる。
感想
ウォーロックは1987年から毎年春頃の号で前年に出たゲームブックのレビューを行っていたのですが、この号は、普通のゲームブックを「在来型ゲームブック」と称して、さらに、「本の形式で出版されたTRPG」や「ゲームの周辺書籍」、果ては「ゲーム小説」までを広義のゲームブックと見なして、一緒に取り扱っています。
1988年というと、当時の感覚的にはブームの終わりが来て寂しくなり始めた年でしたが、この号はTRPGの台頭などをネガティブにとらえるのではなく、ゲームブックに新しい息吹を吹き込んでくれる対象、のように希望を持って扱っています。
その後の歴史を知っていると、この頃はまだ希望があったんだなぁ……、みたいな何とも言えない気持ちになってしまいますけどね。
当時の出版社の担当者のコメントなども掲載されており、当時の雰囲気がよく解って懐かしい一冊でした。