感想:アニメ「すべてがFになる THE PERFECT INSIDER」第9話:ラスト3話でようやく推理物らしくオチをつける気になったらしい


関連サイト→ TVアニメ「すべてがFになる THE PERFECT INSIDER」
※放送 フジテレビ系。全11話。
【※以下ネタバレ】

第9話 『第九章 黄色の死角』 (2015年12月3日(木)放送)

■あらすじ

犀川・萌絵サイド

 警察が島に到着し、捜査を開始した。警察に四季の死を一週間隠蔽するという計画は無理が有り、すぐに事件の状況は警察に知られてしまう。


 犀川と萌絵は、ついに犯人が密室に入った方法に到達する。犯人は15年前、四季と一緒に部屋に入ったのだと。15年前、14歳の四季が研究室に閉じこもったとき、おそらく四季は妊娠していた。四季はその後誰も知られずにその子供、間違いなく娘を出産して一人で育てた。そして、その娘が四季を殺したのだ。しかしどうやって誰にも見られずに部屋から出たのか方法は解らなかった。


 犀川は事件発覚時までの監視カメラの映像データを調べ、データに抜けも重複もなかった事を確認する。しかしその後、システム全体を調べなおし、研究所のシステム全体の時間設定が実際より1分遅くなっていた事を突き止める。犯人は犯行時刻、システムの時間を一分遅らせ、そうすることで犯行時刻の映像データ1分分が上書き保存されて消えるようにした。これが映像に犯人が写っていなかった理由だった。


 犀川は島田にレッドマジックのソースコードを調べてもらい、時間に関する2バイト変数が仕込まれている事を知る。事件が起きた時刻から遡る事65535時間前は、レッドマジック Ver4が起動した時間だった。


 犀川は犯人に自白させるといって誰かに連絡を取る。それに返事をしたのは死んだはずの四季だった。


脚本:渡辺雄介


すべてがFになる (講談社文庫)

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■感想

 評価は○。


 事件発生以後、犀川と萌絵は推理もせずにさんざんムダトークで時間を潰しまくってきたが、やっと事件の謎解きにとりかかってくれて、今回はそれなりに満足。四季に子供がいたという推理の辺りはぞわっと来た。


 やればできるのだから、最初からこういう推理物らしい話で作っていれば良いものを、今までの引き伸ばしはなんだったのか、といいたいところだが、事情は想像が付く。小説1冊の内容を全11話のアニメにする時点で、企画にムリが有ったのだと(笑) まともに謎解きをしたら尺があまるから、萌絵の犀川へのちょっかいで時間稼ぎをするしかなかったと。まあ別に同情はしないが。


 ところでプロは「つーばいと」と発音するのだな。今まで「にばいと」と呼んでいたのだが。


■一言メモ

 1バイト=8ビット=8桁。1バイトで表現可能な範囲は、2進数で書けば 00000000〜 11111111。10進数で書けば 0〜255。16進数で書けば「FF」。2バイトならはその256倍だから、10進数で 0〜65535。犀川が萌絵に「65535時間」云々と質問していた理由がこれ。ちなみに、65535を16進数で書けば「FFFF」。おっと「すべてがFにな」っているじゃないか?




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