【映画】感想:映画「ムトゥ 踊るマハラジャ デジタルリマスター版」(1995/2018年:インド)

『ムトゥ踊るマハラジャ』5.1chデジタルリマスター版(字幕版)

NHK BSシネマ http://www.nhk.or.jp/bscinema/
放送 NHK BSプレミアム。2020年12月31日(木)

【※以下ネタバレ】
 

1990年代後半、日本にインド映画ブームを巻き起こしたエンターテインメントミュージカル。ロマンスにアクション、歌にダンスと娯楽要素満載のマサラムービーの名作。


1990年代後半、日本にインド映画ブームを巻き起こした大ヒット娯楽大作。南インドの大地主ラージャーの屋敷で使用人として働くムトゥは、周囲の信頼を集める人気者。ある日、ラージャーは旅芸人一座の女優ランガナーヤキに一目ぼれするが、彼女はムトゥと恋に落ちてしまう…。インドの国民的スーパースター、ラジニカーントと人気女優ミーナが共演。ロマンスとアクション織りなす物語に、歌やダンスも満載のマサラムービー

 

あらすじ

 大地主ラージャーの屋敷で働く使用人ムトゥは、ラージャーの母親からの信頼も厚く、ラージャーの身の回りの世話を任されていた。ラージャーの母は息子に早く結婚してほしがっていたが、ラージャーは趣味の観劇に夢中で身の回りには女性の影も無かった。

 ある日、ラージャーは旅回りの劇団の芝居を見に行き、主演女優のランガナーヤキに一目ぼれしてしまう。数日後、ラージャーとムトゥはランガナーヤキたちと再会し稽古を見物していたが、そこに土地の地主が差し向けたチンピラたちが現れ、ランガナーヤキを連れ去ろうとする。ムトゥはラージャーの指示でランガナーヤキを連れて、その場を逃れる。

 最初は全くそりの合わなかったムトゥとランガナーヤキだったが、逃避行の間に互いに好意を抱き、ついに将来の結婚を約束する。二人は無事にラージャーの屋敷に戻り、劇団が解散してしまったことから、ランガナーヤキも含めた元劇団員たちは、ラージャーの屋敷の使用人として雇われることになった。


 一方、ラージャーの伯父アンバラッタールは、ラージャーの財産を奪い取るため、自分の娘パドミニをラージャーと結婚させようとしていたが、ラージャーはその気は無かった。ラージャーは母親にランガナーヤキを妻に迎えたい旨を打ち明ける。

 アンバラッタールは、ラージャーの屋敷に忍び込ませている自分の手下を使い、ラージャーに対し、ムトゥが無理やりランガナーヤキに結婚を迫っていると嘘を吹き込ませ、怒ったラージャーはムトゥを屋敷から追放する。それを知ったラージャーの母は、怒りながら隠していた秘密を打ち明ける。

 実はムトゥこそが先代の地主の息子だった。ムトゥの父は富豪でありながら貧しい人々に施しを与える人物として尊敬されていたが、ある時、いとこが財産の一部を横領していることを知る。地主は騙された自分が悪いと言って、全ての財産をいとこに譲渡し、そのときいとこの妻が幼い赤子ムトゥを引き取った。地主はそのまま姿を消し、罪の意識でいとこは首をつって自殺した。そしてその妻、つまりラージャーの母はムトゥを身内同然で育てていたのだった。先代の地主は今は放浪の聖者として暮らしていた。

 ラージャーは真実を知りショックを受けるが、直後アンバラッタールの手下に襲われ、川に放り込まれる。さらにアンバラッタールたちは、ムトゥが追放された恨みでラージャーを殺したと触れて回る。しかし怒りのムトゥはアンバラッタールの手下たちを叩きのめし、手下が真実を自白したことでアンバラッタールは怒った住民に追い回される。そこに生きていたラージャーがパドミニと共に現れ、ムトゥとランガナーヤキの仲を認める。ラージャーは聖者(ムトゥの父)に助けられていたのだった。


 最後。ムトゥは地主となり、ラージャーの母はそれを見て喜ぶ。ラージャーはムトゥの使用人として馬車を運転しようとするが、ムトゥはこれからもラージャーが自分の主人だと言い、自ら馬車を運転する。(終)

感想

 評価は○。

 インド映画で一番有名なタイトル。存在を知ってから二十年以上経ってようやく見ましたが、なかなか面白かったです。

 この映画が1990年代に話題になった時、映画としての質を評価するより「長~い。それに話の途中で歌ったり踊ったりする(笑) これがインド映画か(笑)」的な、ある種のへんてこさを楽しむみたいな空気だったと記憶しています(※あくまで個人の感想です)


 しかし、今回ミュージカル映画特集の一環として放送されて「あぁ、これミュージカル映画だったんだ」と気づきを得てから視聴したことで、「長い」ことも「話の途中で歌とダンスが入る」ことも何の違和感も楽しむことが出来ました。

 まあ確かに話が長くてちとつらかったのは否めませんが、話としては面白いし、ムトゥの格闘シーンは効果音も含めて香港系カンフー映画を見ているノリでなかなかだったし、音楽もインドの曲にも拘わらず普通に良いなと思ったし、ヒロインのミーナがど凄い美人だし、で、娯楽映画として良く出来ていました。

 なるほど、これは話題になったのも解りましたね。なかなかに悪くない映画でした。
 
 

シネマ「ムトゥ 踊るマハラジャ デジタルリマスター版」<字幕・レターボックス>
[BSプレミアム]2020年12月31日(木) 午後6:30~午後9:17(167分)



【製作】
ラジャーム・バーラチャンダル、プシュパー・カンダスワーミ
【監督・脚本】
K・S・ラヴィクマール
【撮影】
アショークラージャン
【音楽】
A・R・ラフマーン
【出演】
ラジニカーント、ミーナ、サラット・バーブ、ラーダー・ラヴィ ほか


製作国:
インド
製作年:
1995/2018
原題:
MUTHU
備考:
タミル語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ

 

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