【映画】感想:劇場アニメ「劇場版 はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~」(2017年:日本)

劇場版はいからさんが通る 前編~紅緒、花の17歳~ 通常版 [DVD]

劇場版アニメーション『はいからさんが通る』公式サイト http://haikarasan.net/
放送 BS11。2018年10月14日(日)

【※以下ネタバレ】
 

いつだって大キライは恋のはじまり。


時は大正。女学校に通う17歳の花村紅緒は、いつも明るくケンカっ早いところのあるじゃじゃ馬娘。親友の環とともに楽しい学園生活を送り、恋も結婚相手も自分で選びたいと思っている。そんなはいから娘が出会ったのは、笑い上戸な青年将校、伊集院忍少尉。実は彼が祖父母の時代から決められていた許婚であることを知った紅緒は、それに反発。愛のない結婚を阻止しようと奮闘して騒動を巻き起こすが、少しずつ少尉に心惹かれていく。

 

あらすじ

 大正七年(1918年)。女学生の花村紅緒は、ある日、陸軍少佐の父親から、初対面の陸軍少尉・伊集院忍を許嫁だと紹介される。その昔、紅緒の祖父と忍の祖母は恋仲だったものの結局結ばれることは出来ず、そのため自分たちの子供を一緒にしようと誓ったという。ところが二人には男子しか生まれなかったため、孫の紅緒と忍が一緒になる話が進んでいたのだった。

 男勝りの紅緒は好きでもない相手と結婚するという話に猛反発するものの、父親によって強引に伊集院家に行儀見習いに行かされる。紅緒はさっさと追い出されてすぐに実家に戻ろうと考えていたが、男尊女卑を人の形にしたような忍の祖父・御前の態度に立腹し、逆に意地になって屋敷に留まることになった。そうこうしているうち、紅緒は忍の人柄を知り、だんだん惹かれていくようになる。

 夏。忍は九州に転属になり、やがて忍の部隊はシベリアに派遣される。紅緒は屋敷で忍の帰りを待っていたが、秋になり忍の戦死の知らせが届く。忍は敵中に取り残された部下を一人で助けに行き、そのまま帰ってこなかったのだという。忍の葬式で紅緒は、妻として夫が不在の伊集院の家を守ると決める。


 大正八年(1919年)。紅緒は収入の無い伊集院家のため、就職する事を決意し、つてをたどって出版社・冗談社を訪ねる。冗談社の編集長・青江冬星は女嫌いで、紅緒を一目見ただけで追い返そうとするが、紅緒の意外な行動力に感心し、記者として雇うことを決める。


 大正九年1920年)夏。紅緒は、満州で暴れている馬賊の首領が元日本兵で、しかも九州小倉の部隊の所属だった、という噂話を知る。紅緒はその首領こそ忍ではないかと考え、満州に向かうため、冬星に辞職を申し出る。しかし冬星は紅緒の考えを見抜き、記者として満州に派遣するという扱いにして送り出す。紅緒は彼女を「親分」と慕う車引きの牛五郎と共に大陸へと向かった。(後編に続く)


感想

 評価は○(予想外に面白かった)

 1970年代に大ヒットした少女漫画のアニメ化。正直言って、視聴前は「なんでこれを21世紀にアニメ化なのか……」感が満載の作品でしたが、いざ見てみると、これが意外に面白かったのであります。( ´∀`)b


 原作漫画は全8巻だそうで、その内容を映画前後編に押し込むためか、やたらテンポが速くて総集編感覚が漂う展開のため、序盤はイマイチ乗り切れなかったのですが、後半になって話が転がっていくと、どんどん面白くなっていて、「さすがその昔ヒットした漫画だけのことはある」と感じ入りました。

 キャラデザが原作絵とまるで違うやんけ!という点も、そもそも原作漫画に全く思い入れが無いので、全然問題なかったですし。

 声は、主役の紅緒役がはやみん早見沙織、ハンサムさんの忍役が宮野真守、という人気者二人のキャスティングなのですが、これがどーもイメージにそぐわなかった……、とはいうものの、主役級を数限りなくこなしてきたご両人の仕事なので、見ているうちに強引に納得させられた感が有りましたな。

 逆にものすごい適役だったのが御前(忍の祖父)役の麦人で、あまりにもマッチングしすぎていて、スタッフロールを見てようやく「ああ、そうか、そうだよなぁ、麦人の声だよなぁ」と気がついたくらい。ぴったりハマりすぎて誰かが声を当てているという感覚を喪失してました。

 紅緒の行儀見習い時の描写とか、紅緒と父親が口論しつつ机の上を拳でたたきまくって花瓶が行ったり来たりするシーンなど、「うぉぉ~、昭和の少女漫画の描写だぁぁぁ」とめっちゃ懐かしい気持ちになりました(笑) いやー、今の漫画にこんな描写絶対ないよね(笑)

 21世紀の少女漫画にはあり得ないタイプの波乱万丈系歴史ロマンでしたが、物珍しいだけではなく、話が面白いので、結構のめり込んで見てしまいました。後編も「テレビで放送される日」が待ち遠しいなぁ。
 
 

アニメ 劇場版 はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~ | BS11
https://www.bs11.jp/anime/haikarasan-movie-first/


番組紹介
【イントロダクション】
『週刊少女フレンド』(講談社)で連載され、シリーズ累計売上部数1200万部を超えるなど、いまなお幅広い年代の読者に愛されて読み継がれている『はいからさんが通る』。大和和紀が生んだ少女漫画の金字塔は、これまでテレビアニメ、実写映画などさまざまなメディアで展開されてきた。そんな『はいからさんが通る』が、新たなスタッフ・キャスト陣による劇場版アニメーション『前編 ~紅緒、花の17歳~』(2017年)『後編 ~東京花の大ロマン~』(2018年予定)の二部作として公開される。


前編は『機動戦士ガンダム U.C.』の古橋一浩が監督・脚本をつとめ、キャラクターデザインは『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』の西位輝実。そしてヒロイン、紅緒役の早見沙織、許婚の伊集院忍役の宮野真守をはじめ、引く手あまたの実力派声優陣が集った。また、主題歌は早見沙織が歌う「夢の果てまで」。作詞・作曲を竹内まりやが手掛ける。


TVアニメでは描かれなかった原作のラストパートまでを描き切る、待望の劇場版。
明るく元気いっぱいのはいから娘と、許婚の伊集院少尉との恋の行方が時代を超えて、今、新たなきらめきを放つ。



出演者・スタッフ

【スタッフ】
監督・脚本:古橋 一浩
キャラクターデザイン:西位 輝実
サブキャラクターデザイン・総作画監督:小池 智史
作画監督:仁井 学、宍戸 久美子、仲敷 沙織、中島 美子、伊東 秀樹
演出:細川 秀樹、鈴木 良男、山口 美浩
背景デザイン・美術監督:秋山 健太郎
色彩設計:辻田 邦夫
撮影:荻原猛夫(グラフィニカ)
音響監督:若林 和弘
音楽:大島 ミチル
主題歌:「夢の果てまで」早見 沙織 / 作詞・作曲:竹内 まりや / 編曲:増田 武史
アニメーション制作:日本アニメーション
製作:劇場版「はいからさんが通る」製作委員会
配給:ワーナー・ブラザース映画



【キャスト】
花村紅緒:早見沙織
伊集院忍(少尉):宮野真守
青江冬星:櫻井孝宏
鬼島森吾:中井和哉
藤枝蘭丸:梶裕貴
北小路環:瀬戸麻沙美



キャラクター紹介
花村紅緒
剣道では向かうところ敵なし、お転婆のじゃじゃ馬娘。年頃の女学生なのに、お裁縫や家事全般が苦手で、男手ひとつで育てた父を心配させている。いつも明るく裏表のないフェアな性格で、周囲の人たちを惹きつける愛されキャラ。


伊集院忍(少尉)
紅緒の許婚である、イケメン陸軍少尉。華族である伊集院伯爵家の息子とドイツ人の母との間に生まれた。知勇兼備に加え、家族思いで部下思い。笑い上戸というチャーミングな一面もある、まさに王子のような存在。女性達から絶大な人気を誇る。


青江冬星
紅緒が入社した出版社「冗談社」の社長であり、『冗談倶楽部』の編集長。豊かな長髪も目をひく美男だが、女性が苦手で触れられるとじんま疹が出てしまう。ひょんなことから、紅緒を編集者として雇うことに。


鬼島森吾
伊集院の部下で、ともにシベリアに出兵した軍曹。満州に残って馬賊となり、一団は“黒い狼”と呼ばれて恐れられる存在に。左頬に十字の傷がある隻眼のワイルドな容貌で、ぶっきらぼうななかに優しさを持つ。


藤枝蘭丸
紅緒より一歳年下の幼なじみ。歌舞伎の女形役者の美少年。穏やかな性格ゆえ子どもの頃から紅緒に翻弄されているが、実は彼女に片思いをしている。紅緒の許婚の登場に一大決心をして…!


北小路環
紅緒と同じ女学校に通っている親友。美しさと聡明さを併せ持ち、華族のお嬢様でありながら進歩的な思想に傾倒している。女性として誰よりも自立心が強く、紅緒のよき相談相手であり、お手本にしている人。

 
 

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