昨年(2018年)12月に国際通信社から発売されたボードゲーム「超人ロック」の小ネタです。しかも元ネタは30年前のパソコン通信だったりする(笑)
●「超人ロック」とはこんなゲーム
http://www.kokusaig.co.jp/LOCKE/
『超人ロック』は、同名のコミックに基づくマルチ・プレイヤーズ・ゲームです。プレイヤーは、超人ロックの世界に登場するキャラクターの1人となり、ゲームに参加します。
宇宙のどこかに秘密基地を持ち、陰謀を企む悪人たち(Evil)に対し、ロックをはじめとするGoodのキャラクターたちは、基地を見つけ出すため各惑星を捜索します。所在が判明すれば、ロックたちは基地に乗り込み破壊しようとしますが、もちろんEvilたちも黙っているはずはなく、Goodたちを倒して陰謀を達成しようとします。しかし、中には状況次第で敵にも味方にもなる、Specialというキャラクターもいるのです。
さらに注意すべきは、超人ロックの世界では、各キャラクターがマトリクス変換により変身していること! 共に基地を探索してきた仲間がEvilだったり、基地で待ち受けていたのが実はスパイとして潜り込んでいたロックだったり。プレイするたびに新たなストーリーが生まれます!!
という感じで超人ロックファンにはたまらない作品。元々は1984年にエポック社が、劇場版アニメ「魔女の世紀」とタイミングを合わせて発売したゲームでしたが、すぐに絶版になってしまい、長い間(30年近く)幻の作品となっていました。この度の国際通信社からの発売に涙を流して喜んだ古参ゲーマーも多かったのでは?
●ストロハイム大佐
このゲームはロック世界のキャラクターが数多くカード化されており、善(GOOD)・悪(EVIL)・その他(SPECIAL)の三勢力に別れています。善と悪は対立しており、互いをぶっ潰すのが目的ですが、面白い位置づけなのがスペシャルのキャラクター。彼らは善と悪との対立とは全く関係の無い独自の目標を追求しています。
そんなスペシャル属性キャラの一人がストロハイム大佐。ロックファンならご存じでしょうが、初期作品「ロンウォールの嵐」では特殊部隊ヘル・ダイバーの指揮官で、続編「冬の惑星」では半分廃人化していて戦闘ロボット・ニケを操ってロックに戦いを仕掛けてきます。そんな原作を反映して、ゲームではストロハイムの目的は「超人ロックを一人で倒す事」となっています。
●超人ストロハイム
さて、その昔パソコン通信という「個人・企業が運営するネット掲示板」のようなサービスが有ったのですが、そのうち富士通が運営していたニフティサーブというサービスに「FGAME」という、今でいうところのテーブルゲームを扱うフォーラム(掲示板グループの一つと認識してもらえば……)が有りました。
そこで超人ロックを扱った書き込みが有りまして、そのログ(1989年)を印刷したものを本棚から発掘に成功いたました。エライ、捨ててなかった自分をほめてあげたい。そこにはゲーム「超人ロック」の特殊な「定石」が記されていました……
ストロハイムはニケを使えるので戦闘ではほぼ無敵の超強力なキャラクターとなっています。そして敵になるのはロックだけなので、ロック以外のキャラクターはストロハイムと交渉する余地が有ります。
あるプレイでは、善のキャラクターたちが、味方の超人ロックが今一つ頼りないと見切りをつけ、自分たちはロックでは無いと明かしたうえで、ストロハイムにロックを差し出します(酷い(笑))。そして、そのあと協力の見返りにストロハイムに善キャラクターの用心棒をやってもらいました。ストロハイムのすさまじい戦闘能力により宇宙から悪は消滅しました。善キャラクターたちは感謝の気持ちを込め、ストロハイムをこう呼んだそうです。「超人ストロハイム」と(笑)
なんというか、1980年代らしいエピソードですね(笑)