感想:NHK番組「コズミック フロント」「驚異の大宇宙スペシャル 〜とっておきの1本編〜」(2015年3月26日(木)放送)


 NHK番組「コズミック フロント」の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■コズミック フロント | NHK宇宙チャンネル
http://www.nhk.or.jp/space/program/cosmic.html

 NHK BSプレミアムでの視聴です(放送時間 22:00〜22:59)。

驚異の大宇宙スペシャル 〜とっておきの1本編〜


■概要

>3月26日(木)午後10時00分〜
>BSプレミアムで2011年から放送してきたコズミックフロント。本格的宇宙番組として、放送本数は100本を超え、太陽系から銀河系、さらには宇宙開発から宇宙論まで、あらゆる宇宙の魅力を伝えてきた。そこで最終回は「驚異の大宇宙スペシャル」と題して2本シリーズでたっぷり、2時間、宇宙の魅力を伝える。

 最終回スペシャル前半。「とっておきの1本編」と題して、2012年4月12日の放送「マゼラン雲の正体を探れ」を再放送。

http://www.nhk.or.jp/space/program/cosmic_120412.html
>2012年4月12日の放送
>「マゼラン雲の正体を探れ」
>南半球の夜空に輝く天空の雲「マゼラン雲」は、見かけの大きさが満月20個分という巨大な天体だ。人類は百年以上にわたって、マゼラン雲の正体を追い続けてきた。21世紀に入り南半球の巨大望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡での観測により、マゼラン雲の星々の一粒一粒まで鮮明に捉えられるようになり、ついに驚きの正体が明らかになる。そして遙か130億年前の宇宙誕生まもない時代の謎を解く鍵だとわかった。研究最前線に密着。


■内容

 大小マゼラン雲は16世紀にマゼランが航海の目印にしたことで有名。しかしマゼラン雲が何なのかは長い間謎だった。1830年代、イギリスの天文学者ハーシェルは、マゼラン雲は銀河系の外にある別の銀河だと考えたが、それを実証する方法は無かった。20世紀前半にようやく銀河系から20万光年も離れた別銀河だと確認された。ハップルはマゼラン雲は銀河系の周囲を巡る「衛星銀河」だと考えた。


 マゼラン雲は100万光年もある長いガスの尾を引きずっている。これを「マゼラニックストリーム」と呼ぶ。


 研究者がマゼラン雲の移動速度を調べたところ、時速130万キロと、銀河系の周囲を巡っているにしては早すぎることを突き止めた。つまりマゼラン雲は銀河系の「衛星銀河」などではなく、たまたま今近くを通り過ぎている赤の他人(?)銀河だったのである。


 マゼラン雲の中には、太陽の300倍の大きさを持つ青い恒星が存在している。これほどのサイズの恒星は銀河系内には無い。そして130億光年離れた銀河内にはそういう恒星が見つかっている。130億光年離れた銀河は130億年前、宇宙誕生初期の姿を見せている。その頃、宇宙には青い恒星しかなく、銀河も小さいものばかりだった、と考えられている。そういった小型の銀河が合体していくことで大きな銀河になって行ったはずである。つまりマゼラン雲は、宇宙誕生初期の姿をとどめている珍しい銀河なのである。


■感想

 「コズミックフロントが最終回」と知られてえ゛え゛〜でしたが、すぐに「4月からコズミックフロントNEXTが始まります」と聞いて安堵するやら笑うやら。


 そして今回もためになったなぁ、ホント。マゼラン星雲は銀河系のお供だとばかり思っていたら、赤の他人でしかも宇宙誕生初期そのままの貴重な銀河だったとは。