【映画】感想：映画「007／ロシアより愛をこめて（字幕版）」(007シリーズ2作目)(1963年:イギリス)

映画007｜ＢＳ日テレ https://www.bs4.jp/007/
放送　BS日テレ。2023年5月11日(木)

【※以下ネタバレ】
　

007シリーズ第2弾。シリーズ史上、最も高い支持を受け続けている超人気作！

ソ連の暗号解読機を引き渡すことを条件に、イギリスに亡命を望む謎の女タチアナがボンドに接触。実はその裏には、世界的犯罪組織“スペクター”の恐るべき陰謀があった。罠と知りつつボンドはイスタンブールに向かうが……。
（1963年製作）

あらすじ

　犯罪組織スペクターの幹部「No.5」クロンスティーンは、ソ連の重要機密である暗号解読機「レクター」を入手するため、イギリス・ソ連の諜報部を罠にかける巧妙な計画を立案した。しかも、この計画は、過去にスペクターの幹部ドクター・ノオを殺した007／ジェームズ・ボンドへの報復も兼ねていた。

　スペクターの「No.3」であり、過去にソ連諜報部の大佐だったクレブは、トルコ・イスタンブールのソ連領事館に勤務する諜報員タチアーナ・ロマノヴァに接触し、諜報部からの指令だと偽ってある任務を与える。

　やがてイギリス諜報部に、タチアーナから亡命の希望と解読機を盗み出すことに協力するとの申し出が届くが、条件としてボンドがイギリスまで護送することを要求していた。Mは確実に罠だと考えつつ、暗号機入手のチャンスを見逃さず、ボンドをイスタンブールに派遣する。

　ボンドは、トルコ支局長ケリム・ベイの支援を受け、罠を警戒しつつタチアーナと接触する。しかしボンドの行動はクレブの差し向けた殺し屋グラントによって逐一監視されていた。

　ボンドは、ソ連領事館に爆弾騒ぎを仕掛け混乱を引き起こして解読機を入手し、すぐさまタチアーナ、ケリムと共に列車に乗り込んでトルコを離れた。しかし、後を追ってきたグラントはケリムを殺し、さらに勝利を確信してボンドにスペクターの計略を明かす。スペクターは、このあとボンドとタチアーナを殺して解読機を横取りし、全てはイギリス諜報部のやったこととして終わらせるつもりだった。

　ボンドは隙を見て反撃してグラントを殺し、タチアーナと共に列車を降りるとイタリアへ向かった。スペクターのトップ「No.1」は、失敗したNo.5を処刑し、No.3クレブに解読機奪還を命じる。ボンドたちはスペクターの執拗な追撃をかわしてイタリアまでたどり着き、自ら乗り込んで来たクレブもボンドに敗れた。最後、ボンドとタチアーナがベニスのゴンドラに乗っているシーンで〆。

感想

　評価は○（まずまず）。

　007シリーズ2作目。1作目「ドクター・ノオ」(1962年)に続く「ショーン・コネリー007」の二本目。前作「ドクター・ノオ」はしょぼい内容で失望甚だしかったのですが、本作は比較にならないくらい娯楽度がアップしており、視聴して納得の一作でした。

　まあ、まだまだ地味なところが残っており、舞台がほぼトルコ・イスタンブール限定ではありましたが、それ以外は

・出発前にQが秘密装備を用意してくれるシチュエーションが初登場
・猫を撫でるスペクターNo.1
・ケリムがソ連領事館内を潜望鏡で覗くというユーモラスシーン
・ロマの村での大アクションシーン
・秘密装備で危機を脱するシチュエーションが初登場
・列車内でのボンド対グラントの格闘
・ボンドがヘリの襲撃を撃退
・ボンドがスペクターのボート部隊の追撃を、流出した燃料に照明弾で火をつけ爆発させて撃退
・最後に自ら襲ってきたクレブをタチアーナとのコンビで退治

　と面白い要素が満載。前作の『だるい調査シーンが続き、ボンドがスパイなのかハードボイルドなタフガイ探偵なのかどちらか良く分からない……』という状況から脱し、きちんと「スパイ映画」していてなかなかの一作でした。

　まあ、まだ全体的に「地味」な印象はぬぐえないのですが、スパイアクション映画としては合格点だったと言えましょう。

コネタ

　序盤にボンドがQから渡される装備の中に「AR7型狙撃銃」というものがあり、これは銃床／ストック（肩にあてる部品）の中に銃身その他が格納してあり、必要に応じてそこから取り出して組み立てるとライフルが出来上がり！という物。いかにもQが開発した秘密兵器っぽいのですが、実はこの銃は現実に存在する物だそうです。現実はフィクション映画よりも奇なり、です。
　
　