【映画】感想:映画「ダイヤルMを廻せ!」(1954年:アメリカ)

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NHK BSシネマ http://www.nhk.or.jp/bscinema/
放送 NHK BSプレミアム。2021年6月30日(水)

【※以下ネタバレ】
 

巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督がグレース・ケリーと初めて組んだ傑作サスペンス。浮気した妻を殺害しようとするものの思わぬ方向に進む犯罪計画をスリリングに描く。


巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督がグレース・ケリーと初めて組んだ傑作サスペンス。ロンドンのアパートで暮らすトニーとマーゴは、一見仲のよい夫婦だったが、関係は冷えきっていた。ある日、マーゴの浮気を知ったトニーは、妻を殺害する完全犯罪を企てるが、想定外の事態が発生、犯罪計画は思わぬ方向へ…。ブロードウェイの舞台劇を映画化、アパートの一室という閉ざされた空間を生かしたヒッチコック監督の演出がさえる。

 

あらすじ

 元テニス選手のトニー・ウェンディスは、妻マーゴが推理作家マーク・ハリディと浮気をしていることに気が付いていたが、マーゴの財産で暮らしているので自分から離婚する気は無かった。

 トニーは、大学時代の同窓生スワンを自宅に呼び寄せて、マーゴ殺害を依頼する。スワンは大学時代から盗みなどを働いており、今も借家の家賃を踏み倒しては住居を転々としている様な人物だった。トニーはスワンの最近の行動を調べ上げており、莫大な報酬を約束すると同時に、逆らえば警察に連絡すると脅してスワンを手なづける。

 トニーは、自分が夜パーティに出席している間に、スワンにマーゴを殺すように指示し、出かける前にマーゴのハンドバックに入っていた鍵を抜き取り、ドアの外の階段に隠しておく。夜。スワンはその鍵を見つけてドアを開けて侵入し、マーゴを絞殺しようとするが、マーゴは死に物狂いで反撃し、ハサミを突き刺してスワンを殺してしまう。

 トニーはマーゴ殺しが失敗したことを知り、慌てて家に戻ると、スワンのポケットから鍵を抜き取ってマーゴのハンドバックに戻し、またマーゴの浮気の証拠である手紙をスワンに持たせてから警察を呼ぶ。

 警察はスワンの持っていた手紙からマーゴがマークと浮気していたことを知り、マーゴがスワンにその事を脅迫され、家に呼び寄せて殺したと考える。そして裁判でマーゴは有罪となり、死刑を宣告される。


 マーゴの死刑の前日。マークはトニーを訪ね、マーゴを救うため、トニーに作り話を警察にしてほしいと頼む。その内容は、トニーがマーゴの浮気を知り、スワンにマーゴ殺しを依頼したものの、マーゴがトニーを殺してしまったというものだったが、当然トニーは取り合わない。


 そこに警察のハバード警部が現れ、最近トニーが大金を使っているので、大金が盗まれた強盗事件と関係無いか知らべに来たという。トニーは大金の入ったカバンを見せ、マーゴがスワンに支払うはずの金だったと大嘘を並べる。

 そのあとハバード警部はトニーのコートと自分の物をすり替え、トニーはそれに気が付かずに警察までマーゴの私物を受け取りに出かける。ハバード警部はコートの鍵を使ってトニーの部屋に入ると、そこにマークが現れ、さらに警官に付き添われたマーゴがやってきてハンドバッグの鍵で部屋に入ろうとするが鍵があわず入れない。

 ハバード警部はマーゴとマークに、マーゴのハンドバッグに入っていた鍵がマーゴ本人の物では無くスワンの物であると教える。ハバード警部は最近になってマーゴのハンドバッグの鍵で部屋に入れないことを知り、この鍵の入れ替わりに気が付いていた。そして推理を働かせ、トニーがスワンの死体から鍵を抜き取り、それをマーゴの物と勘違いしてマーゴのハンドバッグに戻したと考える。本物のマーゴの鍵は未だ階段に隠されたままになっていた。ハバード警部はマーゴを呼び寄せ階段の鍵について知らないことを確認したのだった。

 そのあとトニーは戻ってくるが、自分のコートに鍵がない事に気が付き、さらにマーゴのハンドバッグの鍵が会わないことに困惑する。そしてついに真相に気が付き、階段に隠してあった鍵を使って部屋に入るが、ハバード警部・マーゴ・マークと対面する。トニーは自分の企みがバレたことに気が付き、開き直って全員に酒をふるまおうといい、ハバード警部がどこかに電話するシーンで〆。


感想

 評価は◎。

 うわ、めっちゃくちゃ面白かった。( ´∀`)bグッ!

 「ヒッチコック映画ってみんなありがたがっているけど、どれもこれも個人的にはあんまり面白くないよなぁ」とか思っていましたが、これは大ホームラン。最初から最後までみっちり詰まっているし、後半「妻はどうなっちゃうの?」とめっちゃハラハラしたりして、見ても損しなかったと思う初めてのヒッチコック映画でした(物凄い失礼)


 劇中で推理作家のマークが完全犯罪なんて上手くいかないというシーンがありますが、そのあとトニーが綿密に計画した完全犯罪を実行しようとしたら、その通り全然上手くいかないので笑った。

 殺したい妻が家にいないと困るのにいきなり外出すると言い出したので見苦しくじたばたしてなんとか家にいるようにさせたり、夜の11時きっかりに電話する筈なのに、10時40分で腕時計が止まっていたり、極めつけが妻を殺してもらうはずなのに妻が生き残って殺しを依頼した男の方が殺されたりして、もうまるでうまくいかない(笑) その後の即興での偽装工作の方が上手くいったのだから、あの計画はなんだったのか、みたいな(笑)

 しかし悪いことをする奴には天罰が下り、レイ・ミランドはお縄になりました・メデタシメデタシ。


 ところで、これ、ほぼ「刑事コロンボ」ですよねぇ。というかもう、この映画を見た後では、コロンボはこれを念頭に置いて作ったとしか思えなくなってきた(多分違うと思うけど)。あまつさえレイ・ミランドが犯人だしなぁ(この俳優は、コロンボの作品の一つ「悪の温室」で犯人役でした)
 
 

シネマ「ダイヤルMを廻せ!」<字幕スーパー><レターボックスサイズ>
[BSプレミアム] 2021年06月30日 午後1:00 ~ 午後2:46 (106分)


【監督】
アルフレッド・ヒッチコック
【原作戯曲・脚本】
フレデリック・ノット
【撮影】
ロバート・バークス
【音楽】
ディミトリ・ティオムキン
【出演】
レイ・ミランドグレース・ケリー、ロバート・カミングス ほか


製作国:
アメリ
製作年:
1954
原題:
DIAL M FOR MURDER
備考:
英語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ

 

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