感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第141話(シーズン6 第14話)「秘密の島」

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【※以下ネタバレ】
 
シーズン6(128~149話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン6」あらすじ・感想まとめ

 

第141話 秘密の島 The Connection (シーズン6 第14話)

 

あらすじ

薬物密輸業者が、アフリカ沖の島にヘロイン精製所の設立を企てている。アメリカにニセの工場を造り、アフリカだと騙して男らを連れていき、原料の入手経路と買い手を突き止める作戦を立てるが…。

※DVD版のタイトルは「殺しのジェット空輸」。
 
 
【今回の指令】
 リース・ドーラン(Reece Dolan)は、最近東海岸一帯でのヘロイン供給者として頭角を現してきた。ドーランは、この度アフリカ北西部海岸の小島にヘロイン精製の拠点を作ろうと企んでいる。IMFは、ドーランのアヘンの入手先およびヘロインの売却先を突き止め、関係者を有罪にできる証拠を入手しなくてはならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、バーニー、ケイシー、ウィリー
 ゲスト:無名キャラ数名


【作戦の舞台】
 アメリカ国内・ジョージア州/イタリア・ローマ


【作戦】
 冒頭。麻薬販売業者のクレッグのところにドーランが現れ、前任者は不幸な事故で死んだので、今後は自分が仕事を引き受けるという。そしてヘロインを今までの6割の価格で提供するので、準備金として100万ドル用立ててほしいと要求する。

 フェルプスがテープで指令を受け取る。

 ドーランは、アフリカ北西部にある「マロー島」に住むマダムと契約し、マダムの屋敷でヘロインを精製する計画を立てていた。IMFはマロー島と気候などがそっくりな、アメリカ・ジョージア州の小島に飛行場や屋敷を準備し、ケイシーがマダム役を担当することになった。

 ドーランと部下二人は、マロー島に行くため、まずイタリア・ローマ空港にやってくるが、その後をクレッグの部下が密かに尾行していた。IMFはドーランたちをビジネスジェット機に乗せると、麻酔ガスで眠らせ腕時計を細工してから、大西洋を横断しジョージア州まで運ぶが、その機にはドーランの部下も忍び込んでいた。

 ドーランはトルコ・イスタンブールにいる業者に連絡し、アヘンをローマまで送るように指示するが、運び屋は待ち構えていたIMFと警察に逮捕される。IMFはアヘンをドーランに渡し、ドーランたちはアヘンを元にヘロインの精製を開始する。そしてドーランは完成したヘロインの第一陣を部下に持たせてアメリカのクレッグに向けて発送するが、この部下も警察に捕まってしまう。

 アメリカのクレッグは、部下からの連絡が途絶え、ドーランからのヘロインが届かない上に、さらにトルコの業者からはドーランがアヘンの代金を払っていないと知らされる。直後ウィリーがヘロインの売人役でクレッグを訪問するが、すぐに怪しまれて尋問され、自分はマダムの手下で、アメリカ人と一緒にヘロインを作っていると白状する。それを聞いたクレッグは、ドーランが自分たちを裏切ったと信じ込み、マロー島に行くことを決める。そして彼らもIMFによってジョージア州の島に連れてこられる。

 クレッグはマダムの屋敷でドーランと対面して裏切りを非難し、ドーランはこれは罠だと主張するが、マダム(ケイシー)がもう裏切りがばれてしまったなどと口にして、ドーランを陥れる。同じころ、島に忍び込んでいたクレッグの部下は、ここがジョージア州だと気が付き、フェルプスに銃を突きつけるが格闘の末に自分を撃って死ぬ。死体を見たクレッグは、ますますドーランを信用しなくなる。

 二人が対峙しているところにアメリカのパトカーのサイレンが聞こえ、ドーランやクレッグたちは警察に逮捕される。最後にIMFチームがジェット機で飛び去って行くシーンで〆。


監督: バリー・クレーン
原案: エドワード・ラクソ
脚本: エドワード・ラクソ&ケン・ペットス


感想

 評価は○。

 今回の話は、犯罪者たちを騙して、実際に自分たちがいるのとは全く別の場所にいると思わせる、というトリックのエピソード。まあ今回はこのシチュエーション自体はそんなに面白いわけでもなかったが、最終的にはそこそこには楽しめたエピソードではあった。

 今回はiMFは、麻薬精製業者のドーラン一味にアフリカ沖の小島に移動したと思わせておいて、実際は大西洋をはるばる飛行してアメリカ・ジョージア州の島にまで運んでしまう。そしてばれないように、道路の標識を現地の地名に差し替えたり、車のナンバープレートを取り換える、という工作を行う。

 まあ、見ている側にとっては、ドーランたちが本来のアフリカ沖の島にいようが、はたまたジョージア州の島にいようが、実のところあまり変わりがないので、このだましの状況自体はあまり面白みが無かった、というのが正直なところではある。しかしまあ、何かするたびに一々ジェット機で大西洋を行ったり来たりしている、という作戦のスケールには多少楽しませてはもらった。

 今回ケイシーは、赤毛のかつらをかぶってフランス人犯罪者のマダムに変装する。もっともドーラン一味はマダムの本当の顔を知らないので、ケイシーはいつもの金髪で対面しても何の不都合もなかったわけで、この変装の意味がイマイチ解らないところではある。

 過去のスパイ大作戦で勉強させてもらったおかげで、アヘンを原料にヘロインを作る、という事は知っていたが、本当にあんな巨大なガラス瓶やぐるぐる螺旋を描いたパイプを使ってヘロインを作っているのだろうか。実態を知らないだけに、そのあたりが物凄く気になってしまった。

 さて、クレッグの部下フィンチはドーランを尾行し、ビジネスジェット機の床下(?)に忍び込んで、結果的に大西洋を横断する。そして島についた後も平気で飛行機から抜け出してきたが、ジェット機は高空を飛行するのだから、普通に考えて、フィンチは島につくまでに酸欠と寒さで死んでしまっていることは確実である。まあフィクションにそこまで突っ込むのも野暮かもしれないが、車のトランクに忍び込むのと同じノリで演出されていたので、どうも気になって仕方なかった。

 とまあ、このように色々あったものの、IMFが最後までばれずに芝居をやりとおし、犯罪者たちを騙しきったあと、涼しい顔で任地から立ち去る、といういつものバターンを完璧に実施していたので、見終えた後の満足感はまずまずだった。


 今回のサブタイトルの原題「The Connection」とは「連結、接続」といった意味で、今回のエピソードの何を現しているのかよく解らない。もしかすると交換台の女性が電話線のピンを差し込んで電話をつなぐあのシーンを意味しているのかもしれない。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプス陸上競技施設の観客席の上にある部屋に入り、レコードプレイヤーに置いてあるレコードを再生して指令を聞きつつ、そばの写真を確認する。指令は最後に「なお、このレコードは自動的に消滅する」と言い、レコードから煙が吹き上がる。

参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。写真は、東海岸一帯のヘロイン供給者として最近頭角を現してきたリース・ドーランである。ドーランは今、アフリカ北西部海岸に位置するある島で、ヘロイン精製および販売の効果的な方式を打ち立てんものと画策している。

 そこで君の使命だが、ドーランのアヘン入手の経路と、アメリカにおけるバイヤーを突き止め、ドーランの計画を阻止し、関係者を有罪にしうる証拠を手中に収めることにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このレコードは自動的に消滅する。成功を祈る。
 
 

シーズン6(128~149話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

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