【映画】感想:映画「ネバーセイ・ネバーアゲイン」(007シリーズ番外編)(1983年:アメリカ)

ネバーセイ・ネバーアゲイン [Blu-ray]

BS-TBS|007シリーズ【吹替】 https://bs.tbs.co.jp/movie/007/
放送 BS-TBS。2022年1月5日(水)

【※以下ネタバレ】
 

ショーン・コネリーが華麗に“ボンド復活”を遂げた幻の<007番外編>


巨大犯罪組織スペクターにより略奪されたNATOの核弾頭を奪取するため、ジェームズ・ボンドが活躍する!ド派手で華麗なアクションを存分に楽しめる<007番外編>!

 

あらすじ

 007/ジェームズ・ボンドは、上司のMが新しい人物に代替わりし、00ナンバーエージェントを重視しなくなったため、現場での仕事から外され後輩の指導ばかりさせられていた。Mは体のなまったボンドに対し、ロンドン郊外のシュラブラント療養所で体調を整えるように命じる。

 同じころ、犯罪組織スペクターの「ナンバー1」ラルゴは、アメリカ軍から核爆弾を強奪する「アラーの涙」作戦を進めていた。ラルゴはアメリカ空軍の将校ペタチ大尉を麻薬漬けにして操り、右目をアメリカ大統領の物とそっくりの物に移植させていた。ペタチは一旦シュラブラント療養所に送られ、そこでボンドは彼と遭遇するが、陰謀には気が付かずに終わる。

 アメリカ軍は演習で二発の巡航ミサイルを発射予定だったが、弾頭はペタチが目を利用してセキュリティシステムを騙し、大統領のふりをしてダミーから本物の核爆弾にすり替えていた。巡航ミサイルは発射されるとすぐラルゴ一味によってコントロールされ、核爆弾は一味の手に落ち、直後ペタチは口封じに殺された。スペクターはすぐさま各国に対し、核爆弾を使用されたくなければ、各国の原油購入価格の25パーセントをスペクターに差し出すように要求した。

 この事態にボンドは一線に復帰することになり、すぐさま大富豪ラルゴが怪しいと睨む。ボンドはバハマでラルゴと接触すると同時に、ラルゴの恋人でペタチの妹でもあるドミノと知り合う。ボンドはスペクターナンバー12・ファティマに命を狙われながらも危機を乗り切り、ラルゴを追ってフランス・ニースに飛ぶ。

 ボンドはニースでファティマの襲撃をかわし彼女を倒すが、ラルゴに捕まってしまう。ボンドはアフリカ・パルミラに連れてこられ、そこに置き去りにされるがなんとか脱出し、さらに核爆弾の一発がアメリカ・ワシントンに仕掛けられていることを連絡する。

 ラルゴ一味はパルミラ湾にある古代遺跡の洞窟にもう一つの核爆弾を仕掛けるつもりだった。ボンドは友軍の協力を得てラルゴの部下たちを倒し、ドミノはラルゴが兄の仇と知り水中銃で撃ち殺した。最後、ボンドとドミノがプールでイチャイチャしているシーンで〆。
 
 

感想

 評価は△(中身が薄~い)。

 「007/ダイヤモンドは永遠に」(1971年)でボンド役を卒業したショーン・コネリーが12年ぶりにボンドを演じたことで話題になった映画。しかし内容がひたすら薄っぺらで満足度低でした。


 本作はいつもの007シリーズを作っているところとは別の権利者が作った別ライン作品ということで、おなじみの007のテーマ曲は未使用と、いきなり物足りない滑り出し。それでも「ミスター007」ショーン・コネリーを担ぎ出して、その点では期待させてくれたのですが……

 お話そのものは、1965年公開の「007/サンダーボール作戦」の再映画化ですが、核爆弾奪取の手法は今(1983年)風になっているし、バハマ・ニース・アフリカと世界各地に舞台が移り変わるし、クライマックスの洞窟など大きなセットを組んだりしてお金をかけているのが解るし、なのですが、見ていて話が超ぺらっぺら。

 結局ボンドがあちこちに移動してはすぐに美女とイチャイチャしているだけの中身のない展開。バハマの海中でのサメの襲撃、ニースでのバイクアクション、アフリカでの城の乗馬アクション、など、派手な見せ場はあるものの「それだけ」で全く心に残らず。

 途中でボンドとラルゴが世界征服ゲーム云々というコンピューターゲームで対戦しますが、それも当時は最先端感あふれるものだったかもしれませんが、今の目で見るとしょぼいし。ボンドなら、カジノでカードとかなんとかのクラシックな何かで対決してほしかった感ありますよね。下手に流行物を取り入れた結果、後世で却って時代遅れ感が目に付くという皮肉な事態に……

 キャスティングもなんかアレで、007ボンド以外、宿敵ラルゴは「サンダーボール作戦」でアドルフォ・チェリが演じた眼帯キャラの重みの足元にも及ばない存在感も無い男だし、ブロフェルドはいきなり顔を見せるわ小柄で迫力も何も無いわの貧相なおじさんだし、ポンドガールたちはケバイだけで魅力を感じないし。

 そもそもこの話、ボンドは何故ラルゴが怪しいと思ったのか理由の説明が全く無いんですが……、ホントに何故なんだ?

 結局盛り上がりも何も無いまま事件が解決してしまって「えっ、これで終わりなの?」みたいな拍子抜けの結末でしたし、最後から最後までなんか「イマイチ」という言葉が付きまとう映画でありました。
 
 

https://www.bs-tbs.co.jp/movie/007NeverSayNeverAgain/
ネバーセイ・ネバーアゲイン【吹替】


2022/1/5(水)
よる6:30~8:54


◆キャスト
ジェームズ・ボンドショーン・コネリー若山弦蔵
ドミノ…キム・ベイシンガー(平澤由美)
ラルゴ…クラウス・マリア・ブランダウアー(佐々木勝彦
ブロフェルド…マックス・フォン・シドー(永田博丈)
ファティマ…バーバラ・カレラ(坪井木の実)
Q…アレック・マッコーエン(井上文彦)
M…エドワード・フォックス(田原アルノ
フィリックス・ライター…バーニー・ケイシー(西凛太朗
マネーペニー…パメラ・セイラム(浅井晴美
フォーセット…ローワン・アトキンソン(岩崎ひろし)


◆スタッフ
1983年/アメリ
監督:アーヴィン・カーシュナー

 

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