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感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン9」第4話「4-D」

X-ファイル シーズン9 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン9 http://dlife.disney.co.jp/program/drama/xfile_s9.html
放送 Dlife。全20話。

【※以下ネタバレ】
 
※シーズン9の他のエピソードのあらすじ・感想はこちら→「X-ファイル シーズン9」あらすじ・感想まとめ
 

第4話 4-D 4-D

 

あらすじ

 お題は「パラレル・ユニバース」。


 ドゲット、レイエス、フォーマーたちは、女性ばかりを狙い舌を切り取る猟奇殺人者ルケシュを追っていたが、レイエスは首を切られて瀕死となった上に銃を奪われてしまう。さらにルケシュを追ったドゲットは、自由に姿を消す力を持つルケシュに翻弄された挙句、レイエスの銃で撃たれてしまう。


 レイエスはドゲットに新居への引っ越しを祝ってもらっていたが、そこにスキナーからドゲットが撃たれて重傷との連絡が入り驚く。次の瞬間、目の前にいたはずのドゲットは消え失せていた。何故ドゲットが撃たれた場所にいたのか理由が不明だった。ドゲットは意識不明の重体で、目覚めても半身不随が確実という状況の上、ドゲットを撃ったのはレイエスだという疑いがかかる。現場から見つかった弾丸はレイエスの銃の線条痕がついており、しかもレイエスが撃つところを見たという目撃者までがいた。その目撃者とはルケシュだった。

 フォーマーはレイエスを疑うものの、ドゲットが撃たれた時のアリバイがある上、レイエスの銃が使用された形跡がないため混乱する。さらに目覚めたドゲットは、自分は殺人犯としてルケシュを追っていたこと、自分はルケシュに撃たれたこと、レイエスは瀕死だったこと、などを語り、レイエスたちを困惑させる。

 レイエスは今回の事件について説明できる仮説を立てる。パラレル・ユニバースという概念によれば、この現実世界の他に、もうひとつそっくりの別世界が存在する。ルケシュは、この二つの世界を自由に行き来する能力を持つ可能性がある。だとすれば、ルケシュは、向こうの世界に移動しては猟奇殺人を行っており、向こうの世界でルケシュを追ったドゲットは、一緒にこちらの世界に来てしまい、そのため本来こちらにいたドゲットは押し出されて消えてしまった、というものだった。

 スキナーたちはドゲットの証言をもとに、ルケシュを容疑者として扱い、焦ったルケシュは母親を惨殺して逃亡する。レイエスは自分がおとりとなりルケシュをおびき寄せ、ルケシュはフォーマーに射殺された。ドゲットはレイエスに、自分が死ねばこの世界の本来のドゲットが帰ってくるはずだと言い、生命維持装置を止めるように懇願する。レイエスが装置を止め、ドゲットが死んだ瞬間、レイエスは引っ越し直後のドゲットと会話していた場面に戻る。


監督 トニー・ワームビー
脚本 スティーヴン・マエダ


感想

 評価は○。

 X-ファイルには珍しく、超常現象では無くSF要素のパラレル・ユニバース(並行宇宙)をテーマにしたエピソードで、そこそこには面白かった。


 今回は、X-ファイルのいつものエピソードとは異なり、X-ファイル課のメンバーが怪事件を捜査していくのではなく、自分たち自身が不可思議な事態の主役となる、という展開となっている。主役コンビが異常な状況に巻き込まれ、そこから脱するまでを描く、というシチュエーションは、シーズン6の第14話「月曜の朝」を連想させた。

 冒頭、いなきりドゲットたちが殺人犯を追っているという状況からスタートし、ドゲットとレイエスが二人とも倒れるという展開で度肝を抜いておいて、しかもオープニングが終わると何故か二人とも無事、ということになっているので、もう視聴しているこちらは大混乱で、中盤までどういった話なのか全く頭が付いていけなかった。しかし、途中で親切にレイエスがパラレル・ユニバースという概念を持ち出して、親切丁寧に状況を解説してくれたので、ようやく合点がいった。複雑な設定の話ではあったが、終わってみると展開に破綻も無く、そういう意味ではよくまとまったシナリオだったと評価したい。

 本エピソードでは、主役ドゲットが撃たれて半身不随となり、身動きも呼吸もままならず、会話も機械を介して行うだけ、という状態になり果てており、その姿は結構衝撃的だった。

 ドゲットは病院、レイエスは容疑者扱い、と主役二人が活躍できない状況のため、ルケシュを追い詰める役目はスキナーやフォーマーの仕事になってしまっているし、またルケシュの異世界間を自由に移動する能力も特にクローズアップされていないため、いつもの「異能力者との対決」というサスペンス要素はほぼゼロだった。そして話の主眼は、「今回は一体何が起きているのか」という謎解きに置かれていたが、変則的な話ながら、これはこれで結構面白かった。

 もっとも、シナリオ担当のスティーヴン・マエダによれば、まず念頭に「寝たきりで意思の疎通にも困難が伴うキャラクター」というアイデアがあり、そこから発展させて「ゲストではなくメインキャラを寝たきりにさせる」→「ドゲットをその対象にする」→「その状況を成立させるためパラレル・ユニバース云々をひねり出した」ということだった模様である。もう一つの世界云々というテーマが、実は後付けのアイデアである、という事には驚かされた。

 今回の話は、謎解き要素の面白さもさることながら、レイエスのドゲットへの恋愛感情が多々垣間見えるエピソードとなった。レイエスが病床のドゲットの髭を剃るシーンや、泣きながら生命維持装置を止めるシーン、戻ってきたドゲットを抱きしめるシーン、等、印象的なシーンが目白押しだった。


一言メモ

 番組のオープニングで、通常は「THE TRUTH IS OUT THERE」(真実はそこにある)と表示されるところが、今回は文章を丸ごと裏返した鏡文字になっていました。これは今回のテーマであるパラレル・ユニバースを暗示しているそうです。

 またサブタイトルの「4-D」とは、表向きはルケシュの住んでいる部屋番号ですが、「四次元」という意味も含んでいる様です。まあ今回のエピソードに四次元はほぼ関係ありませんでしたが……


シーズン9の他のエピソードのあらすじ・感想はこちら

「X-ファイル シーズン9」あらすじ・感想まとめ