【少年漫画】感想：コミック「真ゲッターロボ」（原作：永井豪　作画：石川賢／双葉文庫版／2002年9月）

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真ゲッターロボ (双葉文庫―名作シリーズ) 文庫 2002/9/17
永井豪石川賢ダイナミックプロ
出版社:双葉社 (2002/9/17)
発売日:2002/9/17
文庫:531ページ

【※以下ネタバレ】
　

早乙女研究所を襲う謎の昆虫軍団。開発中の真ゲッターを起動し迎え撃つリョウとハヤト。が、予想外の展開からベンケイを乗せたゲッタードラゴンは、地中へと沈んでいく。そして時間と空間を越えた宇宙に登場するゲッターエンペーラー……。新世紀ゲッターサーガの始まりを告げる傑作、遂に文庫化!! 真ゲッターロボ外伝「クレーターバトル」を同時収録。

あらすじ

　早乙女研究所では、ゲッターロボ、ゲッターロボG、に続く三代目のゲッターロボ「真ゲッターロボ」の開発が進められていた。ゲッター線を無限に増幅して動く真ゲッターは過去のゲッターとは比較にならない性能を持つはずだったが、あまりに出力が高すぎて開発は難航していた。

　ある日、宇宙から早乙女研究所上空に巨大な鬼のような物体が飛来する。それは百鬼ロボの集合体で、操っていたのは死んだはずのブライ大帝だった。ブライは謎の存在に蘇らされ、ゲッターを倒すために送り込まれたというが、真ゲッターに倒される。

　やがてブライを蘇らせた謎の存在が巨大な虫のような兵器を駆って早乙女研究所に襲来し、真ゲッターはこの敵との戦闘を開始した。一方、弁慶は、研究所内に侵入した敵を撃退しようと、研究所内で研究開発用に転用されていたゲッタードラゴンを戦闘に投入し、敵を蹴散らしたもののメカの暴走により、ゲッタードラゴンは地中深くに転落してしまう。

　早乙女博士はゲッタードラゴン引き上げに固執し、徐々に精神状態がまともではなくなっていった。その間にも謎の敵の襲撃は繰り返されていた。

　遥かな未来では、巨大なゲッター「ゲッターエンペラー」を中心とするゲッターの大軍団が、全宇宙の支配を目指して破壊を繰り広げていた。戦いに敗北した勢力は、歴史を改変しゲッター軍団を消滅させようと、時間を遡り早乙女研究所を襲撃していたのだった。

　やがて敵は巨大な宇宙戦艦を亜空間に突入させ、過去の地球に衝突させようとするが、地中の「真ゲッタードラゴン」が膨大なゲッター線と共に宇宙戦艦を消滅させた。竜馬と隼人は真ゲッターで亜空間を逆にたどり、遥か未来のゲッターエンペラーの戦いぶりを垣間見る。

　二人が元の世界に戻った時、早乙女研究所の所員たちはみな消滅していた。竜馬は真ゲッターを見上げながら、ゲッターは自分たちに何をさせるつもりなのかと叫ぶ。＜完＞

感想

　先日読了した「ゲッターロボ號」のラストに感銘を受けたので、興奮冷めやらぬままに、その続編（劇中の時間としては過去に当たる）の「真ゲッターロボ」を大枚はたいて購入しました。一度雑誌連載を読んでいた筈ですが、ほぼ忘れ切っていて（まあ25年くらい前の話ですし無理もない）、新鮮に読めました。覚えていたのはギィムバグ軍曹の名前くらいでしたわ。

　しかしまぁ、全体に暗く、読んでいてうーんと唸ってしまう内容でありました。弁慶は戦死しちゃうし（死んでないと言われればそうかもしれませんが……）、早乙女博士はおかしくなった挙句消滅するし、オチは竜馬の「ゲッターロボよ、お前は俺たちに何をさせる気なんだ！」云々のあと、地中のゲッターGのアップでおしまい、という突き放した結末ですし……　読み物として、どうよこれ？

　結局「Gと號の間の空白の期間を埋めるエピソード」という感覚は皆無で、「G」のあと「號」とは別の歴史を歩んだゲッター世界、と言われた方がしっくりきます。この後、宇宙からの未知の敵の事は一旦放り出して、ドクターランドウたちとドタバタしていくことになる、と考える方がつじつまが合いそうにないし……

　ゲッターエンペラーが出てくることで有名な漫画ではありますが、作品としての面白さはもうひとつふたつというところでしょうか。