【映画】感想:映画「ゴジラ FINAL WARS」(2004年:日本)

ゴジラ ファイナル ウォーズ <東宝Blu-ray名作セレクション>

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放送 BS日テレ。2019年5月12日(日)

【※以下ネタバレ】
 

■『ゴジラ FINAL WARS
BS日テレ 5月12日(日)20:30~22:54


「あずみ」の北村龍平監督がメガホンをとった「ゴジラ」シリーズ28作目にして最終作。特殊能力を持つ超人類と宇宙から来たX星人、そしてゴジラが三つ巴の闘いを展開する。20XX年、度重なる戦争や科学技術の反動で、人類は多数の巨大怪獣を呼び覚ましてしまう。超人類=ミュータントから編成された地球防衛軍が怪獣と闘う中、宇宙からX星人がやって来る。怪獣たちを消滅させ友好的なX星人だが、その目的は地球の支配だった・・・

 

あらすじ

 近未来。人間による環境破壊の影響で、古代の怪獣が次々と蘇った。人類は互いに争っている場合ではなくなり、大同団結して「地球防衛軍」を設立、怪獣との戦いに当たることとなった。また同じころ、人類の間に超人的戦闘力を持つ新人類・ミュータントが出現するようになり、地球防衛軍はミュータントによる特殊部隊「M機関」を設立していた。

 怪獣の中でも人類最大の敵は、1954年以降何度も出現したゴジラだったが、地球防衛軍は南極で飛行戦艦「轟天号」でゴジラと交戦、ゴジラを氷の中に閉じ込めることに成功した。


 ある時、未知の怪獣のミイラが発見され、ミュータントの尾崎はミイラの研究者の護衛を任される。ミイラは12000年前の、生物と機械を融合させたサイボーグ怪獣とでもいうべきものだったが、そんな太古に人類がサイボーグを作れるはずも無かった。また怪獣の肉体からは、ミュータントたちと共通する「M塩基」という物質が検出されていた。

 直後、尾崎たちの精神に、インファント島の小美人と名乗る存在が呼びかけてきて、サイボーグ怪獣「ガイガン」とモスラは12000年前に戦ったこと、またモスラは人類の味方であること、等を伝えてくる。


 やがて、世界中で怪獣が同時多発的に暴れ始め、人類はパニックに陥った。しかしUFOが怪獣を一瞬にして消し去り、さらに人類にコンタクトしてくる。UFOの乗員は「X星人」と名乗り、人類に友好を求めてくる。彼らは地球に「妖星ゴラス」が接近しており、このままでは地球に激突することを警告し、地球の軍事力を使って迎撃するように提案してくる。

 人類は友好的な宇宙人の出現に熱狂するが、尾崎たち一部の人間はX星人が何かしらうさん臭いと感じていた。やがて尾崎たちは彼らが地球の重要人物をX星人に入れ替えていることに気が付き、証拠を突きつける。するとX星人は本性を現し、地球人を家畜呼ばわりし、消滅を偽装していた怪獣たちと小型UFOを世界中に送り出して、地球を蹂躙していく。地球防衛軍の戦力は壊滅し、さらにM機関のミュータントも何故かX星人に操られ、人類の敵に回ってしまった。しかし何故か尾崎だけは正気のままだった。

 追い詰められた尾崎たちは、南極の氷の中のゴジラを復活させ、それをX星人にぶつけるという「オペレーション・ファイナルウォーズ」を実行するため、新・轟天号で南極に向かった。そして目論見通りゴジラを復活させ、新・轟天号を追わせて日本まで連れて行こうとする。

 X星人は未知の怪獣ゴジラに次々と手持ちの怪獣をぶつけていくが、ことごとく敗れ去った。そしてゴジラはついに日本に上陸し、新・轟天号X星人の巨大UFOに体当たりをかけるが、尾崎たちは結局捕虜になってしまう。X星人は種族の活力を維持するため、定期的に地球人からミトコンドリアを摂取する必要があり、そのため地球に飛来した。実はミュータントは太古の地球人とX星人の混血の末裔だった。そのために体内に「M塩基」を持ちX星人に操られてしまったのだった。

 X星人のボスは、自分や尾崎が「カイザー」と呼ばれる究極の存在だと明かし、尾崎に味方になるように言う。そして尾崎が拒否すると強引に洗脳してしまうが、尾崎は小美人が託したアイテムの力で正気を取り戻し、さらに一対一の対決でボスを倒す。ボスは尾崎も巻き添えにするため巨大UFOを自爆させようとするが、尾崎たちは無事脱出した。

 ゴジラX星人が宇宙から呼び寄せた究極の怪獣・モンスターXとの死闘を繰り広げていた。そこにモスラが現れ、新型ガイガンを蹴散らしゴジラを支援した。モンスターXはさらに真の姿・カイザーギドラへと変形し、ゴジラからエネルギーを吸い取り始める。しかし尾崎はゴジラにエネルギーを注入し、復活したゴジラはカイザーギドラを葬った。

 そしてゴジラは尾崎たちに襲い掛かろうとするが、そこにミニラが出現、怒りを収めたゴジラはミニラと共に海に帰っていった。


感想

 評価は○。

 いやー、これ面白かったわぁ~(笑) 巷の評価では凄いネガティブな話しか無くて、どんな酷い映画かと思っていたのですが、これ娯楽映画として一級品でした。

 何せ「カンフー映画(というか和風マトリックス)」+「古典的侵略SF」+「怪獣モノ」+「東宝特撮のオマージュ」のごった煮で、具材たっぷりの鍋状態。これで面白くない訳が無い(?)


 大体、私は1984年以降の「やり直しゴジラ」映画は、どれもこれも好きではなく、唯一、ホラーに振った「ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃」(2001年)がちょっとだけ良いかなぁと思う程度、ギャレンエドワーズ・ゴジラシン・ゴジラもさっぱり評価しとらんのですが……、これは良かった。

 方針として、ありきたりの怪獣映画を作ろうとしていなくて、「怪獣も出てくる娯楽映画」にしてしまった発想が良い。だいたい「人知を超えた神秘的な存在が出現し、人類に警告的な物を残して消える」というのは、もう初代の1954年ゴジラで完成していて、あれを超える作品なんてどうあがいても作れようが無いのだから、別の発想で行くしかない。そしてそれをやり切ってしまったので、見ていて笑いが込み上げてくるくらい楽しい映画になっていました。


 評価ポイントとしては以下の通りです。


・序盤から、「地球防衛軍」「海底軍艦」「妖星ゴラス」といったゴジラとは関係の無い筈の有名特撮映画の要素を次から次へとしれっとぶち込んでいるのが楽しいし、またゴジラ映画で有名な悪役「X星人」を再登場させるにあたり、ちゃんとサングラス着用なのも嬉しいところ。


・俳優の人選で、重要人物役として、宝田明水野久美佐原健二といった昭和怪獣映画で有名な人たちを登場させてくれて、昭和世代にはたまらんものが有りました。


・序盤は主人公の尾崎たちの格闘シーンがやたら長い事をいぶかしんでいたのですが、やがてこの映画が「実質カンフー映画」という事を理解したら、バカバカしいほどに派手なバトルシーンも楽しめるようになりました。ゴジラの名前を冠する映画なのに、クライマックスが主人公と悪のポスとのカンフーバトルって発想が今までのゴジラ映画に有ったろうか、いや有りはしない。


・怪獣映画で複数の怪獣が戦うと、悪い意味で「プロレス」呼ばわりされますが、この映画は完全にそのあたりを割り切って「怪獣プロレス映画」というか、アクション映画に仕上げていました。大体にしてガイガンとかが見栄を切るし、怪獣が高速ですれ違って互いに背中を向けた状態で止まるシーンとかあるし、野獣同士の争いではなく、知性のある怪人同士の戦いみたいな様相になっていましたが、これはこれで新鮮というかでしたよ。

 特にキングシーサーなんか、山を駆け上って勢いをつけておいて、体をひねりながらゴジラにとびかかってくる動き、プロレスの攻撃そのままなんですけど(笑) また強豪同士のマッチメイクを楽しむというのも、プロレスの楽しみ方そのままでしたしねぇ。

 「モンスターX」のデザインも怪獣というより「怪人」よりでしたし、バトルシーンも怪獣バトルという雰囲気では無かったですよねえ。まあ正体を現してカイザーギドラになったら、さすがに怪獣バトルになりましたけど。


・評価ポイントとは違いますが、2004年当時の格闘家がわらわら出てくるのが時代が感じられて楽しい。結構重要な役のゴードン大佐を演じたのは、総合格闘家/プロレスラーのドン・フライで、まさかこんなに出番が多い役とは思わなかった。また南極基地にいるお気楽コンビがK-1とかプライドで活躍したレイ・セフォーゲーリー・グッドリッジだったというのには笑ったなぁ。

 またプロレスラー→格闘家→プロレスラーの道をたどった船木が結構出番が多いんだ。船木がやった俳優の仕事、初めて見たぞ。


・オチが「ミニラと共に海に帰るゴジラ」という脱力系の昭和オチにしたのが最高というか。1984年以降のゴジラは、ミニラとかシェーをするゴジラというのは、忌むべき黒歴史というか忘れたい過去というかでしか無かったわけですが、それを堂々と持ち出してきてオチにするというセンスがもうね、他の作品とは一線を画しておりましたわ(笑)


 ということで、どんな駄作かと覚悟しながら見たら、実は意外にも痛快娯楽大作だったと(笑) いやー、歴史に埋もれていた一本を見てしまいましたが、こいつは掘り出しものでしたな。
 
 

出演者
松岡昌宏(尾崎真一)
菊川怜(音無美雪)
宝田明国連事務総長
ドン・フライ(ダグラス・ゴードン)
水野真紀(音無杏奈)
北村一輝(参謀/統制官)
ケイン・コスギ(風間勝範)、
伊武雅刀(司令官)
水野久美地球防衛軍・司令官)
船木誠勝(熊坂)、
國村隼(小室少佐)



監督・演出
【監督】北村龍平
制作
【製作年/国】2004年/日本



近未来20XX年。度重なる戦争と核実験、発達しすぎた科学の影響で、地球の環境は歪み、世界中で眠っていた怪獣たちを呼び覚ましてしまう。これに対抗するため人類は地球防衛軍を組織し、さらに特殊能力を持つ新人類“ミュータント”を集めたM機関を設立する。

ある日、北海道沖で巨大怪獣のミイラが見つかる。ミイラ調査のため、国連から分子科学者・音無美雪(菊川怜)が派遣され、護衛のためM機関の隊員・尾崎真一(松岡昌宏)が同行することに…。そして―NY、パリ、上海、シドニー、世界各地で同時に10体を超える怪獣たちが出現、世界中がパニック状態に陥る。地球防衛軍が出撃し対抗するも防戦一方に。さらに、国連事務総長(宝田明)を乗せた専用機が行方不明になってしまう。M機関も出撃となり、尾崎は自分と同様に特殊能力を持つミュータント・風間(ケイン・コスギ)らと共に、超人的身体能力を駆使して戦いを挑む。

その時突如、東京上空に巨大なUFOが出現!怪獣たちを光線により一瞬にして消滅させてしまう。UFOからは行方不明になっていた国連事務総長が姿を現し、X星人と名乗る異星人に助けてもらったのだと話す。それを機に世界はX星人との友好ムード一色となる。しかし、国連事務総長の様子に不自然さを覚えた尾崎と音無は、X星人に対する疑惑を抱き、美雪の姉で報道キャスターの杏奈(水野美紀)と協力し、彼らの正体を突き止めようとするのだが…。

 
 

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