読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン7」第3話「ハングリー」


X-ファイル シーズン7 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン7 http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s7/
放送 Dlife。全22話。

【※以下ネタバレ】


※シーズン7の他のエピソードのあらすじ・感想はこちら→「X-ファイル シーズン7」あらすじ・感想まとめ

第3話 ハングリー HUNGRY

あらすじ

ハンバーガー店「ラッキー・ボーイ」の客が、殺されて脳みそを食べられてしまう。この男の車から店のキャンペーン・バッジが発見され、モルダーとスカリーが調査を始める。


 お題は「ミュータント」。


 モルダーとスカリーは、殺人事件の調査のため、あるハンバーガーショップを訪れる。被害者は脳を抜き取られて殺されていたが、被害者の傍に店の従業員のバッチが残されていたためだった。

 実は犯人は従業員のロブ・ロバーツだった。ロブは突然変異のミュータントで、常に猛烈な空腹に襲われており、さらにここ一ヶ月ほどの間に人間の脳を食べずにはいられなくなっていた。ロブはなんとか食欲を抑えようとするが全く効果が無く、次々と周囲の人間を襲ってしまう。モルダーとスカリーはついにロブの犯行と確信し部屋に乗り込むが、ロブはわざとモルダーたちに突っ込み射殺される。


監督 キム・マナーズ
脚本 ヴィンス・ギリガン


感想

 評価は○。


 特異な能力を持つ人間が事件を起こし、それをモルダーとスカリーが捜査する、という王道パターンのエピソードだが、見せ方にひねりを加えていて、それなりに面白かった。


 犯人が人間の肉体の特定の一部分を食料としており、そのために殺人を犯す、というのはシーズン1・第3話「スクィーズ」や、シーズン3・第6話「胃液」と同じ展開で、設定自体には新鮮味はなかったが、今回はほぼ全てのシーンが犯人ロブからの視点で描かれている、というのが目新しかった。この作りのため、ロブのいないところでモルダーやスカリーが何をしているのかは描かれず、ロブの周囲にしきりにモルダーが現われて思わせぶりなことを言って不安にさせたり、ロブが自分への疑いを晴らすため偽装工作を行なったり、といった展開が見られ、まるで「刑事コロンボ」の一エピソードの様だった。

 ロブは、突然変異のミュータントで、人間の脳を主食としている。外見も、頭髪無し(普段はカツラで隠している)、耳なし(正確には頭部に耳の穴しかなく、普段は作り物の耳を貼り付けて誤魔化している)、白眼無し(コンタクトで偽装)、口にはサメの様な三角の歯がずらり(総入れ歯で偽装)、舌は長く伸ばして人間の頭部に張り付かせそこから脳を吸い取る、と、非常に怖い。

 ところが、精神のほうは怪物ではなくごく普通の人間というギャップが有る。ロブは可能な限り普通に生きたいと思い、食欲を抑えようと、ダイエッター向けのビデオを見たり、薬を飲んだり、過食症の人間の集まりに出て悩みを打ち明けたりしている。しかし、体質の為にいくら食べても空腹になってしまい、ついには耐えられなくなって最後には人を殺してしまう。そしてその度に後悔して、カウンセラーに悩みを相談したりする。このように、殺人者ではあっても同情の余地があるという、今までのX-ファイルに出てきた怪物犯罪者たちとは全く違う存在である。この様なキャラクター造形は実に新鮮で、なかなか興味深かった。

 最後にモルダーたちに正体がばれたロブは、銃を構える二人に向かって突っ込んで行き射殺されるが、逃げようとしたというよりも覚悟の自決だったように見えた。ということで、哀れなキャラクターであった。


 途中、カウンセラーのラインハート先生が、ロブに美男美女の例として「シンディ・クロフォード」と「ピーター・ジェニングス」を挙げる。21世紀の日本人には何のことやらサッパリだが、前者がモデル・俳優で、後者はニュースキャスターである。当時は相当の有名人だったのであろう。


 ロブの声はアニメでも馴染み深い高木渉氏だった。特徴がある声質なのですぐにわかりました。