感想:NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」(NHK総合版)『File-24 シリーズ 予言者ノストラダムスの謎 Part-1 秘密の生涯に迫る』(2014年12月13日(土)放送)


 NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」(NHK総合版)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー - NHK
http://www4.nhk.or.jp/darkside/

 NHK総合での視聴です。(放送:毎週土曜 22:30〜22:50)

『File-24 シリーズ 予言者ノストラダムスの謎 Part-1 秘密の生涯に迫る』


■内容

>1999年、人類は滅亡する!?神秘の予言で世界を恐れさせたノストラダムスとは何者だったのか?なぜ予言者に?どれほど的中した?心をつかむ極秘予言テクニックとは?


>今から15年前の1999年7月、人類は滅亡する!?と話題になったノストラダムス。彼が残した1000近い予言は今も、私たちの時代の歴史的大事件を数多く言い当て続けている?とも言われる。シリーズ第1回は、16世紀フランスに実在した男・ノストラダムスの生涯に迫る。彼はなぜ、どのように予言をおこなったのか?当時の人々を恐れさせた予言詩の極秘テクニックとは?予言は本当に当たったのか?意外な真相が明らかに!

 BSプレミアム版の「File-07」(2013年12月13日(金)放送)から。


 あなたはノストラダムスの「1999年人類滅亡の予言」が外れたからといって、ノストラダムスが嘘つきとか思っていないだろうか。そもそも彼は「1999年に人類は滅亡する」など書いておらず、なんと西暦3797年のことまで予言している。彼の残した予言の中には、日独伊三国同盟や、2001年9月11日の同時多発テロについてはっきりと書かれている。

 ノストラダムスは1503年フランスのプロバンス生まれ。本名ミッシェル・ド・ノートルダム。20〜30代は医者として働き、40代からは占星術師となった。当時の考えでは、人の体の各部は十二星座にそれぞれ対応していて、星を見て治療方針を決める、ということが当たり前だった。医学と占星術は兄弟だった。

 やがてノストラダムスは一般人向け暮らしの手帳的な本「アルマナック」でヒットを飛ばす。これは一年分の暦に月の満ち欠けや宗教行事が書いてある実用本で、さらに毎日のワンポイント予言として「この日は霧が出ます」とか「この日は健康に注意してお風呂に入りましょう」と書いてあった。この本は当時大人気だった。やがてノストラダムスはさらに工夫を加え、毎月の冒頭に「この月はこんなことが起こるであろう」というもう少し長い文章の予言を書くようになった。

 1554年、ノストラダムス51歳の時、彼はその各月予言を独立させた予言書を出版した。これは一冊の中に四行詩の形で100個の予言が書かれていた。内容はあいまいでよく解らないものの、戦争がどうとかそういう怖そうなことばかり書かれていた。これが大ベストセラーとなり、ノストラダムスは最終的に全10冊を書いた。当時は戦、飢饉、伝染病、オスマン帝国の勢力拡大、等、社会不安が蔓延しており、そういった世相がヒットの下地となった。現代でいえば「人が怖いもの見たさでホラー映画を見る」ように、人はわざわざ不気味なことを書いてあるノストラダムス予言書を読んだのだった。



 ところでノストラダムスの予言は「戦争」「血」「死」「飢饉」「ペスト」といった怖そうな言葉であふれている。こういう単語でなんとなく不安を煽るのがヒットのコツらしい。ちなみに、20世紀末の人類滅亡予言としてあまりにも有名となった「1999年7の月、云々」の予言の中の「アンゴルモアの大王」(Angolmois)は、フランス人から見れば、地名「アングーモア」(Angoumois)か、都市名「アングレーム」(Anguleme)だとすぐわかり、実在の王朝について書かれていると解釈するのが普通らしい。



 やがてノストラダムスは国王アンリ二世の妃「カトリーヌ・ド・メディシス」のお抱え占星術師となった。1559年、アンリ二世が馬上槍試合での怪我が元で死亡した。のちにノストラダムスはこの事を予言していたと騒がれる事になった。しかしノストラダムスはそんな騒ぎが起こったことも知らず、1566年に62歳で亡くなっている。続く。


■感想

 今回は基礎編。ノストラダムス氏、怪しげな人かと思いきや、最初は「暮らしの手帳」を書いていた人だったとは意外なキャリアです。