【経済学】感想:NHK番組「ドキュランドへ ようこそ!」『みんなのための資本論』

図解 ピケティ入門 いちばんやさしい『21世紀の資本』の読み方

ドキュランドへ ようこそ! http://www4.nhk.or.jp/P4471/
放送 NHK Eテレ。2018年1月4日(木) 22:00~22:45。

【※以下ネタバレ】
 

みんなのための資本論 (2018年1月4日(木)放送)

 

内容

1月4日木曜
NHKEテレ1 午後10時00分~ 午後10時45分
「みんなのための資本論


アメリカが人類史上例をみない格差社会であることを、気鋭の経済学者がわかりやすく解説。貧富の差が拡大し続ける社会のあり方に一石を投じる、もうひとつの“白熱教室”。


ビル・クリントン大統領時代に労働長官を務めた経済学者のロバート・ライシュが、カリフォルニア大学で行った授業をもとに制作されたドキュメンタリー。トマ・ピケティらの研究を引用しつつ、格差社会に至った原因を明らかにしていく。「経済を動かす中間層が激減したために消費が減退し、政府が負債を抱える悪循環が起きている」などと指摘し、“弱者を守る”という信念から現代アメリカ社会に一石を投じる。

 
 2013年制作のドキュメンタリー。経済学者ロバート・ライシュの学生たち向けの講義を撮影したもの。


 アメリカは富裕層とその他の格差がとてつもなく広がっている。この傾向は1970年代末から始まった。グローバル化でアメリカの労働者の仕事が減った。グローバル化は「仕事を奪った」というより「賃金を低下させた」。また会社の経営者たちは、同じ時期に、会社の競争力を高めるため、労働組合を徹底的に弾圧した。

 そのため、1970年代末以降、アメリカのGDPは上昇し続けているのに、中間層の所得は上がらないどころか低下した。その分のお金は経営者たちが総取りしている。

 中間層は所得の低下に対応するため、三つの対応をした。まず「夫の稼ぎだけでは足りないので、女性も働くようになった」。女性が社会に進出したのは男女の平等とかいうきれいごとではなく、夫の稼ぎだけでは食っていけなくなったから。

 それでも足りないので「2 長時間働くことにした」。早朝勤務、深夜勤務、長時間労働。それでも足りないので「3 借金した」。住宅価格が上がり続けていることを利用して、ローンの借り換えとかで対応して借金した。しかしこの方法も2008年のリーマンショックでとれなくなった。

 貧富の格差が大きくなりすぎると、民主主義さえ危うくなる。金持ちが自分に都合の良い候補者を金の力で大統領につかせかねないから。


 みんなはこの格差をどうにかするように努力してほしい云々。

感想

 ためになると同時に、見ていて暗い気持ちになる番組でした……、

 まあ最後に学生たちに向けて「歴史を見れば世の中は社会保障とか公民権とか投票権とかいい方向に進んできているから、みんなも希望を失わずに努力してくれ」とかいう言葉で締めくくっているのでちょいと救われました。
 
 
まんがでわかるピケティの「21世紀の資本」 (まんがでわかるシリーズ)