【ドラマ】感想:NHK番組「犬神家の一族 後編」(2023年4月29日(土)放送)

金田一耕助シリーズ

犬神家の一族 NHK https://www.nhk.jp/p/ts/L3331VWV67/
放送 NHK BSプレミアム

【※以下ネタバレ】
 

【特集ドラマ】犬神家の一族 後編
[BSプレミアム] 2023年04月29日 午後9:00 ~ 午後10:30 (90分)


ミステリー小説の金字塔をドラマ化。次々と起こる殺人の謎に迫る金田一耕助。最後に辿り着いたのは、これまでの「犬神家の一族」をくつがえす衝撃のラスト!原作・横溝正史


スケキヨの不気味なマスク!湖から突き出す足!超有名原作を映画テイスト満載で映像化▼手形は本物だった!驚く一同を尻目にやがて起こる第3の殺人。そして明らかになる一族の禍々しい過去。謎の日本兵の正体は?マスクの下は本当に佐清なのか?待ち受ける衝撃のラストとは?▼脚本:小林靖子 出演:吉岡秀隆 古川琴音 金子大地 南果歩 堀内敬子 芹沢興人 野間口徹 皆川猿時 小市慢太郎 倍賞美津子 大竹しのぶ ほか


【出演】吉岡秀隆,古川琴音,金子大地,南果歩堀内敬子,芹澤興人,野間口徹皆川猿時小市慢太郎倍賞美津子大竹しのぶ,渋谷謙人,菅野莉央今井悠貴遠山俊也坂田聡,大津尋葵,永沼伊久也,柾賢志,羽瀬川なぎ,小泉光咲,野々目良子,天戸拓磨,金井美樹,三村朱里,内海誠子,喜多乃愛,松川尚瑠輝,田根楽子,大岩主弥,和田航輔,三島智幸,天野嵩晟,峰山博志,栗田芳宏,【原作】横溝正史,【脚本】小林靖子

 

前編の内容・感想はこちら

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あらすじ

 
 犬神家の屋敷の珠世の部屋に、怪しい兵隊服の男が忍び込んでおり、家人の追跡を振り切って逃亡した。警察は行方知れずの青沼静馬(あおぬま・しずま)が屋敷に潜入したものと推測する。

 やがて梅子の息子・佐智(すけとも)が死体となって発見され、首には琴の弦が巻き付けられていた。金田一たちは、先に殺された佐武(すけたけ)が菊人形に生首が置かれていたことから、連続殺人は犬神家の家宝を意味する「斧(よき)」「琴(こと)」「菊(きく)」と関係づけられていると考える。

 金田一は故・犬神佐兵衛(いぬがみ・さへえ)の過去を調べ、野々宮珠世は佐兵衛の恩人の孫ではなく、実は佐兵衛の血を引く実の孫だった事を突き止めた。

 警察に静馬からの手紙が届き、連続殺人の責任を取って自殺すると書かれていた。警察は現場に駆け付け焼死寸前の静馬を助け出すが、その「静馬」は実は「犬神佐清(すけきよ)」だった。そして現在犬神家にいるゴムマスクをかぶった「佐清」は青沼静馬だと判明する。



 金田一は関係者一同の前で事件の真相を語り出す。

 連続殺人の犯人は犬神松子だった。松子は、まず佐兵衛の遺言状に自分たちの名前が有るかを調べるため、若林を使いその内容を確かめた。しかしその事がバレれば遺産相続の権利を失う可能性があったため、青酸入りのタバコで若林を毒殺した。さらに遺産を手に入れるため、佐武・佐智も殺害した。

 ところが事件の裏では松子が気が付かない共犯者が彼女の犯行を手助けてしていた。それが偽の佐清の青沼静馬と本物の佐清だった。二人は戦争中に同じ部隊に配属されて出会っており、佐清は静馬が母親たちからひどい仕打ちを受けたことを知り同情していた。やがて佐清の失策で部隊は壊滅してしまい、その事を恥じた佐清は復員したものの実家に戻れず「山田三平」という偽名を使っていた。

 一方、静馬は戦地で重傷を負ったもののなんとか帰国し、母親の愛情を求めていため佐清のふりをして犬神家に入り込んだ。やがて佐清と静馬は偶然再会したが、直後松子が佐武を殺すところを目撃したため、松子の犯行を隠すため死体の首を斬り落としたり体を隠したりしたのだった。佐智の殺害時も同様で、その偽装工作のため松子は疑われることは無かったのだった。

 佐清の掌紋を確認したときは、本物の佐清がゴムマスクをかぶって静馬とすり替わっていた。佐清は静馬の境遇に同情すると共に身内の仕打ちを恥じ、自分の居場所を静馬に譲っても良いとの気持ちで静馬に力を貸していたのだった。

 松子は毒で自決し、その直後松子に殺された静馬の死体が湖に発見され、ようやく連続殺人は終りを告げた。松子は戻って来た佐清が実は静馬であることに気が付いていたのだった。



 事件後、佐清は犯人隠匿・証拠隠滅などの罪で服役したものの、犬神家の後継者としての地位につき、獄中で珠世と結婚した。何かに気が付いた金田一佐清に面会に行き、実は佐清は計算ずくで行動して周囲の人間を利用し、まんまと犬神家の財産を手に入れたのではとの疑いをぶつけるが、佐清は静かに否定するだけだった。


感想

 後編。どんでん返しの連発。実はゴムマスク男は偽物でした~で今までの構図をひっくり返し、さらに最後は善意の人・佐清が実は全部みっちり計算して松子と静馬を動かして遺産相続の邪魔者を殺させたのでは? と疑惑だらけのオチに持って行ってもう一度ひっくり返すという展開。

 前後編合計3時間の大ボリュームでしたが、それに付き合うだけの価値のある面白いドラマでございました。
  

https://www.nhk.jp/p/ts/L3331VWV67/
映画テイストあふれる映像で話題を呼んできたNHK版「金田一シリーズ」。
「獄門島」(2016)・「悪魔が来りて笛を吹く」(2018)・「八つ墓村」(2019)に続き、満を持して「犬神家の一族」を、前後編各90分の大ボリュームでドラマ化。
脚本は、ドラマ「岸辺露伴は動かない」、アニメ「進撃の巨人」などで知られる小林靖子
監督は、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を撮り終えたばかりの吉田照幸が手がける。


犬神財閥の創始者、犬神佐兵衛が亡くなった。佐兵衛のばく大な遺産をめぐって起こる謎の連続殺人。名探偵・金田一耕助の推理が始まる。



【原作】横溝正史犬神家の一族
【脚本】小林靖子
【出演】吉岡秀隆 古川琴音 皆川猿時 小市慢太郎 倍賞美津子 大竹しのぶ ほか
【演出】吉田照幸
【制作統括】樋口俊一、西村崇、大谷直哉



出演者・キャストほか
きんだいちこうすけ 金田一耕助 (吉岡秀隆)
いぬがみまつこ 犬神松子 (大竹しのぶ)
いぬがみたけこ 犬神竹子 (南果歩)
いぬがみうめこ 犬神梅子 (堀内敬子)
いぬがみすけきよ 犬神佐清 (金子大地)
ののみやたまよ 野々宮珠世 (古川琴音)
さるぞう 猿蔵 (芹澤興人)
ふるだてきょうぞう 古館恭三 (皆川猿時)
おおやまたいすけ 大山泰輔 (野間口徹)
いそかわ 磯川 (小市慢太郎)
せつこ せつ子 (倍賞美津子)

 
犬神家の一族 金田一耕助ファイル 5 (角川文庫)

 

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