【映画】感想:映画「コンタクト」(1997年:アメリカ)

コンタクト [Blu-ray]

NHK BSシネマ http://www.nhk.or.jp/bscinema/
放送 NHK BSプレミアム 2017年12月29日(金)

【※以下ネタバレ】
 

子どもの頃から宇宙にあこがれ、天文学者になったエリーは、ある日、電波天文台で観測中に謎のシグナルを探知する。それは恒星ベガから地球に向けられた何らかのメッセージだった。解読の結果、全世界を騒然とさせる事実が明らかに…。地球外知的生命体と人類の接触を描いたカール・セーガンのベストセラー小説を、ロバート・ゼメキス監督が映画化したSF超大作。ひたむきに夢を追い続けるヒロインをジョディ・フォスターが熱演。

 

あらすじ

 天文学者エリー・アロウェイ(ジョディ・フォスター)は、宇宙人がいると信じ、宇宙人からの電波を受信する研究に没頭していた。しかし科学界の重鎮ドラムリンは、エリーの研究を無駄と見なし研究資金を打ち切ってしまう。エリーは金策に走り回り、大企業の経営者ハッデンの援助を得て研究を継続した。

 4年後。エリーは宇宙からの明らかに人工的な信号を受信し、それは地球から26光年離れたベガ方面から発信されていることが解る。そのニュースに世界中が大騒ぎとなるが、研究の成果はいつの間にかドラムリンが横取りしており、エリーはプロジェクトから除け者にされる。

 やがて信号の中に暗号の形で巨大な機械の設計図が隠されていたことが判明するが、それは地球人が一人乗りこめる物だった。アメリカ政府は、その機械が危険な物かもと疑うが、エリーは遥かに進んだ異星文明がわざわざそんなものを作らせるはずが無いと主張、アメリカ政府はハッデンや外国からの資金援助を受け、その機械を建設する。

 そして完成した機械に乗りこむメンバーの人選が行われるが、候補の一人だったエリーは選考委員に神を信じていないと正直に申告したため、心証を害し、結局ドラムリンが選ばれた。だが装置は狂信的宗教組織のテロにより、ドラムリンごと破壊されてしまう。

 プロジェクトはとん挫したかに思われたが、実はハッデンは日本の北海道沖にもう一台の機械をひそかに建設しており、エリーにそれに乗るチャンスを与える。機械を動作させると、エリーの乗ったカプセルはワームホールを次々と潜り抜け、最終的に全く未知の場所にたどり着く。

 そしてエリーが目覚めてみると、何故か地球の浜辺にいて、死んだはずの父親が現れた。「父親」はエリーを驚かさせないためにエリーの記憶から今の状況を作ったと説明する。「父親」は、宇宙には何億年も前から無数の文明が存在することを示唆するが、異星人との接触の証拠を求めるエリーに、焦るなと諭す。

 直後、エリーが気が付くとカプセルの中におり、18時間の旅をしたはずが、地球では一瞬しか経過していなかった。エリーは自分が異星人と接触したと報告するが、プロジェクトメンバーにはカプセルがただ真っ逆さまに落下しただけとしか見えておらず、プロジェクトは失敗したと見なされる。

 エリーは自分の体験を調査委員会に報告するが、何の証拠も無いため信用されず、委員会は(ガンで死んだ)ハッデンの壮大な悪戯だったのではないかという結論に至って終わる。しかしエリーが身に着けていたビデオカメラは、ノイズしか記録されていなかったものの、それが「18時間分」存在していた。

 一年半後。エリーがまた研究を続けているシーンで〆。

感想

 評価は(なんとか)○。

 二時間半もあって、やや冗長な気はしましたが、見ていて苦痛という程でもなかったので、それは問題なし。後半、エリーが北海道の機械に乗り込んで宇宙に旅立つ辺りの展開はやたら盛り上がるので、そこまでは良い感じだったのですが……

 しかし、オチがいただけない。結局エリーは宇宙人と接触した証拠を持ち帰れず、最終的に「あれは全部ハッデンの仕組んだ事だった」という感じで世間が納得してしまい、エリー自身も自分の体験に半信半疑になったまま終わる……、って、開始時点とほぼ何も変化してない!

 それでは宇宙人は何のために電波を送ってきたのか? 地球人に何も伝わっておらず、何の変化も起きないまま終わり、では、宇宙人のしたことは全くの無駄に終わったのではありませんか? 宇宙からの電波というワクワクするきっかけで話が始まったのに、結末がこの拍子抜けのオチだというのには、心底唖然としましたよ。イヤホント、これはどうなのか。これで納得しろと言うほうが無理がある。


 あとは、宇宙人と接触の話にもかかわらず、やたら宗教の話が出て来るのには、日本人的には凄く違和感が有りました。まあ、キリスト教徒にとっては、地球外文明が云々というのは宗教観に影響するイベントなのかもしれず、そのため繰り返し繰り返しネタにしていたのだと推測しますが、非キリスト教徒のこちらには何故宇宙SFに神の話を混ぜて来るのかと引っかかって仕方なかったです。そういう意味では、この映画は、アメリカ的バックグラウンドが無いと本当には理解できない作品だったのかもしれません。
 
 

コンタクト
BSプレミアム12月29日(金)午後1時00分~3時31分


【製作・監督】
ロバート・ゼメキス
【製作】
スティーブ・スターキー
【共同製作・原作・原案】
カール・セーガン
【共同製作・原案】
アン・ドルーヤン
【脚本】
ジェームズ・V・ハート、マイケル・ゴールデンバー
【撮影】
ドン・バージェス
【音楽】
アラン・シルベストリ
【出演】
ジョディ・フォスターマシュー・マコノヒージョン・ハートジェームズ・ウッズ ほか


製作国:
アメリカ
製作年:
1997
原題:
CONTACT
備考:
英語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ

 

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