ゲーム感想「逆転裁判3(DS版)」

 ようやく3作目をクリアしましたので、軽く感想など書いてみます。色々と言いたいことも有りましたが・・・、やっぱり逆転裁判は面白いや。

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■タイトル等

・タイトル =逆転裁判3 Best Price!
・メーカー =CAPCOM
・機種   =ニンテンドーDS
・ジャンル =アドベンチャー
・発売日  =2007年 8月24日
・プレイ時間=30時間00分

■簡単紹介

 依頼人を救うため、真実を見つけ出せ! スリリングな法廷シーンがウリの推理アドベンチャー第3弾。

■ゲーム豆知識

・2004年にゲームボーイアドバンスで発売されたタイトル「逆転裁判3」をニンテンドーDSに移植した作品。
・ゲーム内容に変更は無し。

■粗筋

 前作(逆転裁判2)から一年後。主人公の弁護士「成歩堂 龍一(なるほどう・りゅういち)」は若手実力派として知られるようになってきていた。しかし今度は成歩堂の師匠「綾里千尋」が扱った事件が現在に蘇り・・・

 シナリオは全5話。過去と現在が交錯しながら最終シナリオになだれ込む今までに無い構成です。

■紹介

 推理アドベンチャーゲーム。特に「法廷で絶対的に不利な状況から依頼人の無実を証明し、さらに真犯人を暴き出して大逆転勝利を収める」という法廷物特有のスリリングさ・爽快感を味あわせることに特化した作品です。

 プレイヤーは弁護士となって、毎回毎回殆ど勝ち目のない裁判の依頼を受けます。その後、裁判の前に、関係者に会って物的証拠や証言を集め、事件の状況を確認します(探偵パート)。続いて、本番の「法廷パート」では、証人の証言を綿密にチェックし、手元の手がかりと比較し、矛盾する個所を見つけては「異議有り!」と叫びながらその個所を指摘するのです。

 その矛盾の理由は、証人の思い違い・悪意の嘘・その他様々ですが、とにかく何らかの理由で真実が覆い隠されています。主人公(プレイヤー)は、先も見通しもないままに、とにかくその場しのぎで「異議有り!」を連発しながらも霧を払って真実を少しずつ見つけ出し、最終的に隠されていた事件の全容や真犯人を明らかにするのです。

 法廷パートで、テンポの良い曲・決めポーズと共に『これこれの証拠は矛盾しているから、依頼人に犯行が出来たはずはありません!』『ああっ!?』というノリのやり取りが連発され、事件の様相が二転三転する有様は、たまらない物があります。しかも、その矛盾点はプレイヤー自身が頭を絞って見つけ出したのですから、気持ちよさは格別です。

 かなりデフォルメした設定になっており、「仮面をつけた本名不明の検事が堂々と仕事をしている」「傍聴人が裁判に乱入してくる」等、ムチャクチャな点も有りますが、そういう荒唐無稽な部分を差し引いても推理物として根本はしっかりしており、本格推理好きの方でも十分堪能できる作品です。

■ゲーム感想

(1)まずは良い所

 システムは「2」と全く同じですが、シナリオは過去と現在を絡め、全てのシナリオで一つの流れを作るなど工夫が見られます。

 また法廷パートで矛盾点が見付かり、音楽がいきなりアップテンポになり、裁判の流れがはっきりと変わるあの瞬間の鳥肌が立つような感覚は相変わらず健在でした。


(2)気になったところ

 まず、第3話「逆転のレシピ」は素直さに欠ける無理な展開だと感じました。設定を生かしきっておらず、また出てきただけという感じのキャラが多く、トリックも強引過ぎるという気がします。1〜3作目全てを通しても一番質が低い気がします。

 さらに問題だと思うのは、最終シナリオ=第5話「華麗なる逆転」です。最大のボリュームを持ち、同時に「3」の総決算となるシナリオですが、推理物としては認めにくいものがあります。使用されているトリックが<反則>すれすれ(もしくは完璧にNG)なのです。

 さて、これを「反則」ととるか、もしくは「有り」と考えるかは、実に微妙な線なので評価が難しいところですが、そもそも『相手が嘘をついていることが解る勾玉』とか『仮面をつけて仕事をする検事』とかいう仰天設定満載のゲームだけに、ここだけガチガチに「反則だ」というのも野暮かもしれませんね。


(3)最終的な感想

 1作目にはやや劣りますが、それでも十分に堪能できるゲームでした。成歩堂の師匠・千尋の関わった事件をメインテーマにして、成歩堂の千尋超えを描く、という辺り『完結編』と呼んでふさわしい内容だったと思います。

■まとめ

 評価=(10点評価で)9点。

 1作目が(DS版で追加された第5話「蘇る逆転」も含め)神がかり的出来栄えだったため、それと比べると評価はいささか辛目ですが、ゲームとしては一級品です。推理物好きなら絶対プレイしてほしいですね。