【映画】感想:映画「泥棒成金」(1955年:アメリカ)

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NHK BSシネマ http://www.nhk.or.jp/bscinema/
放送 NHK BSプレミアム。2022年1月13日(木)

【※以下ネタバレ】
 

ケーリー・グラントグレース・ケリー共演。巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督が、風光明美な南仏を舞台に、引退した泥棒と偽者の大騒動を描く傑作犯罪コメディー。。


ケーリー・グラントの軽妙なユーモア、グレース・ケリーの輝くような美貌、巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督が紺碧(こんぺき)の海が広がる風光明美な南仏を舞台に描くユーモアたっぷりの傑作サスペンス。“キャット”の異名を持つ宝石泥棒ジョン・ロビーは、今は引退し、リビエラで悠々自適の生活を送っていた。ところがある日、自分とそっくりの手口の泥棒が現れる。ジョンは自分の名をかたる偽者を突き止めようとするが…。

 

あらすじ

 フランス・リビエラで大金持ちが宝石を盗まれる事件が次々と発生した。その手口はかつて「猫」というあだ名で一世を風靡した泥棒ジョン・ロビーの物にそっくりだったため、警察はロビーに疑いの目を向ける。

 ロビーは過去に一度逮捕されたものの、戦争で刑務所が破壊されたため脱獄、そのあと地下抵抗組織レジスタンスの一員として英雄となったため、仮釈放扱いで自由の身となっていた。そして現在ロビーはリビエラに豪華な屋敷を構え、富豪として悠々自適の生活を送っていた。

 ロビーはかつての泥棒仲間で、今はレストランの経営者として成功しているベルタニの元を訪ね、自分が無実であることを訴える。ベルタニの店の従業員たちもやはり元泥棒たちだったが、彼らはロビーがまた泥棒に戻って自分たちに迷惑をかけようとしていると考え冷たい態度だった。

 ロビーは自らの無実を証明するため、自分で偽「猫」を捕まえようと、ベルタニの仲介でロイズ保険のヒューソンと手を組む。そしてヒューソンから偽「猫」のターゲットになりそうなリビエラにいる金持ちのリストを提供してもらい、まず、アメリカから来た観光客で大富豪のスティーヴンス母娘に接近する。

 ロビーはアメリカの観光客のふりをしていたが、娘のフランシー・スティーヴンスは最初からロビーの正体を見抜いており、犯人探しに協力する気満々だった。しかし直後スティーヴンス夫人の宝石が盗まれてしまい、フランシーはロビーが盗んだと激怒し、警察を呼んだため、ロビーは逃走する。

 やがて大金持ちの屋敷に侵入しようとした泥棒が家人に見つかり殺されてしまうが、その正体はベルタニの店で働くフッサールだった。警察はフッサールが偽「猫」だったとして事件に幕を下ろそうとするが、ロビーはフッサールが戦争で片足を失って義足だった事を指摘し、偽「猫」ではあり得ないと主張する。

 ロビーは犯人をおびき出すため和解したフランシーたちの協力で金持ちの屋敷で開催されるパーティーに潜入し偽「猫」を待ち構え、遂に捕まえることに成功する。偽「猫」の正体は、フッサールの娘ダニエルで、ダニエルは警察に対しベルタニが黒幕だと白状する。

 最後、ロビーとフランシーが抱き合ってキスしておしまい。


感想

 評価は○(そこそこ)。

 天下のヒチコックの手掛けた映画。タイトルでなんとなくわかりますが、サスペンスとかではなく普通の(?)映画。面白さはそこそこ。


 基本的に、元盗賊の主人公が濡れ衣を晴らすためあれやこれやする、というお話ですが、サスペンス要素はなく、捜査(?)の途中でアメリカから来た観光客と恋愛ごっこをしたりと、あまり真面目にやっているようにも見えず、結局どういうスタンスの映画なのかイマイチわかりませんでした。まあ、少なくとも「コメディー」で無い事は確かでしょう。笑う要素皆無だし、人死には出るし。

 「犯人は一体誰だ?」的な点で最後まで引っ張るものの、最後に真相が明かされた後すぐ「THE END」になってしまい、余韻もへったくれも無いので、意外な犯人像を咀嚼する暇もありませんでした。まあ昔の映画はみんなこんな感じだったと言われればそうなんですけどね。

 主人公がもちっと若くてハンサムなイケメン俳優で、若い子との恋愛ゲームを楽しみながら濡れ衣を晴らしていく、というシャレオツ映画ならまだ見れたと思うんですが、ケーリー・グラントはもうこの映画の時点でリアルで50歳くらいのおっさんだったしなぁ。ヒチコックのケーリー・グラント好きは解るのですが、テーマと俳優の人選が合って無かったのでは。

 まあ、そこそこには面白いけど、そこそこでしかない映画でした。

泥棒成金
[BSプレミアム] 2022年01月13日 午後1:00 ~ 午後2:48 (108分)


【製作・監督】
アルフレッド・ヒッチコック
【原作】
デビッド・ダッジ
【脚本】
ジョン・マイケル・ヘイズ
【撮影】
ロバート・バークス
【音楽】
リン・マーレイ
【出演】
ケーリー・グラント、グレース・ケリー、ブリジット・オーベール ほか


製作国:
アメリ
製作年:
1955
原題:
TO CATCH A THIEF
備考:
英語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ

 

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