感想:アニメ「ブレイブウィッチーズ」第12話(最終回)「ひかり輝いて・・・」

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アニメ「ブレイブウィッチーズ」公式サイト http://w-witch.jp/
放送 BS11

【※以下ネタバレ】
 

第12話(最終回) 『最終話 ひかり輝いて・・・』

 

あらすじ

 孝美はグリゴーリの真のコアを発見するため、肉体に極限まで負担のかかる絶対魔眼を使用し、なんとかコアの位置を突き止めた。しかし列車砲から発射された弾丸は、グリゴーリが周囲に発生させた雲のせいで防がれ、結局攻撃は失敗に終わってしまう。

 一方、ひかりは孝美が絶対魔眼を使うと予感し、孝美の身を案じて徒歩で戦場へと駆けつけていた。ラルは崩壊した弾丸の魔力を管野の手袋に吸収させ、グリゴーリに接近して殴って真のコアを破壊する、という決死作戦を立案する。そして真のコアの位置の特定のため、ひかりが孝美に代わって作戦に参加することになった。

 ひかりの接触魔眼によりグリゴーリの真のコアの位置が発見され、管野が拳でコアを攻撃するものの、わずかに魔力が足りず、真コアを破壊しきれない。ひかりは、お守りとして持っていたリベレーターの弾丸に魔力を込めて真コアを撃ち、グリゴーリを消滅させた。

 戦いの後、孝美は扶桑に帰還することになった。しかしひかりは帰国せず、別戦線に転戦する502へとついてくことを選ぶのだった。おしまい。


感想

 最終決戦後編。「超巨大な敵が本陣に迫っており、食い止める手段は尽きたかに思われたが……」とシチュエーション自体は最終回らしいのですが、ぜーんぜん盛り上がらないので拍子抜け。最終回に必要なイベントをルーチンワークのようにこなしているだけの展開で、見ていてちっとも心が熱くならないままで終了……、結末も予想の範囲内だし、全く持って食い足りなかったです。

 大体、ひかりは列車でペテルブルグから延々と旅をしてきたはずなのに、列車から飛び降りたら、走っていける範囲(駆け足で五分くらい?)のところで戦争してました、って都合が良すぎです。また、ひかりが「孝美が絶対魔眼を使えば、敵の攻撃は防御できないから危ない!」と危惧していましたが、502の仲間がいるのだから孝美を守ってくれるに決まっているし、と、最終回なのに突っ込みたいところが多くて困ってしまいました。

 結局、それほど悪いアニメではなかったのですが、惰性で見ているだけ、という感じの作品でしたね。もうウィッチーズシリーズは賞味期限切れの感ありですな。


総括

 評価は○(まあ、悪くはなかったのですけど、物足りなさ過ぎ)。


 2008年スタートの「ストライクウィッチーズ」シリーズから派生した、主役以下のキャラクターを一新したスピンオフ新シリーズ。しかし、全くもって盛り上がらないアニメでした……


 1944年9月。まだまだ未熟なウィッチである雁淵ひかり(かりぶち-)は、扶桑海軍のエースである姉の孝美を誇りに思っていた。ある時、孝美は欧州戦線のオラーシャ帝国・ペテルブルグ基地に配属されることになり、同時にひかりもその後方にあるスオムスの基地に派遣が決まる。だが扶桑艦隊はペテルブルグに向かう途中、ネウロイの大群の襲撃を受け、孝美は艦隊を守るために魔力を振り絞り、その結果意識不明になってしまう。ひかりは、姉に代わってペテルブルグの「第502統合戦闘航空団《ブレイブウィッチーズ》」の一員になることを直訴するのだった……


 という始まり方は悪くなかったのですが、これ以降の話が盛り上がらなさすぎでした。そもそも主人公のひかりは、ストライクウィッチーズの主人公「宮藤芳佳」とどこが違うんだ、というくらい似ていて差別化ができていないのがまず第一の問題。さらに、全キャラ中で一番可愛い孝美が早々に意識不明となって舞台から去ったおかげで失望感が物凄かったし……

 そのがっかり感を他の美少女戦士たちが癒してくれればよかったのですが、これがまた期待外れ。これ以降のエピソードが実に中身が薄く、502のメンバーのキャラ立て(個性付け)に失敗しているため、いつまでたってもキャラの名前が覚えられませんでした。

 ひかりにやたら絡んでくる管野の名前をようやく憶えられたくらいで、他のキャラはもう「その他」程度の認識。大体その管野だって、四六時中勇ましいことを言っているキャラ、という程度の個性付けで、キャラクターに深みを与えるようなエピソードは一つもなかったですしね。ラル隊長(佐藤利奈)も、どこかですごい実力を見せつけてくれるのかと思いきや、最後までそんなチャンスは一度も無し……、うーん。

 そして終盤に孝美が舞台に復帰し、キャラ的には少し潤いが出てきたものの、最終決戦は全く盛り上がらないまま、なんとなくという感じで〆……


 現在から振り返ってみれば、先代の「ストライクウィッチーズ」シリーズも、もてはやすほどの大傑作ではありませんでしたが、それでも登場キャラの個性付けはキチンとこなしていました。新作のブレイブはそのラインすらこなせていないという……、ダメ過ぎでした。


 まあ、1クール12話をそれなりには視聴できましたから、『失敗作』とまでは言いませんが、約10年の歴史があるシリーズの、満を持しての新展開としては、あまりにもお粗末に過ぎたと言えるでしょう。


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戦いたければ、強くなれ


1930年代、欧州を中心に突如出現した人類の敵「ネウロイ」。
通常の兵器による破壊が困難なネウロイに対抗できるのは、
ウィッチと呼ばれる、特殊な魔法力を持った少女たちだけだった・・・。


ブレイブウィッチーズ」は「ストライクウィッチーズ」第1期と第2期の間の物語。


1944年9月、第501統合戦闘航空団「ストライクウィッチーズ」を中心とした連合軍の活躍で、ガリア共和国上空のネウロイの巣が消滅、欧州西部の安全が確保された。
これを機に、連合軍は本格的に欧州中央~東部方面への反抗作戦を計画。
オラーシャ帝国ペテルブルグに基地を構える、第502統合戦闘航空団「ブレイブウィッチーズ」にも出撃の命が下されようとしていた


人類の希望を背に、勇気あるウィッチ達が、東欧の寒空を駆け巡る。



制作会社
SILVER LINK.


スタッフ情報
【原作】島田フミカネ&Project World Witches
【キャラクター原案】島田フミカネ
【監督】高村和宏
【企画】菊地剛、工藤大丈
【アニメキャラクターデザイン】高村和宏
【シリーズ構成】ストライカーユニット
【世界観設定・軍事考証】鈴木貴昭
ネウロイデザイン】出雲重機
メカニックデザイン常木志伸
【音響監督】吉田知弘

【音響制作】グロービジョン
【音楽】長岡成貢
【音楽制作】日本コロムビア


音楽
【OP】石田燿子アシタノツバサ
【ED】雁淵ひかり(CV:加隈亜衣)雁淵孝美(CV:末柄里恵)管野直枝(CV:村川梨衣)ニッカ・エドワーディン・カタヤイネン(CV:高森奈津美)ヴァルトルート・クルピンスキー(CV:石田嘉代)アレクサンドラ・I・ポクルイーシキン(CV:原由実)ジョーゼット・ルマール(CV:照井春佳)下原定子(CV:水谷麻鈴)エディータ・ロスマン(CV:五十嵐裕美)グンドュラ・ラル(CV:佐藤利奈)「Lillte Wing ~Spirit of LINDBERG~」



キャスト
雁淵ひかり:加隈亜衣
雁淵孝美:末柄里恵
菅野直枝:村川梨衣
ニッカ・エドワーディン・カタヤイネン:高森奈津美
ヴァルトルート・クルピンスキー:石田嘉代
アレクサンドラ・I・ポクルイーシキン:原由実
ジョーゼット・ルマール:照井春佳
下原定子:水谷麻鈴
エディータ・ロスマン:五十嵐裕美
グンドュラ・ラル:佐藤利奈