http://www.amazon.co.jp/dp/B00284C1KS
ブランド: シミュレーションジャーナル
ゲームジャーナル25号 謀略級三国志
公式サイト
www.gamejournal.net
【※以下ネタバレ】
付録ゲーム
http://www.gamejournal.net/item_list/gj_025/index.html
謀略級三国志
各プレーヤーが三国志の「英雄」ではなく「軍師」の立場でプレーするという、いまだかつてないユニークなゲーム。
従来の陣取り型マルチプレーヤーズゲームの概念を覆す、革命的野心作!
本誌
●特集「軍師が操る三国志」
・カラーページワイドグラビア
・付録ゲームリプレイ漫画(松田大秀)
・ユニット列伝
<コメント>
三国志テーマも三回目のため、もうヒストリカルノートは無しで、特集としては物足りないところ。ただ軍師(?)として、お馴染み諸葛亮孔明、周瑜、等のほか、華佗、左慈、あまつさえ架空キャラの貂蝉までが起用されていて、各キャラの紹介がそれなりの量で載っていたのはそこそこよかったです。
●[連載]ソンシー浅野のそこまで言ってインカ帝国?
ウォーゲーマーを集めて討論する企画。今回のテーマは「帰納的と演繹的のどちらを選ぶ?」「自分をウォーゲーム原理主義者だと思うか?」「初心者向け・ミニゲームに賛成?反対?」「マイナーテーマに賛成?反対?」「ウォーゲームにキャラクター性は必要か?」「良いウォーゲームとは?」
<コメント>
当時の濃いウォーゲーマーたちのぶっちゃけた本音が良く分かる企画です。
一番面白かったのは以下の部分。
参加者「最近のゲームジャーナル誌の付録は初心者向け簡単ゲームばかりだ。もっと重厚なゲームも欲しい」
↓
編集者「それは誤解。簡単ゲームは初心者向けではない。ベテランゲーマーたちがもう大作をプレイする時間が無いので、そういう人たちの要望でつけている」
↓
参加者「ベテランばかり重視して初心者を取り込まないと先細りでは?」
↓
編集者「初心者・若い世代はもうミリタリー・戦史に興味がないので、初心者を開拓するとしたら、ガンプラや美少女フィギュアを扱うことになる。そうなったら既存読者は受け入れられるのか?」「極論を言えば、今の路線についてこれない初心者は不要」
↓
参加者「それでも若い世帯を取り込む努力しないとだめでは?」
↓
参加者「アニメテーマのゲームで引き入れた様な連中は結局ウォーゲーマーにはならない。過去にツクダアニメゲームをプレイしていた人たちは、今はウォーゲーム業界に残っていない」
とまあ厳しい言葉の連発。新規ゲーマーはヘクス・ZOC・CRTのゲームなどプレイしたくは無かろうし、逆に既存ゲーマーはそれを受け入れない人を認めない。古参ゲーマーの意見がこれですから、ウォーゲームは絶滅必至かなと思えました(※この記事は2007年の話です)
●[連載]ASLの戦場 カウンター編(今日も6ゾロ)
カウンター編第一回「歩兵分隊(ドイツ・ロシア・アメリカ)」。人気三か国の歩兵分隊のパラメーター「火力・射程・モラル」を分析。ドイツ「4-6-7」・ロシア「4-4-7」・アメリカ「6-6-6」。
<コメント>
新シリーズ開始。初回はオーソドックスなところからですが、こういう説明は読んでいて楽しい。
●[連載]シミュレーションゲーム批判序説もどき(柿崎 唯)
第二回「Squad Leaderの光と影(後編)」。Squad Leaderシリーズはプログラム学習方式でルールを習得していくが、そのためにプレイヤー毎に理解・使用しているルールが微妙に異なり、結果としてプレイヤーたちは混乱し上手く対戦できない状態に陥った。プログラム学習方式は失敗であり、早めに打ち切るべきで、その後Squad LeaderがAdvanced Squad Leaderへと移り変わったのは必然だった。
<コメント>
かなりSquad Leader シリーズに対して辛口の記事ですが、批判色が強いにも関わらず、文章が面白いのでスルスル読めました。
雑誌発売の半年前・2007年6月にアメリカ・FFG(ファンタジー・フライト・ゲームズ)社から発売されたWW2陸戦ミニチュアゲーム「タイド・オブ・アイアン(Tide of Iron)」の記事。全4ページ。ジェンコンでの新作発表、発売時の宣伝ツアー、テストプレイヤー50人、発売時のアメリカのショップの混乱、ゲームシステム説明、シナリオがイマイチ。
<コメント>
筆者はこのゲームに相当熱狂しているらしく、物凄い熱量でゲームを推しまくっています。もっとも「システムは良いが、現状はシナリオの出来が悪い」という冷静な評価もありますけどね。あと筆者も編集者も文章の見直しをしなかったのか、句読点の打ち方や誤変換、同じようなセリフのくどい繰り返し、など、文面的にはかなりひどい内容でした。
紹介者:天津老子氏。紹介ゲーム:ディプロマシー(AH・ハズブロ)。学校の教師なので生徒たちをプレイヤーに「一日一ターン・ディプロマシー」をやっていた。「朝生徒たちに状況を渡し、生徒はその日の下校時に命令書を筆者に渡し、筆者が命令書に基づいてアクションする」というプレイ。生徒は学校にいる間に時間をかけて交渉できる。
<コメント>
「ディプロマシー」というと謀略・裏切りのネガティブなイメージしかありませんが、こういう平和なプレイが過去に有ったのかと思うとなんとも和やかな気分になりましたです。
●ゲームで歴史を楽しもう(DSSSM)
「イタリア兵は世界中どこでもイタリアだなぁ。。の巻」。ザ・ゲーマーズ社のWW2アフリカ戦ビッグゲーム「DAK II」をテーマに、イタリアユニットに移動娼館が有るとか、1940年各ターンをプレイするたびにイタリアンレストランに行く「パスタルール」が有るとか、ドイツ軍の「砂漠の結婚式」ネタとかいろいろ紹介。
<コメント>
ゲーム内容には全く触れていない記事ですが、こういうコーナーもこれはこれで楽しいものでした。
●次号の予告
次号No.26(2008年3月1日発売予定)… 特集「秀吉頂上決戦」。付録ゲーム「秀吉強襲 山崎の戦い&賤ケ岳の戦い」。
総合感想
評価:○。特集は今一つ物足りなかったのですが、代わりに他の記事が面白かったので良し。
おまけ
三国志特集の中の各キャラの紹介でふざけた前口上が色々書いてあるのですが……
・孔明「はわわ、ご主人様!~」 →元ネタ:恋姫無双
・姜維「蜀漢は滅びぬ! 何度でも蘇るさ!」 →元ネタ:天空の城ラピュタ
・司馬懿「そなたこそ、真の簒奪無双よ!」 →元ネタ:三国無双
・華佗「孫策なんですぐ死んでしまうのん?」 →元ネタ:火垂るの墓
くらいは何とかわかるのですが……
・貂蝉「ルール変更に咽び泣くきのこ狩りの女」というのが難解すぎる。これはもしかして東映版スパイターマンのセリフでしょうか? なんとなくそれらしい物として「16話 犬笛にむせび泣く男、スパイダーマン!」と「31話 キノコ狩りの男、スパイダーマン!」というのがあるのですが……???