感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第119話(シーズン5 第14話)「手下たち」

スパイ大作戦 シーズン5<トク選BOX> [DVD]

スパイ大作戦BSジャパン http://www.bs-j.co.jp/missionimpossible/
スパイ大作戦 パラマウント http://paramount.nbcuni.co.jp/spy-daisakusen/
放送 BSジャパン

【※以下ネタバレ】
 
シーズン5(105~127話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン5」あらすじ・感想まとめ

 

第119話 手下たち Cat's Paw (シーズン5 第15話)

 

あらすじ

バーニー(グレッグ・モリス)の兄が悪徳署長と犯罪組織に殺されてしまう。バーニーは復讐を胸に誓い、自ら組織に潜入。チームの力を借りて署長の悪行を暴き、犯罪組織をつぶしにかかる。

※DVD版のタイトルは「黒い犯罪組織」。


【今回の指令】
 無し


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、パリス、ダナ、バーニー、ウィリー
 ゲスト:無し


【作戦の舞台】
 アメリカ国内・サウンドバーク


【作戦】
 サウンドバークでは、黒人ギャング組織が進出してきて、警察署長を買収してのさばっていた。地元で新聞を発行するバーニーの兄のローレンスは、検事の依頼で署長と組織のつながりの証拠を見つけようとしていたが、バーニーの目の前で爆弾により殺されてしまう。復讐に燃えるバーニーに対し、フェルプスたちは協力を申し出る。

 ギャングのボスのコーリーは、表向きは保険会社の社長としてふるまっていた。IMFは、まずウィリーがコーリーの秘書のミリーの財布をひったくり、そこに通りがかったバーニーがミリーを助ける、という芝居をしてミリーに近づく。コーリーは、偽造されたバーニーの経歴を見て、会計士の資格を持つ前科者と信じ込み、雇い入れることにした。

 一方、フェルプスは警察署長のアボットに近づき、コーリーと対立する組織の一員という設定で、自分たちの側についてくれと申し出るが、アボットは拒否する。

 パリスとダナは、コーリーの部下の会計士ガースンが妻の死後交霊会に傾倒していることを利用し、同じ会に潜り込み、ダナにガースンの妻の霊魂が降りてきたふりをする。ダナはガースンに、コーリーはガースンを殺そうとしているので、何か秘密を盗み出して身を守れとアドバイスする。それを聞いたガースンは、会計士のバーニーが来たのは自分を殺したあとの準備だったに違いないと納得する。そして夜中に会社に忍び込み、コンピューターから秘密の会計データを印刷して持ち出す。

 フェルプスたちは会社の外でガースンを待ち構えていて、ガースンを捕まえた後、アボット署長を呼び出す。そして秘密データを見せて、コーリーはアボットに内緒でスイス銀行に金をため込んでいると教えてやり、それを聞いたアボット署長はコーリーと手を切ってフェルプスたちの組織に乗り換えることを決める。フェルプスはコーリーの部下の殺し屋にも、コーリーを殺せば次はお前をこの街のボスにしてやる、とそそのかす。

 アボットはコーリーに「ガースンが検事局に駆け込んだ」と嘘を伝え、慌ててコーリーは会社に戻ってバーニーと一緒にデータを調べ始める。そこに殺し屋がやってきて二人を殺そうとするが、さらにそこにミリーがやってきてバーニーは助けてくれという。その間に隠れていたウィリーが殺し屋を麻酔銃で眠らせ、バーニーは自分が殴って気絶させたようにふるまう。

 バーニーはコーリーに、高跳びの準備ができるまでどこかに隠れるように提案し、コーリーは慌てて会社を飛び出す。そこに警察官のふりをしたフェルプスとパリスが現れ、コーリーを捕まえる。フェルプスはコーリーをアボット署長の警察署に連れて行こうというと、コーリーはそんなことをされたらアボットに殺されてしまうと慌て、検事局に連れて行ってくれと頼み込む。

 ミリーは全てバーニーたちが仕組んだ事だったと気が付きバーニーを非難するが、バーニーは兄がコーリー一味に殺されたと明かす。そしてミリーは自分の命乞いをしてくれた恩が有るので、警察には突き出さないという。最後、バーニーは検事を訪ね、コーリーとアボットが起訴されると聞き、満足して車で立ち去る。


監督: ヴァージル・W・ヴォーゲル
脚本: ハワード・ブラウン


感想

 評価は○。

 第五シーズンでお馴染みの「テープの指令が無い」話で、さらにバーニーの兄が殺される展開から始まるというエピソードだったので、てっきりバーニーが私的な復讐に走る、またしてものサスペンス系の話かと思って、、序盤はうんざりしていた。しかし変則的だったのはそこまでで、それ以降は「IMFがギャングと警察署長の癒着を暴き、当局に証拠を突き出す」といういつも通りの作戦が展開されたため、全体的にはそこそこ面白かった。

 作戦内容は、いつものように「計略で敵の間に仲たがいを起こさせ自滅にもっていく」という、IMFの大得意とする物で、話のスケールはかなり小さかったものの、まあそれなりには楽しめた。

 中盤の、ウィリーが苦労してギャングの金庫を開けた後、中から何かを盗み出すのではなく、逆に札束を置いて出ていくという展開に首をひねらされたが、それが「帳簿と実際の現金の額に差を作り、会計士の信用を無くすための計略」と後から解った時にはニヤリとさせられた。こういう、最初は何をしているかわからないが、後からIMFの意図が解って驚かされる、というのはパイ大作戦の醍醐味なので、この手のシーンが見られるのは実に嬉しい。

 また妻の死後心霊関係にはまってしまっている会計士を騙すため、ダナが会計士の妻の霊が降りてきたふりをして、会計士を上手くコントロールしてしまう、というあたりも、この番組ならではの展開で楽しかった。

 今回はバーニー主役回で、冒頭の兄のやり取りから始まり、ミリーを騙してギャング組織に入り込む展開や、最後のミリーとの別れのシーンなど、見どころいっぱいだった。かつての裏方時代からは考えられないような出番の多さで、第五シーズンからの番組の方向転換は、少なくともバーニー役グレッグ・モリスにはプラスだったようである。

 今回のエピソードは、ギャングのボスのコーリーと、警察署長アボットの力関係がいまいちよく解らなかった。普通に考えると、アボット署長はコーリーに買収されて悪事を見逃している共犯関係と思えるのだが、終盤、アポット署長は、コーリーがスイス銀行に口座を持っていると聞くとコーリーを切り捨てる判断を下す。これではまるでアボット署長がコーリーから上納を受けているボスで、部下の隠し口座を許さないと怒ったように見えてしまう。ということで、この辺りはいささかひっかかったが、最終的に二人とも司法の手に落ちたので、深く気にしないことにする。

 今回のサブタイトルの原題「Cat's Paw」とは「手先に使われる人」の意味だが、いったい誰の事を指しているのかイマイチ理解できない。


参考:今回の指令の入手方法

 無し。

参考:指令内容

 無し。
 
 

シーズン5(105~127話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

perry-r.hatenablog.com