感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第53話(シーズン2最終話)「防衛システムを守れ!」

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【※以下ネタバレ】
 
シーズン2(29~53話(全25話))の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のページでどうぞ
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第53話(シーズン2最終話) 防衛システムを守れ! Recovery (シーズン2・第25話)

 

あらすじ

敵国の手に渡ったフェイルセーフ装置。亡命した科学者が装置を分解する前に、IMFチームは装置と科学者の奪還を図る。


墜落したB-52に搭載されていたフェイルセーフ装置。墜落時には秘密保持のため爆発する設定だったが、無傷で敵国に渡ってしまう。亡命した科学者がこの分解に当たるが、爆発させず容易には分解できない。IMFチームはこれが分解されシステムを解析される前に、装置と科学者の奪還を図る。そのためローラン(マーティン・ランドー)とシナモン(バーバラ・ベイン)が敵基地に潜入する。

※DVD版のタイトルは「恐怖のリモートコントロール」。


【今回の指令】
 東側某国内でアメリカの戦略爆撃機B-52が墜落し、爆撃機に搭載されていた「フェイルセーフ装置」が押収されてしまった。装置は亡命したアメリカ人物理学者シパードが所長を務めるバツィア研究所(the Vatzia Institute)に運び込まれた。もしシパードが装置の分解に成功すれば、アメリカの機密であるフェイルセーフシステム(偶発戦争防止システム)が解明されてしまう。IMFはその前にフェイルセーフ装置を回収し、またシパードをアメリカに連れ戻さなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、ローラン、シナモン、バーニー、ウィリー
 ゲスト:無し


【作戦の舞台】
 東側の某国


【作戦】
 フェイルセーブ装置は本来は墜落時に自爆するはずだったので、自爆装置が作動しなかった理由を解明するため、IMFは装置を破壊するのではなく、アメリカに持ち帰る必要がある。

 シパードは、フェイルセーフ装置は分解の仕方を間違えると爆発するので、どうすればよいか思案する。そんな時、ローランとシナモンは、アメリカ人の機械関係の教授(車いす使用)とその妻で医者、という設定でバツィア(都市名)を来訪し、シパードと顔見知りになる。

 直後、フェルプスは墜落したB-52の機長という設定でシパードに捕まり、フェイルセーフ装置の解体方法を教えろと脅されるが断固拒否し、知りたいなら装置を作ったミネソタ州の会社にでも聞け、と言い返す。シパードはローランたちがミネソタに住んでいると話していたのを思い出し、ローランこそフェイルセーフ装置の開発者だと見当をつける。そして、二人を研究所に連れてこさせ、装置の側にシナモンを座らせ、ローランに正しい分解方法を教えないと妻が死ぬと脅す。それに屈した(ふりをした)ローランは、マジックハンドで装置の解体を始める。

 一方、ローランの付き添いとして同行してきたバーニーは、建物のダストシュート装置に金属片を放り込んで故障させ、修理を呼ばせる。フェルプスとウィリーは修理業者として研究所に入り込み、フェルプスはダストシュートから装置の置いてある部屋に向かう。

 シナモンはフェルプスが来たことに気が付いてローランに合図し、ローランは心臓発作を起こしたふりをしたため、全員が装置を置いてある部屋から出ていく。その隙にフェルプスは装置を持ち出し、ダストシュートに戻る。

 医務室でシナモンはローランが死んだという演技をする。そのあと、シナモン、バーニー、ローランは、シパードを失神させてローランの変装マスクをかぶせ、逆にローランはシパードに変装する。そしてダストシュートのフェルプスから装置を受け取って車いすに隠す。その後、フェルプスとウィリーは、修理を終えたと言って研究所から出てゆく。またシパードに変装したローランは、研究所の人間をうまく言いくるめて、死んだローラン(実はシパード)、その妻シナモン、バーニーと共に研究所を離れる。そして最後はIMFメンバーが車で逃走するシーンで〆。


監督: ロバート・トッテン
脚本: ウィリアム・リード・ウッドフィールド&アラン・バルター


感想

 評価は◎。

 シーズン2の最終話。IMFが東側某国で盗まれた機密を奪回する、という、超王道系のエピソード。偶然なのか、それとも最終話だから気合を入れたか、とにかくすごく面白い傑作回だった。


 今回のストーリーの主役とも言えるのが「フェイルセーフ装置」。サイズは人間が一抱えするくらいで、外見も色も小型金庫風で、実際表側には金属ダイヤルが付いている。そのダイヤルを回して扉を外すと、その次に機械式のカウンターやトグルスイッチ、押しボタンなどが見え、またごついボルトが周囲にはめ込んでいる。いつものテープでの指令の説明を聞いても、フェイルセーフ装置とは何をする機械なのか全く不明だが、まあとにかく軍事上重要な機械という事で納得すれば良いのであろう。

 そしてフェイルセーフ装置の解体シーンは異様に凝っており、離れたところからマジックハンドを遠隔操作して作業を行うのだが、マジックハンドが銀色の金属を複雑に組み合わせた実にそれっぽいデザインだし、また先端の「指」にあたる部分がぐるぐる回転して金庫のダイヤルを回したり、その他細かい作業ができるなど、実に複雑に作られている。マジックハンドで金属ボルトを回転させながら抜き取るシーンとか、実に緊張する場面で、50年前のドラマにもかかわらず、この解体シーンは今見ても特に古さを感じないし、力の入れ具合には驚かされる。


 IMFのミッションは、今回は特に良く練られており、細部の諸々が細かい。まず機長役のフェルプスがふと漏らした(ふりの)言葉を元に、シパードがローランを研究所に連れて来るように誘導するなど、一々巧みである。またバーニーがダストシュートに金属棒を放り込むと、それでダストシュートが故障し、その結果修理業者が呼ばれ、業者のふりをしたフェルプスたちがやってくる、という具合に、各人の動きが上手く連動しており、見ていて実に愉快である。

 終盤の展開は特に見事で「フェルプスがダストシュートを昇ってくる」→「それに気が付いたローランが発作のふりをして医務室へ全員を誘導」→「フェルプスが出てきて装置をダストシュートに持ち込む」→「ローランたちがダストシュートから装置を回収」→「車いすに隠して外に持ち出す」という様に、キャッチボールのように装置をやり取りして巧みに装置を運び出す展開が本当に美しかった。

 そして傑作だったのが、最後のシパードを外に連れ出すためのシチュエーションである。シパードを失神させて、発作で死んだ設定のローランのマスクをかぶせ、逆にローランはシパードのマスクをかぶり、二人が入れ替わることでシパードを怪しまれずに外に連れ出すというというアイデアが秀逸極まりない。最後シパードの部下がシパード(実はローラン)に「アメリカ人を外に出しても良いのか?」と尋ねると、シパード(ローラン)が「君は論理的思考ができない男だな。夫人に騒がれても全て否定すれば良いんだよ」とか言いくるめてしまうシーンは、心底おかしくて思わず笑い声が漏れてしまった。

 今回はスパイ大作戦の良い所を結集したようなエピソードで、見ていて実に痛快だった。今回はシーズン2のラストなので、出来のいい話で締めくくろうとしたのかもしれない。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスが駐車場の無人の管理人室に入り、棚からオープンリール式テープレコーダーと大きめの封筒を取り出す。フェルプスはテープを再生して指令を聞きつつ、封筒の中の写真を確認する。指令は最後に「なおこのテープはただちに処分すること」といい、フェルプスがそばの灰皿にテープを置くと、勝手にテープが燃え上がる。(※第41話(シーズン2の第13話)「雲上のマイクロフィルム」のシーンの使いまわし)


参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。昨夜、わが戦略爆撃機B-52が鉄のカーテン内で墜落、その爆撃機にセットされたフェイルセーフ装置がバツィア研究所に押収されてしまった。研究所の所長は、アメリカから亡命した物理学者シパードであるが、彼がこの装置の分解に成功すれば、フェイルセーフシステム、即ちわが国の偶発戦争防止システムの全貌を知られてしまう。

 そこで君の使命だが、フェイルセーフシステムを取り戻すとともに、シパードを連れ帰ることにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは直ちに処分すること。成功を祈る。

シーズン2(29~53話)の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のページでどうぞ

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