【映画】感想:映画「007/ダイ・アナザー・デイ」(007シリーズ20作目)(2002年:イギリス)

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BS-TBS|007シリーズ【吹替】 https://bs.tbs.co.jp/movie/007/
放送 BS-TBS。2022年3月26日(土)

【※以下ネタバレ】
 

007シリーズ第20作。世界中で空前の大ヒットを記録!ブロスナン=ボンドの超人気作!


北朝鮮に潜入することに成功したボンド。しかし、敵に捕らわれたボンドは14ヶ月に及ぶ拷問の末、反逆者の汚名を着せられたまま解放される。事件の核心を探ろうと、ボンドは単身キューバへと向かい、事件の裏は世界壊滅の陰謀があることを突き止める。そしてボンドの前に現れた謎の女、ジンクス……。

 

あらすじ

 007/ジェームズ・ボンド北朝鮮に潜入すると、武器商人に化け、違法武器密売に関わっている北朝鮮軍のタン・サン・ムーン大佐の暗殺を謀った。ところが何故かボンドの正体がムーン大佐たちにバレてしまい、脱出を図ったボンドは追跡してきたムーン大佐を殺すものの、大佐の父親であるムーン将軍に捕まってしまい、過酷な拷問を受ける。

 14ヶ月後。ボンドは突如、ムーン大佐のかつての部下ザオとの捕虜交換で解放された。出迎えたMは、ボンドに、ザオは韓国と中国の会談で爆弾テロを起こし中国の諜報員三人を殺した罪で捕まっており、交換などしたくなかったと冷酷な言葉を発する。しかも先日北朝鮮に潜入したアメリカのスパイが見つかって処刑されており、アメリカはボンドが秘密を漏らしたと疑って釈放させたのだった。

 Mはボンドから00ナンバーをはく奪し再教育センターに行くように命じるが、ボンドは西側に自分やアメリカのスパイの情報を漏らした裏切り者がいると考え、その相手を探すため逃亡し、香港に上陸した。

 ボンドは中国のスパイに接触すると、ザオを殺すという条件で取引し、ザオがキューバにいるという情報を得る。ボンドはキューバに飛び、現地の情報員からザオが遺伝子療法という最新の医学を駆使するアルバレス博士の病院にいると掴む。ボンドはアルバレスの病院に潜入し、別人への整形を行おうとしていたザオを見つけるものの取り逃がす。一方、謎の美女ジャシンタ・ジョンソン(通称ジンクス)はアルバレスを殺すとすぐに消えてしまう。

 ボンドは、ザオの遺留品に、アイスランドのダイヤ王グスタフ・グレーヴスの会社のダイヤがあることを知り、グレーヴスに接触する。グレーヴスの秘書ミランダ・フロストは実はMI6の諜報員でMの指令でグレーヴスを監視していた。ボンドはMからグレーヴス調査の指示を受ける。

 ボンドはアイスランドに乗り込み、セレブたちと共に、グレーヴスが人工衛星イカルスを使い、太陽光を反射して地表に照射するデモンストレーションを見る。ボンドはここでジンクスと再会し、彼女がアメリカの諜報機関NSAのエージェントであることを知る。

 ボンドは遺伝子療法装置を発見し、グレーヴスが死んだはずのムーン大佐が遺伝子療法で顔を変えた姿だと気が付くが、ミランダの裏切りで窮地に陥る。ミランダこそがムーン大佐/グレーヴスに情報を漏らしていた裏切り者だった。ボンドとジンクスはなんとか危機を切り抜けるものの、グレーヴスたちは逃走する。

 グレーヴスは北朝鮮にに戻りクーデターを起こして権力を握ると、韓国への侵攻の準備を開始した。グレーヴスはイカルスの太陽光照射で38度線の地雷を全て焼きはらい、一気に軍隊を突入させるつもりだった。ボンドとジンクスは北朝鮮に侵入し、グレーヴスとミランダを倒して、戦争の勃発を阻止した。最後はボンドとジンクスがいちゃついているシーンで〆。
 
 

感想

 評価は○(そこそこ)

 前作のシリーズ19作目「ワールド・イズ・ノット・イナフ」(1999年)に続く第20弾にして「ピアース・ブロスナン007」の三年ぶりの4本目、そしてブロスナンボンドの最後の作品。派手ではあるけど、たいして面白くもない映画でした。


 ソ連が敵となる東西冷戦の時代はもう過去の物、ということで、今度は北朝鮮を悪役にしてみました、というスタート地点からなんかヤバい感じがしたわけですが……

 冒頭、ボンドが北朝鮮軍に捕まって14か月も拷問されて、捕虜交換でようやく解放されました、とかそういう滑り出しからもうゲンナリ。007というのはスーパーヒーローで、常人なら死ぬような絶体絶命のシチュエーションでも涼しい顔で切り抜ける、みたいなのを求めている訳で、捕虜になって拷問されるボンドとか見たくないわけですよ。

 また、Mから機密を漏らしたと見なされ00の身分をはく奪されたボンドが、姿をくらませて孤独に一人で活動する、という展開は、16作目「消されたライセンス」を彷彿とさせますが、そういうのもまた求めていないわけで……


 一応、中盤からは話の軌道が元に戻り、ボンドはMI6に復帰してQから秘密兵器とかギミック満載のボンドカーとかを支給してもらい、悪党は宇宙に打ち上げた人工衛星からの殺人光線で地上を攻撃し、というホラ話路線に突入するものの、なんかやはりイマイチ乗り切れない展開。「北朝鮮」という言葉にこっちが引っ張られているのかもしれないのですが、なんか全体に薄暗い物を感じ、素直にアクション映画として楽しめなかったというか……


 それはそれとして、21世紀に突入してCG技術が格段に進歩したからか「これはCGで作ったよね」というシーンがやたらめったら目に付く作品で、

・ジンクスが崖から海に飛び込むシーン
・Qが透明ボンドカーを紹介するシーン
アイスランドの氷の宮殿でレーザー光線が乱射される
・透明になって走り回るボンドカー
人工衛星から地上に照射される太陽光
・終盤燃えながら墜落する巨大飛行機

 等々、いかにものCG映像満載で、007も変わったなぁという印象でした。


 この映画を見ていると「007らしさとは何か」を考えさせられてしまいました。まあ確かにジェームズ・ボンドを名乗るスパイが活躍するし、世界の危機を救う訳ですが、「これは主人公をボンド以外のキャラにしても成立する内容じゃね?」感が……、まあ「007らしさ」というものは観客一人一人違うでしょうが。「ゴールドフィンガー」とかあのあたりを至高のポンド映画と考える観客としては、この映画は007というタイトルじゃなくてもいいのでは、という何かモヤモヤに捕らわれてしまいました。

 大体、終盤にグレーヴスが無駄にSFめいた鎧を着こんで10万ボルトの電撃を武器にボンドと対決するあたり、なんか007映画というよりSFアクション映画に見えたし……


 ということで、なんか私がイメージする007映画はもう過去の物になってしまったのだなぁ、と強く感じてしまう一作でした。

おまけ

 ボンドがグレーヴスに面会に行ったときに、女性インストラクターが出迎えてくれますが、演じていたのはマドンナだったのね。全然気が付かなかった。
 
 

https://bs.tbs.co.jp/movie/007dieanotherday/
007/ダイ・アナザー・デイ【吹替】


2022/3/26(土)
よる9:00~11:24

007シリーズ第20作。世界中で空前の大ヒットを記録!ブロスナン=ボンドの超人気作!


◆キャスト
ピアース・ブロスナン、トビー・スティーヴンス、ハル・ベリーロザムンド・パイク


◆スタッフ
原題:DIE ANOTHER DAY
2002年/イギリス
監督:リー・タマホリ

 

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