【映画】感想:映画「007/ダイヤモンドは永遠に」(007シリーズ7作目)(1971年:イギリス)

007/ダイヤモンドは永遠に [Blu-ray]

BS-TBS|007シリーズ【吹替】 https://bs.tbs.co.jp/movie/007/
放送 BS-TBS。2022年1月4日(火)

【※以下ネタバレ】
 

007シリーズ第7弾。
カムバックしたショーン・コネリーがボンドを演じた最後の作品!


アフリカから密輸され、行方がわからなくなっているダイヤモンドを探すために、ボンドはダイヤの運び屋に変装。やがてティファニーという女からダイヤの運搬を依頼されるが、その裏に宿敵ブロフェルドの存在を嗅ぎつける……。

 

あらすじ

 007/ジェームズ・ボンドは、宿敵ブロフェルドを追い詰め、ついに殺すことに成功した。

 ボンドはMから新しい任務を与えられるが、それはダイヤ密輸ルートの解明だった。アフリカのダイヤ鉱山ではある程度ダイヤが盗まれることは前提として盛り込まれていたが、ここ二年ほどは盗まれたダイヤが全く市場に出てこないという異常事態となっていた。もしダイヤが一気に市場に放出されればダイヤ価格は崩壊しかねないため、ボンドは密輸組織の黒幕とその意図を探るように命じられる。

 ボンドはオランダ・アムステルダムに向かうと、ダイヤの運び屋として、密輸ルートの中継役であるティファニー・ケイスという美女と接触する。ティファニーは、ダイヤをアメリカのラスベガスに運ぶように指示し、ボンドはCIAのフェリックス・ライターたちの協力を得て、偽ダイヤを密輸した。しかしボンドは任務を終えた運び屋を消して回る殺し屋二人組(ウィントとキッド)に殺されそうになり、危うく難を逃れる。

 やがてボンドの前にティファニーが現れ、本物のダイヤをどこに隠したのかと詰問してきた。ボンドは紆余曲折の末ティファニーを味方につけ、密輸組織のボスが大富豪ウィラード・ホワイトだと突き止める。ウィラードは人間嫌いで過去二年ペントハウスに籠り人前に姿を見せていなかったため、ボンドはペントハウスに忍び込む。

 ところがそこにいたのは死んだはずのブロフェルドで、ウィラードを監禁してすり替わり、彼の大企業帝国をそっくり乗っ取っていたのだった。ボンドたちは監禁されていたウィラードを救出するが、ブロフェルドは一足先に逃走していた。

 さらにウィラードの会社が打ち上げた人工衛星は、実は大量のダイヤモンドを利用したレーザー砲を搭載しており、ブロフェルドはレーザーの力を誇示してアメリカ・ソ連・中国を脅迫して来た。ボンドはテキサスにある海上石油掘削基地がブロフェルド一味の本拠と見抜き、CIAと共に猛攻撃を仕掛けて基地を破壊、ブロフェルドを倒した。

 事件解決後、ボンドがティファニーと共に豪華客船の旅を楽しんでいると、殺し屋コンビ・ウィントとキッドが襲ってくるが、ボンドは軽く撃退する。最後、ティファニー人工衛星を見ながらボンドに「あのダイヤを手に入れる方法はないものか」とか尋ねるシーンで〆。
 
 

感想

 評価は○(手堅くツボを押さえた一作)。

 5作目「007は二度死ぬ」(1967年)でボンド役を卒業したショーン・コネリーが復帰したことで有名な一作。ファンが007に求めるところを手堅く押さえており、見ていて楽しい娯楽映画でした。


 6作目「女王陛下の007」(1969年)がイマイチ振るわなかったため、スタッフがショーン・コネリーに泣きついて復帰してもらった、ともっぱらの噂の作品ですが、やはりコネリー・ボンドはさすがの安心感です。

 この作品のストーリーで面白いと思ったのは、ラスボスの正体が中盤(1時間半あたり)まで分からず、それを解明する謎とき物のようになっていところですね。いつもの007シリーズであれば、序盤からラスボスが誰かは簡単に判明し、ボンドがその人物の周囲を図々しく嗅ぎまわり、殺されそうになりながらも色々話が進む、というのがお約束です。

 ところがこの映画では、ダイヤ密輸組織のボスはなかなかわからず、ボンドが手掛かりを手繰りながら、その黒幕を必死に調査することになります。劇中でボンドが愚痴っていた通り、00ナンバーのエージェントがダイヤ密輸事件のような世界の危機と関係ない事に投入されるのはどうかという感じで、007シリーズというよりはタフガイ探偵物のノリでしたが、これはこれで面白かったので有り。

 そしてラスボスの正体がまさかの(?)ブロフェルドと明かされてからは、「宇宙からのレーザー攻撃で世界の大国を脅迫する」という派手な、というか殆どホラ話みたいな展開に突入し、最後はヘリ軍団対ブロフェルド一味という大アクションが盛り込まれて007らしさも見せてくれて、最終的に観客大満足、でした。



 ただ、この映画を見ていると、「以前より予算が削減されたのかな」と度々しょぼさを感じさせられました。例を挙げれば

・ボンドが逃走時に使う「月面車」が見るからに金がかかっていない

・核ミサイルがレーザーで破壊された後に上がるきのこ雲(?)が失笑ものの貧弱さ

・その他のレーザーでの被害のシーンがなんか力が入っておらず、適当にごまかされている

・悪の組織の巨大セットとが組まれず、ラストの悪の本拠地も海上掘削プラットフォームでのロケでごまかして(?)いる

・クライマックスのヘリ部隊の戦闘シーンでヘリが爆発するカットは、明らかに別のしょぼい爆発シーンを挿入している

・ブロフェルドが逃走用に用意した潜水艇がまた作りが貧乏くさいい

・ボンドガールが一人しかいない(普段はメインとサブでニ~三人いるのに)


 と、色々なところで貧相さが感じられ、なんだかなあ感も無きにしも非ず、でした。


 今回のボンドガールのティファニーは、出だしこそ妖艶系のキャラでしたが、ラスベガスに来てからは、簡単にボンドに篭絡されたり、「正義のために働いているのに……」とか愚痴ったり、ボンドがすり替えたプログラムテープをわざわざ正しい物に戻してしまったり、銃を乱射してその反動でプラットフォームから転げ落ちたり、とコメディ系の役割を演じていて、斬新と言えば斬新ではありました。お笑いを演じるボンドガールってなかなかいませんよね。まあ、お笑いというなら、ブロフエルドがペントハウスから脱出するとき女装していたのには笑いましたが(笑)


 とまあ、色々批判したものの、変に話にこらずに楽しめる映画に仕上がっていたので、作品の評価としては○でしたね。
 
 

https://www.bs-tbs.co.jp/movie/007diamond/
007/ダイヤモンドは永遠に【吹替】


2022/1/4(火)
よる6:30~8:54


◆キャスト
ジェームズ・ボンドショーン・コネリー若山弦蔵
ティファニー…ジル・セント・ジョン(岡寛恵
ブロフェルド…チャールズ・グレイ佐々木梅治
M…バーナード・リー藤本譲
マニーペニー…ロイス・マクスウェル(泉裕子)
Q…デスモンド・リュウェリン(白熊寛嗣)
ホワイト…ジミー・ディーン(青山穣
フィリックス・ライター…ノーマン・バートン(辻親八


◆スタッフ
1971年/イギリス
監督:ガイ・ハミルトン

 

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