感想:NHK番組:「NHKスペシャル」『ネクストワールド 私たちの未来』第1回「未来はどこまで予測できるのか」(2015年1月3日(土)放送)


 NHK総合での視聴です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

NHKスペシャル|ネクストワールド 私たちの未来第1回未来はどこまで予測できるのか
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2015/0103/index.html

2015年1月3日(土) 午後7時30分〜8時43分

>NHKスペシャルの新シリーズ「ネクストワールド 私たちの未来」では、5回に渡って、ビジネス、医療、娯楽などの分野で日々出現する新たなテクノロジーをかみ砕き、私たちの生活をどのように変えていくのかを探っていく。

>番組は、世界の科学者などへの広範なドキュメント取材とその研究を裏付けとした近未来ドラマで構成する。>これから起こる21世紀の圧倒的な変化をおびえるのではなく、楽しみ、準備するためのエキサイティングなシリーズ番組である。

第1回 未来はどこまで予測できるのか

>コンピューターの計算能力の爆発的な発達で、未来予測の精度は飛躍的に高まり、 仕事から消費行動、犯罪の防止、さらには人生の進路まで、選択肢が提示される社会が到来しつつある。

>ヒット曲予測システムが選んだ無名の女性歌手の夢と不安、人生の伴侶探しのシステムを頼り、88回目のデートを重ね理想の伴侶と出会えた男性の喜び、自分の希望とは違う、人生の進路予測システムの出した指示と葛藤する学生などを取材していく。

>未来予測がビジネスのツールとしてだけでなく、個人の生活にも入り込んだ時、私たちは、幸福のために、どう使っていけばいいのか。

>近未来ドラマでは、神木隆之介が2045年の若者・清斗を演じる。
>知能端末を身につけ、すべての行動は人工知能の未来予測に従って生きている。そんな生活にストレスを感じた清斗はある日、一切の端末を捨てる決心をした。自分の心のままに生きていこうとする清斗。恋い焦がれた女性に告白をするが、思わぬ結末が待っていた・・・。


>【番組ナビゲーター・ドラマ出演】神木隆之介

■内容

・ドラマパート

 2045年の世界はこうなっている、という様子をドラマ仕立てで描く。人間はみんな人工知能がはじき出す未来の予測にべったり頼り切っていて、もう自分の頭では何も考えていない状態。また恐ろしい監視社会と化していて、個人の家の中でも家族が喧嘩をすると、すぐそれが人工知能で異常事態と判断され警察に通報される。また個人の将来も保険会社のソフトとかで予測できるので、「もうお父さんは出世できない」とか解ってしまうとか。


・現実パート

 人工知能の進化が物凄くて、今では「今日犯罪が発生しそうな地域を予測して、警官に教える」とが「新曲の中からヒットしそうなものを選び出す」とか、既に実用レベルで使われている。また弁護士用の資料選びも人工知能が行い、ヒラ弁護士たちはその資料を再確認するだけ。将来生き残れるのはその資料を使う立場の上級の弁護士のみで、ヒラ弁護士たちはもう首になるのでは、と予想。同様に、将来、相当数の職種が人工知能に取って代わられそう。

 またあらゆる機器の中にネットと繋がる小型コンビューターを埋め込み、何でもかんでも情報を取得して人工知能に流し込む、という試みが始まっている。膨大なデータが集まればより未来予測が確かになる。また会社用にマイクで人間の会話を記録して、「誰と誰がどのくらい有用な会話をしている」とか分析している。


 人工知能が進化する中、人間も進化しないとね。



■感想

 ドラマパートは、さすがNHKというべきか、煽りが物凄い。ある程度現実をベースにした予測であるにしても、なんというか「最近の若い連中は本を読まずにネットばかり見やがってダメだな」とか「最近の連中は携帯端末ばかり使ってダメだな」とかいう、NHK的不満を思いっきりドラマに流し込んでみました、という感じでした。主人公とその姉は、もう人工知能に頼り切って自分の意思がまるでない操り人形状態なのですが、これはNHKからの「スマホとかいじっている連中は、要するにこの姉弟みたいにアホなんだよwww」という、主義主張を込めたメッセージだと見ました。


 現実パートは……、いやー、人工知能凄いよね。もう犯罪が予測できるって「マイノリティレポート」の世界。我々は既にSFの世界に生きていたのか。


 ということで、いささかNHK的偏向(?)が有ったにせよ、面白い番組では有りました。