【映画】感想：映画「知りすぎていた男」(1956年:アメリカ）

NHK BSシネマ　http://www.nhk.or.jp/bscinema/
放送　NHK BSプレミアム。2020年6月10日(水)

【※以下ネタバレ】
　

国際的な陰謀に巻き込まれ、息子を誘拐されてしまったアメリカ人夫婦を描く、アルフレッド・ヒッチコック監督傑作サスペンス。主題歌「ケ・セラ・セラ」はあまりにも有名。

妻のジョーと息子の３人でモロッコを旅行中のアメリカ人の医師ベンは、フランス人の男と知り合うが、男は、某国の政治家がロンドンで暗殺されるとつぶやいて殺されてしまう。警察での事情聴取中、息子が誘拐されたことを知ったベンとジョーは、ロンドンへ向かうが…。国際的な陰謀に巻き込まれた家族を描く巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督の傑作サスペンス。アカデミー歌曲賞を受賞した「ケ・セラ・セラ」はあまりにも有名。

あらすじ

　アメリカ人医師ベン・マッケンナは、妻のジョー・息子のハンクと共に、モロッコを旅行中に、フランス人のルイ・ベルナールや、イギリス人のドレイトン夫妻と知り合う。ベン一家がドレイトン夫妻と市場を見物していると、現地人に変装したベルナールがナイフに刺された瀕死の状態で現れ、「ロンドンで政治家が暗殺される」と言い残して死んでしまう。

　ベンとジョーは事情聴取のため現地の警察に連れていかれ、ベルナールがスパイだった事を知らされる。同時に、ベンに何者からか電話が入り、聞いた事を誰かに話したら息子に危険が及ぶと脅迫される。そしてハンクを預けたドレイトン夫妻はいつの間にか姿をくらませていた。ベンは、ベルナールはある夫婦を探していて、その相手とはドレイトン夫妻であり、自分たちは誤解されていたこと、そしてベルナールが誤りに気が付いたため殺されたこと、に気が付く。

　ベンとジョーはロンドンに向かうが、到着早々事情を知る警察から協力を求められるものの、ハンクの命を優先し、話を断る。そしてベンはベルナールの言い残した「アンブローズ・チャペル」という相手を探して会いに行くが、全くの空振りに終わる。一方、ジョーは、ベルナールの言ったのは「アンブローズ礼拝堂（チャペル）」だと気が付く。

　二人が礼拝堂に行くと、そこにはドレイトン夫妻がいたが、彼らは暗殺者を某国首相が来ているアルバートホールに送り出していた。ジョーは警察を呼びに行き、ベンは残ってドレイトンたちに詰め寄るが失神させられる。やがて警察が来るが、令状が無いと踏み込めないと言い、ジョーは警察の幹部と話を付けるため、アルバートホールに向かい、そこで偶然モロッコで出会った男（暗殺者）と再会する。狙撃の瞬間ジョーが騒いだことで、暗殺は失敗に終わり、暗殺者は転落死する。

　警察は、暗殺の黒幕は某国大使たちと掴んでいたが、大使館には治外法権で踏み込めない。ジョーは首相を助けた功労者ということでベンと一緒に大使館に入り、ベンは息子のハンクを発見するが、ドレイトンに銃を突きつけられる。しかし隙を見てドレイトンを階段から突き落とし、ハンクを助けて一件落着。

感想

　評価は○。

　ヒッチコックの超有名映画、一般人が唐突に理不尽な命がけの状況に追い込まれてしまう、という「これこれ、ヒッチコック作品ってこうだよね」的映画（※あくまで個人の感想です）。

　まあ、悪くはないのですが、最初から45分頃までがモロッコ編で、そのあとロンドンに渡り、ここから夫妻が長くつらい戦いを始めるのだな、と覚悟していたら、あっという間に悪党ドレイトン夫妻と再会できて拍子抜け。しかも、ジョーの力で簡単に暗殺は阻止されるし、ドレイトンは素人に階段から突き落とされてあっさりKOされるし、と実に淡白。国際的陰謀の筈がど素人の夫妻に阻止されるって何なの？

　しかも、最後はベンが「息子を迎えに行ってました　END」と余韻もへったくれも無く終わるし、もう苦笑いでした。

　まあ60年前はこれで良かったんだろうなぁ、と時代の流れを感じる映画でした。
　
　

知りすぎていた男
BSプレミアム6月10日（水）午後1時00分～3時01分

【監督】
アルフレッド・ヒッチコック
【原作】
チャールズ・ベネット、Ｄ・Ｂ・ウィンダム・ルイス
【脚本】
ジョン・マイケル・ヘイズ
【撮影】
ロバート・バークス
【音楽】
バーナード・ハーマン
【出演】
ジェームズ・スチュワート、ドリス・デイ、ダニエル・ジェラン　ほか

製作国：
アメリカ
製作年：
1956
原題：
THE MAN WHO KNEW TOO MUCH
備考：
英語／字幕スーパー／カラー／レターボックス･サイズ

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