【SF小説】感想「ゴルゲンゴルの鍵」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 588巻)(2019年3月6日発売)

ゴルゲンゴルの鍵 (宇宙英雄ローダン・シリーズ588)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150122202
ゴルゲンゴルの鍵 (宇宙英雄ローダン・シリーズ588) (日本語) 文庫 2019/3/6
H・G・エーヴェルス (著), 嶋田 洋一 (翻訳)
文庫: 255ページ
出版社: 早川書房 (2019/3/6)
発売日: 2019/3/6

【※以下ネタバレ】
 

ロワ・ダントンたちはミニ地球の住人を解放する準備を進めていたが、突然ヴィールスインペリウムに不具合が発生してしまった!


タウレクは四次元性の影チュトンとふたたび融合し、コスモクラートとしての本来の任務を思いだした。さらに変節者ヴィシュナを改心させることにも成功。ロワ・ダントンやデメテルらとともに、ヴィールスインペリウムの一部にされたミニ地球の住人たちを解放する準備をはじめる。ところが突然、ヴィールスインペリウムに不具合が発生した。その原因はどうやらルナのインポトロニクス、ネーサンにあるらしいのだが……

 

あらすじ

◇1175話 時間陥没(H・G・エーヴェルス)(訳者:嶋田 洋一)

 ヴィシュナは人類の同盟者となり、地球では人類をヴィーロチップから解放する作業が開始されていた。ところがヴィールスインペリウムに嫉妬したネーサンが作業に干渉したことで、ヴィールスインペリウムに異常が発生し、その結果地球各地で時間逆行現象「時間侵攻」が発生してしまう。瀕死のエラートは修道士の力でヴィールスの肉体を得て復活し、事態の解決に当たり、最終的にヴィールスインペリウムは正常に回復した。(時期:不明。NGZ427年4月頃)

※初出キーワード=シントロン、時間侵攻



◇1176話 ゴルゲンゴルの鍵(H・G・エーヴェルス)(訳者:嶋田 洋一)

 地球ではヴィーロチップに吸い込まれた人間たちが、志願者二万人を除いて正常に戻った。エラートのヴィールスの肉体は完全体となり、エラートは「メタモルファー」となった。直後、地球と月は太陽系の本来の位置へ帰還し、ヴィールスインペリウムは太陽系を囲む巨大なリングへと変化した。“それ”は地球の帰還を祝福するとともに、ローダンたちがM-82でセト=アポフィスに勝利したこと、人類には新たな使命が課せられたことを伝える。タウレクたちは、銀河イーストサイドの人工惑星「ゴルゲンゴル」を「鍵」で活性化し、発生した炎は無限アルマダが銀河系を目指す際の標識灯になるという。(時期:不明。NGZ427年4月頃)

※初出キーワード=メタモルファー、惑星ゴルゲンゴル、ゴルゲンゴルの鍵


あとがきにかえて

 ウィザードリィそっくりのスマホゲーム「ワンドロイド」をプレイしている話

感想

 前半エピソード … いきなりの番外編というか周り道というかの回で、ネーサンが余計なことをしたために、地球に時間の異常が発生してしまって大騒ぎ! という、あっても無くてもよさそうなエピソード。カビンサイクルのタケル人の人工生物だの紡錘形タイムマシンだの、ドルーフのアトランティス侵攻だの、懐かしネタが満載でしたが、こんな話が必要かという疑問が渦巻く話でした。


 後半エピソード … とにかく内容が盛りだくさんで、人類のヴィーロチップからの解放、地球と月の太陽系への帰還、“それ”の大歓迎、だけでも十分でしたが、さらに駆け込みで人工惑星ゴルゲンゴルの活性化まであって、もうおなか一杯という感じでした。ムード暗めのグレイの回廊エピソードがようやく終わって、“それ”の悪ふざけと共に新展開が始まって、なんとも楽しいムードのエピソードでした。
 
 
 

550巻~600巻(「無限アルマダ」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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