【コミック】最終回「白い巨塔」（原作：山崎豊子／漫画：安藤慈朗）（月刊コミックバンチ2021年5月号）

白い巨塔 ｜ コミックバンチweb
https://www.comicbunch.com/manga/bunch/shiroi_kyoto/

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【※以下ネタバレ】
　

医療ドラマの頂点にして原点！『白い巨塔』初の漫画化!! 小説刊行50周年を記念し、国民作家・故山崎豊子の永遠の名作が、ついにコミックの世界へ――
医学界の権力と策謀が渦巻く中心・浪速大学医学部で、天才外科医・財前五郎は何を得、何に敗れたのか…!?
最先端の術式、権力闘争、師弟関係、友情、教授選、そして医療裁判――数々の名場面に彩られた医療ドラマの金字塔「白い巨塔」が、現代の大阪を舞台にして、初の完全漫画化！

原作：山崎豊子（新潮文庫刊）
漫画：安藤慈朗
協力・野上孝子、一般社団法人山崎豊子著作権管理法人
医療監修：國頭英夫（日本赤十字社医療センター化学療法科）、高本健史（国立がん研究センター中央病院 肝胆膵外科） 取材協力：日本赤十字社医療センター、国立がん研究センター中央病院
［月刊コミックバンチ連載作品：2018年10月～］

　
　「月刊コミックバンチ」で2018年10月号より連載していた医療漫画「白い巨塔」が、2021年5月号(3月19日発売)でついに最終回。今までに何度も映像化されて来た超有名作品の初の漫画化となりましたが、これが面白くて面白くて。ラストも素晴らしい余韻でした。

1話～24話ダイジェスト

　浪速大学医学部外科の準教授・財前五郎は、強烈な上昇志向の持ち主で教授のポストを熱望していた。一方、財前の同期で内科の準教授である里見は、医者が出世を意識することを否定し、あくまで患者に向き合うことを第一に考えていた。

　やがて医学部の教授選が行われることになり、財前はあらゆる工作を行ってついに念願の教授のポストを手に入れる。さらに欧州からは公開手術に招かれることになり、財前は得意の絶頂だった。

　ところが財前が渡欧前に手術した患者が急死し、帰国した財前は遺族から誤診だとして裁判を起こされる。里見は周囲の反対を押し切って遺族側の証人として出廷する。第一審は、財前が部下に偽証を行わせることで勝利し、里見は裏切り者として大学を追放される。

　遺族は控訴し、第二審では新たな証人が現れたことに加え、財前の部下が良心の呵責から真実を証言したことで財前は敗訴した。さらに財前は突然倒れ、進行したすい臓がんに侵されていることが判明する。すぐさま手術が行われるが、ガンは広範囲に転移しており手が付けられない状況だった。

最終回（第25話）内容

　財前に対して、里見を中心としたチームが抗がん剤での治療を行うことになった。里見の尽力で、財前の病状は一旦は回復する兆しが見えたものの、やがて病状は悪化し財前は危篤状態に陥る。財前は里見の呼びかけに一瞬目覚めたあと、里見に手紙を書いたと言い残して、そのまま永眠した。

　財前の残した手紙は、医者として自らの病状を分析したもので、さらに自分の体を研究のため使う様にと記されていた。最後、財前の病理解剖が行われるシーンで〆。

感想

　漫画版は全5巻の原作小説を全25話にまとめており、つまりかなりダイジェストにしていると思われますが、それを感じさせないよみごたえのある作品で、毎回食い入るように読んで居ました。

　最終回も見どころ満載で、

・ガンでやつれ切った財前が「どうして自分だけこんな目に！」と怒り狂うと、里見が「絶対治す、治せなくても側にいる」と落ち着かせて、穏やかになった財前が握手を求める場面

・財前の年老いた母親が病室に訪ねてきて、寝ている財前の顔を見ながら「お前は黒川家（財前の旧姓）の誇り」と涙を流す場面

・財前の愛人ケイ子がこっそり病室に訪ねて来ると、すっかり冷静になった財前がにこやかにケイ子を出迎える→後からケイ子が里見に会い、財前が助からないと察して「まさか、そんな……」と絶句する場面

・最後。死んだ財前のいたベッドに手術着姿の財前の絵が置かれている場面

etcetc、もう10回くらい読み返しましたよ。

　連載が始まった時は、あの超有名作品をまともに漫画になんか出来るのかと心配してましたが、終わってみれば素晴らしい漫画でした。
　
　
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月刊コミックバンチ2021年5月号