感想:少女漫画誌「プリンセスGOLD(ゴールド)2014年5月号」(2014年4月16日発売)


 発売日:2014年4月16日(毎月16日発売)
(※以下、雑誌の内容に触れていますのでご注意ください)

秋田書店プリンセスゴールド
http://www.akitashoten.co.jp/princessgold

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となりのロボット 西UKO

 隔月連載の#6。チカちゃんがアンドロイド娘のヒロちゃん(正式名プラハ)に自分を全部見せてあげる云々と言って、自室につれてくると、ヒロちゃんに目隠ししてから下着姿になって体を触らせてあげます(そのままでは研究所の人にも映像を見られてしまうので目隠し)。チカちゃん的にはわりと軽い気持ちでやったのですが、プラハを管理している研究所のほうは大混乱。プラハが研究施設にハッキングを仕掛けて来て、手で触ったデータを3Dモデリングし始めたのです。しかもプラハはその活動に注力するため、自分で自分に必要の無いと思うその他の機能を次々と停止させて行くというまさかの行動をとります。研究所はこのまま見守るべきかシャットダウンすべきか散々迷った末、チカちゃんの家に友だちの親という設定で訪問し、ブラハを回収していきました。


 今回の展開が凄すぎて圧倒されました。今までは「女子高生とアンドロイドの擬似百合」みたいな微笑ましい漫画だったのですが、そして今回もストーリー的にはそうなのですが、展開される内容がちょっとしたSFです。

 プラハがチカのデータを記録しようと研究所にハッキングを仕掛けて、研究所が軽いパニックに陥る様の描写。またプラハが「触覚のためのメモリを確保するため、現在不要な機能を自己権限で停止させる」という展開(開発者には想定外の行動)。また停止させた機能の中に「擬似的な脈拍の発生機能」が有った、というリアリティ。さらに、過去の開発者たちの回想として、プラハが人ごみの中でいかがわしい事をされていた(スカートに何か付いていた……、これ以上語ると下品なので書きません)という話。

 今まで単なる百合漫画だと思っていたので、今回思いっきりSFサイドに振った展開に意表を付かれました。アンドロイド云々の設定が適当な思い付きでは無く、ストーリーの中にきちんとSFとして生かされていて、ホントに驚いた。ということで、この作品はますます評価が高くなりました。ショート漫画ですがプリンセスゴールドの中では一番注目ですね。

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