【アニメ】フィギュア系雑誌「フィギュア王」No.223の永井豪インタビューはデビルマンやマジンガーZの秘話が山盛りだった

フィギュア王 No.223 (ワールドムック 1124)

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 フィギュア系の雑誌「フィギュア王」の最新号NO.223(2016年8月24日発売)は、2017年にバンダイから「超合金魂マジンガーZ」と「S.H.フィギュアーツ デビルマン デビルマン D.C.(ダイナミッククラシックス) 」が発売されることを記念して、永井豪御大にデビルマンマジンガーZのアニメについてインタビューしているのですが、模型系雑誌なのにアニメのかなり詳しいことまで聞いていて、興味深い内容でビックリでしたわ。


この記事です

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フィギュア王No.223
超合金魂マジンガーZ D.C.&S.H.Figuartsデビルマン D.C.発売記念! 原作者・永井豪インタビュー


 インタビュー内容を大まかにまとめてみました。

デビルマンについて

 デビルマンのアニメは「魔王ダンテ」の人間サイズの主人公という企画でスタート。しかし、正直言ってアニメが実現するとは信じていなかった(笑い) 当時のアニメは子供向けばかりだったので、「悪魔が主人公」という作品が実現するとは思えなかったから。しかし東映動画の人が熱心に通ってくれるので、企画だけはきっちり作ろうと思った。主人公はアメコミヒーロー風のデザインを求められた。肌の色を緑にしたのは、赤や青だと「赤鬼・青鬼」になってしまうし、黄色は明るすぎるので、消去法で緑にした。

 漫画版のストーリーはアニメとはかけ離れた内容にしたが、アニメ関係者から飛鳥了的なキャラをアニメに出したいといわれ、「氷村巌」をデザインすることになった。この経験でマジンガーZは漫画を描く際アニメから離れないようにした。


マジンガーZについて

 マジンガーZのデザインは西洋の鎧から。鎧の目を覆うパーツを口元に下ろしたらいい感じだったが、スリットが有るので何か出せないかと思い、「ルストハリケーン」という武器を考えた。マジンガーZの武器はデザイン先行の後から考えたものばかりで、ブレストファイアーも「胸に赤いパーツが付いているから、熱線を出そう」という感じで考えていった。

 元々はマジンガーZバイクが頭に合体する予定だった。ところが東映動画の親会社的な東映では当時仮面ライダーが大ヒットしており、「バイクをつかうなんてとんでもない」と言われたので、ではバイク的に操縦できる別の乗り物を、とホバーバイルダーを考えた。「パイルダー」とは、プロレスの技で頭を攻撃する「パイルドライバー」から来ている。のちに、ダイアナンAではマジンガーZで出来なかったオートバイ合体を実現させた。この頃にはマジンガーZの視聴率が物凄くて、東映もダメ出しをしなかった。

 ロケットパンチは、学生時代に友達同士でおふざけでボクシングで遊んだ経験から。リーチが長い方が強いので、だったら手を飛ばせば良いと(笑い)

 ジェットスクランダーは最初はやりたくなかった。東映動画の人には、ロボットを飛ばせたら重々しさがなくなりますよ、と言ったのだが、アニメ会社からすると、空を飛ばせば歩くシーンを描かなくて済むのでありがたい、ということだった。ところが弟(ダイナミックプロ社長)が「マジンガーZが空飛ぶ機械獣に苦戦した後に、ジェットスクランダーを出したら面白いですね」とか余計なことを言って(笑い)。それを聞いた東映動画の人が「こちらも大急ぎで準備するので機械獣を考えてください」と言われた。「マジンガーZデビルマン」で初登場した時には良い感じで出してもらいました。スクランダーという名前は「スクラム」と「スクランブル発進」から来ている。


漫画「激マン!」について

 編集部から「今でもデビルマンについて質問が来る。執筆時の裏話を自伝として描いてもらえないか」と提案されたが、自分が主人公の漫画は恥ずかしいので断った。しかし、別キャラが主役でも良いという事で了承した。「デビルマンの章」を描いた後、とても疲れたので、「次はハレンチ学園の章で……」と提案したら、「いやいや、次はマジンガーZでしょう?」と言われて、「やっぱりそう来たか」と(笑い) マジンガーZ編はグレートマジンガーまで描くつもり。しかしキューティーハニーの映画公開に合わせて、今はハニー編を描いている。


感想

 パイルダーが元々バイクだったというのは有名な話ですが、パイルドライバーから来ているとか、スクランブル発進とか、知らなかった裏話が随所にあって面白かったです~。