http://www.amazon.co.jp/dp/B00284C1O4
ブランド: シミュレーションジャーナル
ゲームジャーナル27号 アフリカン・ギャンビット
【※以下ネタバレ】
公式サイト
付録ゲーム
http://www.gamejournal.net/item_list/gj_027/index.html
アフリカンギャンビット
北アフリカ戦の補給面に焦点を絞った、まさに補給による、補給のための、補給のゲーム。
新たな解釈を施して、21世紀に遺すに相応しい、ウォーゲームの歴史に燦然とその名を残す名作が再登場!
本誌
●特集「アフリカンギャンビット」
・カラーページワイドグラビア
・付録ゲームリプレイ漫画(松田大秀)
・デザイナーズノート(アドテクノス版の復刻記事)(高梨俊一)
・ヒストリカルノート(同上)
・指揮官列伝(同上)
・師団列伝(同上)
<コメント>
付録ゲームはアドテクノスの「シミュレーションゲーム・ブックス」の一作として発売されていた作品の再販。
そのため特集記事の大半がアドテクノス版の復刻でした。しかし高梨俊一氏のデザイナーズノートを皮切りにどの記事も面白かったので大満足です。
●[連載]シミュレーションゲーム批判序説もどき(柿崎 唯)
第四回「北アフリカ戦役に見る現実認識及びその可能性と結果についての一考察(前編)」。WW2北アフリカ戦線は戦術・作戦の天才で戦略に無能なロンメルが無理やりやった無謀な戦い。この北アフリカ戦線のシーソーゲームをキャンペーンゲームで再現するのは難しい。
<コメント>
ロンメルについては非常に辛口な評価ですが、それでもすいすい読めてしまう内容で、かなり楽しめました。
●ウォーゲームデザイン序論
テーマ「ゲームデザインは如何あるべきかと。(前編)」。ウォーゲーマーを集めての討論会。
・現場のニーズとかみ合っていない?
初心者が求めているものと識者が認識しているものがずれていないか? 若い世代は例え歴史に興味が有ってもウォーゲームはプレイに時間がかかりすぎて自分から積極的にプレイしようとはしない。若い世代向けにシミュレーション性もない萌えゲームを作るべきなのか。「シミュレーション・ウォーゲーム」を求めるならターゲットが限定されても仕方ないのでは。
・「ゲーム」を目指すか「シミュレーション」を目指すのか
ゲーム性・シミュレーション性とは。一般ゲーマーはそれほど「シミュレーション」にこだわらないのでは。
<コメント>
ヘビーゲーマーたちの濃い討論。まあこれくらいのこだわりが無いと、この時代(2008年)にシミュレーション・ウォーゲームをデザインしたり雑誌を作ったりするような気力はでないでしょうしねぇ。
●ゲームガイド
・Tide of Iron: Days of the Fox Expansion(ファンタジー・フライト・ゲームズ) (ささきしのぐ)
WW2陸戦ミニチュアゲーム「タイド・オブ・アイアン」のエキスパンションセット。
<コメント>
筆者は半年前発売の25号で「タイド・オブ・アイアン」を熱烈に推していましたが、すっかり冷めてしまった模様で「海外ではコレクションアイテム扱い」「相撲の様にあっさり勝敗が決まってしまうので人気が無い」云々と辛い評価。25号では「10年後のアメリカではウォーゲームはタイド・オブ・アイアンしか生き残っていないかもしれない」とまで言っていたのに(苦笑)
海外サイト「FUNAGAIN」や「BoardGameGeek」の順位を見て色々解説する記事。カードゲーム「Race for the Galaxy」が大人気とのこと(※2007年1~3月)
<コメント>
タイトルとは違ってウォーゲームの話題はほぼ皆無ですが、これはこれで面白い記事でした。
●次号の予告
次号No.28(2008年9月1日発売予定)… 特集「名将・英雄の時代」。付録ゲーム「諸国民戦争1813&春秋戦国(天津老子版)」。
総合感想
評価:○。特集記事がガッチリ楽しめましたし、その他の柿崎唯氏の連載も良かったし、と、この号はWW2アフリカ戦線ネタ一本で満足できました。