【映画】感想:映画「007は二度死ぬ」(007シリーズ5作目)(1967年:イギリス)

007/007は二度死ぬ [Blu-ray]

BS-TBS|007シリーズ【吹替】 https://bs.tbs.co.jp/movie/007/
放送 BS-TBS。2022年1月3日(月)

【※以下ネタバレ】
 

007シリーズ第5弾。
WELCOME TO JAPAN Mr.BOND!ボンドが日本で大活躍!


米ソの宇宙カプセルが謎のロケットに捕獲され、軌道上から姿を消す事件が続発。イギリス謀報部はその妨害ロケットの基地が日本にあることを突き止める。ボンドは日本に飛び、日本の諜報機関に所属するタイガー田中の協力で調査を進めるが……。

 

あらすじ

 アメリカの有人宇宙カプセルが、接近してきた国籍不明宇宙船に飲み込まれ行方不明になってしまった。アメリカはソ連の仕業と考え非難するが、ソ連側は完全否定する。イギリスは謎の宇宙船が日本近傍に降下したことを突き止めており、米英ソで調査することを提案する。

 香港。007/ジェームズ・ボンドは美女と同衾していたが、美女が招き入れた男たちによって射殺されてしまった。ボンドの遺体は香港の海に水葬となるが、実はボンドは生きており、全てはイギリス情報部による偽装作戦だった。潜水艦に収容されたボンドは、Mから東京に向かい宇宙カプセルの行方を調査するように命じられる。

 東京にやってきたボンドは協力者のもとに向かうが、早速殺し屋の襲撃を受ける。殺し屋は大里化学が放ったものだった。直後、ボンドは日本の秘密諜報組織のボス・タイガーこと田中と接触し、田中の組織と協力して大里化学の調査を開始した。

 大里社長は秘密組織スペクターの一員であり、スペクターの「ナンバー1」が、宇宙カプセル強奪の指揮を取っていた。スペクターは、米ソ間に戦争を起こさせようとする某国から大金を受け取って陰謀を進めていた。そしてソ連の宇宙カプセルもスペクターの宇宙船に捕えられてしまい、米ソの緊張がより高まった。

 ボンドたちは、マツという小島に大里たちの秘密基地があると睨み、ボンドは日本人に変装し偽装結婚して現地に乗り込み、タイガーたちの部下たちもそれぞれ潜入して調査を開始した。しかしアメリカは新たな宇宙カプセルの打ち上げを予定するとともに、もし再度カプセルが襲撃された場合はソ連との戦争を開始する構えだった。

 ボンドは島の火山に大里の秘密基地があることを突き止め単身潜入するものの、すぐに発見されてしまう。ボンドの目の前でまたもスペクターの宇宙船が打ち上げられ、世界戦争の危機が目前に迫った。しかしタイガーたちのニンジャ部隊が応援に駆け付け、自由になったボンドはスペクター宇宙船の自爆装置を作動させ、陰謀を直前で阻止した。スペクター「ナンバー1」ことブロフェルドは基地の自爆装置を作動させてから逃走するが、ボンドやタイガーたちもなんとか脱出に成功した。

 最後。ボンドが「妻」と救命ボートの上でいちゃつこうとしていると、そこにMたちの乗った潜水艦が浮上してきて〆。
 
 
 

感想

 評価は○(ハチャメチャで面白い)。

 4作目「サンダーボール作戦」(1965年)から一転、荒唐無稽さ全開の方向に舵を切った一作。宇宙空間で宇宙カプセルが未知宇宙船に捕まえられてしまうというSF感丸出しの陰謀とか、数々の日本の変な描写とか、過去の007シリーズと比較するとアレ感は否めませんが、007シリーズだと思わずに「肩の凝らない活劇映画」としてみれば悪くない、それどころか、なかなか楽しめる映画でした。

 冒頭の、謎の宇宙船がアメリカの宇宙カプセルを捕まえる辺りの雰囲気が、もう東宝特撮映画のそれで、冒頭からして「これが007映画?」という違和感が漂いますが、その後も東京に来たボンドが意味なく力士から情報を受け取ったり、半裸の女性にお風呂に入れてもらったり、と、怪しげな日本の描写が続き、うーん感強し。

 しかしアクションシーンはなかなか面白く仕上げてあり、銃をぶっ放してくる相手とカーアクションを展開した挙句オチで相手の車をヘリで釣りあげて海に落とすとか愉快だったし、ミニヘリコプターでの悪党のヘリとの空中戦は手に汗握る迫力だったし、と、単なるバカ映画ではないのが嬉しい所でした。

 孤島に作られたスペクターの秘密基地が、火山湖に偽装した出入り口からロケットやヘリが離発着するなど、もう特撮物の「秘密基地」感いっぱいなのがワクワクしましたが、さらにセットのスケールがマジに凄かった。いくらお金かかってるのと心配になるくらいの大きさで説得力(?)があったし、クライマックスでの基地の中のニンジャ部隊と悪党たちとの大バトルも迫力がありました。

 し・か・し、終盤ボンドが日本人に変装する云々というくだりがありましたが、どこが日本人なのか!?(笑) あの変装(?)に騙される人いないでしょ! そもそもブロフェルドも顔を合わせた瞬間にボンドだと解ってたし(笑)

 この映画、ちょっとバカ風味のアクション映画としては申し分ないのですが、一つ「問題」があるとすれば、ほぼボンドが登場する必要が無かった事かなぁ? 面倒な調査とかは日本のタイガーの組織が殆どやってくれていたので、「この事件はボンドがいなければ解決しなかった!」感が無く、ボンドがちょっとタイガー田中/丹波哲郎のお手伝いに来たくらいにしかみえなかったです。

 しかしまあ、有りか無しかで言えば「有り」の映画で、見た後満足感でニッコリのまずまずの映画でしたよ。 
 

https://www.bs-tbs.co.jp/movie/007YouOnlyLiveTwice/
007は二度死ぬ【吹替】


2022/1/3(月)
午後1:00~3:15


◆キャスト
ジェームズ・ボンドショーン・コネリー若山弦蔵
タイガー田中…丹波哲郎谷口節
アキ…若林映子八十川真由野
キッシー鈴木…浜美枝小林沙苗
ブロフェルド…ドナルド・プレザンス稲垣隆史
M…バーナード・リー藤本譲
Q…デスモンド・リュウェリン(白熊寛嗣)
マニーペニー…ロイス・マクスウェル(泉裕子)
大里…島田テル浦山迅


◆スタッフ
1967年/イギリス
監督:ルイス・ギルバート

 

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