【映画】感想：映画「見知らぬ乗客」(1951年:アメリカ)

NHK BSシネマ　http://www.nhk.or.jp/bscinema/
放送　NHK BSプレミアム。2021年6月16日(水)

【※以下ネタバレ】
　

巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督が「太陽がいっぱい」の作家パトリシア・ハイスミスの小説を映画化。交換殺人の計画に巻き込まれてしまった男を描く傑作サスペンス。

巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督が「太陽がいっぱい」の作家パトリシア・ハイスミスの小説を映画化。レイモンド・チャンドラーが脚本を手がけ、交換殺人の計画に巻き込まれてしまった男の恐怖を描く傑作サスペンス。テニス・プレーヤーのガイは、列車に乗り合わせた見知らぬ乗客から声をかけられる。ブルーノと名乗る男は、ガイが妻と不仲だと知っており、ガイの妻と自分の父とを互いに殺害する完全犯罪を持ちかけるが…。

あらすじ

　テニス選手のガイ・ヘインズは、列車で移動中、ブルーノ・アントニーという男から声をかけられる。ブルーノは、ガイと妻ミリアムの中が冷え切っていること、ガイが上院議員の娘アン・モートンと結婚したがっていること、を熟知していた。

　ブルーノはガイに、自分がミリアムを殺すので、代わりに自分の父親を殺してほしい、と持ち掛ける。そうすれば、互いに動機がないので捕まる心配がないと言う。ガイは、そんな話には取り合わず列車を降りるが、自分のライターを置き忘れてしまう。

　ブルーノはミリアムを尾行して、遊園地で絞殺すると、その足でガイに殺害を報告する。ガイは警察に通報しようと考えるが、ブルーノの共犯と見なされるのがオチと気が付き、黙っていることにした。しかしミリアムが殺された時刻のアリバイが無かったため、警察から疑われ、刑事の尾行を付けられる羽目になってしまう。

　ブルーノはガイに執拗に父親を殺すように催促するが、ガイは拒否し続ける。苛立ったブルーノは、犯行現場にガイのライターを落してガイの犯行に見せかけることにした。その事に気が付いたガイも後を追い、さらに警察もガイを泳がせて行動を監視した。

　ガイとブルーノは遊園地で出会い、格闘の末にブルーノは事故死した。ブルーノの手にはガイのライターが握られており、またミリアム殺しの際にブルーノを目撃した人物がいたことで、ガイの疑いは晴れた。おしまい。

感想

　評価は○（そこそこ）。

　ヒッチコックのどちらかというとマイナー系の作品。前半から中盤にかけては面白かったのですが、ラストがしまらなかった……

　半分頭のいかれた男が勝手に立てた交換殺人計画に主人公が巻き込まれてしまい、アリバイも無ければ、交換殺人の話をすることもできず、さらに犯人が執拗に付きまとってきて、と、八方ふさがりの状況に追い込まれて追い詰められていく、という流れは緊迫感満載で面白かったのですが……

　終盤、ブルーノがガイのライターを犯行現場に落して陥れてやろう、とするあたりからだるくなってきて……、ブルーノは大事なライターを道路の排水溝の中に落として大慌てするとか、その間ガイがテニスの試合で動きが取れないことを示すため延々テニスの試合シーンが続くとか、時間稼ぎみたいな場面ばかりになって興ざめの一言。

　クライマックスは、メリーゴーランドが停止できなくなってその上で二人が争うのですが、サスペンス映画のクライマックスには派手過ぎるというか。そしておじいさんが暴走メリーゴーランドを停止させた途端、勢いが付きすぎていたのでメリーゴーランドが大崩壊してしまうシーンは、パニック映画そこのけの衝撃破壊シーンでマジかよと思いました（笑） 馬が遠心力でちぎれて吹っ飛んでいたし、これは馬に乗って喜んでいた子供全員死んでるやろ……

　最後はあっさりガイの無実が証明されてメデタシメデタシ、というのもなんか淡白過ぎだったしなぁ。前半から中盤のサスペンス感覚が最後まで保てなかったのがイマイチでした。

　ところでガイが「プロ（のテニス選手）になる気は？」と聞かれるシーンがあるのですが、つまりガイはアマチュアでテニスしているだけなのか？　では、どうやって食っているんだ？ とそれが気になって気になって……
　
　

シネマ「見知らぬ乗客」＜字幕スーパー＞＜スタンダードサイズ＞
[BSプレミアム] 2021年06月16日 午後1:00 ~ 午後2:42 (102分)

【監督】
アルフレッド・ヒッチコック
【原作】
パトリシア・ハイスミス
【脚本】
レイモンド・チャンドラー、チェンツイ・オルモンド
【撮影】
ロバート・バークス
【音楽】
ディミトリ・ティオムキン
【出演】
ファーリー・グレンジャー、ルース・ローマン、ロバート・ウォーカー　ほか

製作国：
アメリカ
製作年：
1951
原題：
STRANGERS ON A TRAIN
備考：
英語／字幕スーパー／白黒／スタンダード・サイズ

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